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2018/01/31

芥川龍之介 手帳12 《12-1》

 

手帳12

 

[やぶちゃん注:以下は、岩波書店の新しい「芥川龍之介全集」の第二十二巻(一九九八年刊)で始めて全集内資料として活字化されたもので(同巻の「後記」によれば、最初の紹介は一九九七年九月発行の『山梨県立文学館館報』第三十号の井上康明氏の「芥川龍之介の手帳」で、そこでは先行する「手帳1」「手帳10」も併せて紹介されている、とある)、旧全集には所載しない手帳で、僅かに、旧全集「手帳一」の最後に《12-4》が紹介されていることから、この手帳は旧全集編者によって確認されていたが、何らかの理由によって活字化出来なかったことが判る。当時の所有者の許諾が下りず、全部を確認することが出来なかったか、或いは、これが最も可能性が高いと私は思うのであるが、内容から見て、あまりに断片的な記載が多いこと(他の手帳に比して確かにそうは言える)、終りの方が当時の個人の住所録で、公開した場合、或いはプライベートな問題が生ずる可能性があった(今でいう個人情報の問題も含む)こと等から、活字化を見送ったものとも思われる。

 現在、この手帳は山梨県立文学館が所蔵しており、東京電力株式会社の大正四(一九一四)年発行の手帳で、一九一五年のカレンダーなどが附されてあるとある(と言っても、古いそれを彼がメモ書きに使用することはあるから、この書誌データによっては、単にそれ以降の使用と言うだけの上限を知るに留まる)。

 底本は無論、新全集の当該巻を使用したが、例によって恣意的に漢字を正字化して、原資料の形に近づけて活字化し、底本の「見開き」改頁の相当箇所には「*」を配した。なるべく同じような字配となるようにし、表記が難しいものは、注で可能な限り、言葉で説明して示したが、それが著しく困難な箇所があり(具体的には《12-3》(この記号は後述する)パートのチャート部分)、そこに関しては、新全集のその部分だけを画像として読みとって、トリミングして示すこととする(但し、それは新全集の編者によって完全に描き直されたものであるから、画像としての著作権を云々されるかもしれない。万一、そうした指摘を受けるようであれば、完全に私が手書きで書写した画像に差し替えようとは思う)。また、芥川龍之介自身の描いたデッサン(手書き地図一枚を含む)が四葉あるが、これはそのまま画像としてトリミングして当該箇所に表示する。既に、今までの手帳でもそれは行っているが、パブリック・ドメインの描かれた絵を完全に平面的に複製しただけのものには著作権は発生しないというのは文化庁の公式見解であるから、これらについては全く問題はない。

 新全集の「見開き」部分については各パートごとに《12-1》というように見開きごとに通し番号を附け、必要に応じて私の注釈を附してその後は一行空けとした。「○」は項目を区別するために新全集で編者が附した柱であるが、使い勝手は悪くないのでそのままとした。但し、中には続いている項を誤認しているものもないとは言えないので注意が必要ではある。判読不能字は■で示した。私の注については、白兵戦の各個撃破型であるからして、叙述内容の確かさの自信はない。

 新全集の「後記」では、本「手帳12」の記載時期に就いては、大正五(一九一六)年から大正七(一九一八)年頃の閉区間の推測がなされているが(根拠は記されていない)、下限の閉時期は記載内容と「龍」脱稿等との関連から私にはやや不審である(鷺只雄氏の推定では「龍」の脱稿は大正八年四月二十四日頃である。因みに、そこでは本手帳内の記載で関わる作品で公開作としては「猿」(大正五(一九一六)年九月『新思潮』発表)、「道祖問答」(大正六(一九一七)年一月『大阪毎日新聞』)・「偸盜」(同大正六年四月及び七月『中央公論』)・「軍艦金剛航海記」(同大正六年七月『時事新報』)・「枯野抄」(大正七(一九一八)年十月『新小説』)、「龍」(大正八(一九一九)年五月『中央公論』)が、未定稿としては「BEAU(「道祖問答」の草稿。「BEAU」は「ボォウ」で、「洒落男・婦人の相手役となる男・恋人・ボーイフレンド」のこと。もとはフランス語の「美しい」の意)「東洲齋寫樂」が挙げられてある。また、そこでも言及されているが、《12-10》の曜日と時間と人名、及び『Syntax』(構文)とか『Prosody』(作詩術・韻律法)というメモは明らかに、横須賀の海軍機関学校教官(教授嘱託・英語)当時の即時的メモランダである。因みに、芥川龍之介が海軍機関学校に就任したのは大正五(一九一六)年十二月一日で、航海見学で軍艦金剛に乗艦して横須賀から山口県由宇まで行ったのが、大正六(一九一七)年六月二十日から二十四日、彼が厭で厭で仕方がなかったこの教職を退いたのは大正八(一八一九)年三月三十一日(最後の授業は三月二十八日)であった。]

 

 

《12-1》

○日本橋盡し 播州室津

[やぶちゃん注:「日本橋盡し」ありそうな書名なのだが、不詳。ただ、個人サイト「日本紀行の「室津街道を見ると、この地に「友君橋」という橋があり、この橋の名は室津の伝説的遊女の一人「友君」に因むらしく、そこには、彼女は『木曾義仲の愛妾で』あった『山吹御前』という伝承があると書かれている。しかし、芥川龍之介がこの橋を考えてメモしたのかどうかは定かではない。「日本橋盡し」という本、どなたか知らんかえ?

「播州室津」「ばんしうむろつ(ばんしゅうむろつ)」は現在の兵庫県たつの市御津町室津(みつちょうむろつ)で、播磨灘に面する港町で漁港。(グーグル・マップ・データ)。港町として約千三百年の歴史を持ち、奈良時代、行基によって五つの港が整備され、江戸時代には栄華を極め、宿場町としても栄えた。万葉以来の歌枕で、古くから多くの文人墨客を魅了し、井原西鶴は処女作「好色一代男」(天和二(一八六二)年刊)で遊女の発祥地と謳い上げ(「本朝遊女のはじまり、江州の朝妻、播州の室津より事起こりて、いま國々になりぬ」)、近代になっても竹久夢二(当地の旧木村旅館の女将をモデルに「室の津懐古」を描いている)・谷崎潤一郎(室津の遊女伝説をもとに「乱菊物語」を書いている)らが訪れてここを舞台とした作品を執筆している。日本紀行の「室津街道を参照されたい。]

 

 

○東都名所 永代橋儡

[やぶちゃん注:「東都名所」葛飾北斎に「東都名所一覽」はあるが、「永代橋」の絵は載らぬ。どうも下の画題らしきものが気になる。「儡」はどう見てもおかしい。どう見ても誤字だ。何の誤字かと言われりゃあ、永代橋なら佃島よ! さすれば、これ、私の好きな一枚、歌川広重の「名所江戸百景」(安政四(一八五七)年板行)の「永代橋佃しま」のことではあるまいか? (国立国会図書館デジタルコレクションの単画像)だよ! これ!]

 

○江戸名所 兩國花火

[やぶちゃん注:これもねぇ、おらのとっちゃあ、広重の「名所江戸百景」の「兩國花火」なんだけどなぁ! これ(国立国会図書館デジタルコレクションの単画像)よ! これ!]

 

○木曾路の山川}

       }三枚續二色

 金澤八景  }

[やぶちゃん注:「木曾路の山川」これも多分、歌川広重の同じく安政四年の三枚続きの「木曽路之山川」(雪月花之内 雪)じゃあねえかなぁ! れ!(「文化遺産オンライン」)

「金澤八景」前がそれとなりゃ、もう! 同じ広重の同じ「雪月花之内」の「月」の、「武陽金沢八勝夜景」でゲショウ!! さ!(同じく「文化遺産オンライン」)]

 

○類書東海道 中版東海道

[やぶちゃん注:「類書東海道」というのは「東海道」を題に含んだ東海道の名所を辿った厖大な類書類(小説化した滑稽本などは含まないが、名所記以外に浮世絵は含む)のことではないかと思う。

「中版東海道」これは歌川広重の浮世絵木版画の連作「東海道五十三次」の「中版」であろう。同題のものは他作家のものも一杯あり、広重のものだけでも実は三十種余りの木版画シリーズが作られ、大版・中版など、大きさやデザイン・枚数の多寡等、さまざまなものがあった。]

 

○京都名所 中ノ淀川の圖

[やぶちゃん注:う~~、これも、やっぱし、広重の「京都名所之内 淀川」のことやないかいなぁ? でお(国立国会図書館デジタルコレクションの単画像)。]

 

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