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2018/04/22

和漢三才圖會第四十一 水禽類 蒼鷺(アオサギ)

Aosagi

あをさぎ

蒼鷺

     【和名美止鷺言綠之下畧】

みどさぎ

 

和名抄蒼鷺似鷺而小色蒼黑【美止佐木】今稱蒼鷺者似鷺而

大頭背翅皆蒼黑項冠毛亦同色頭上至胸黑毛斑斑翅

端正黑觜外黑内黃腹白脚綠每步水邊食魚飛則能高

擧遠翔其肉最美夏月賞之勝於白鷺

 

 

あをさぎ

蒼鷺

     【和名、「美止鷺〔(みどさぎ)〕」。

      言ふこころは「綠(みどり)」の

      下畧なり。】

みどさぎ

 

「和名抄」に、「蒼鷺」は鷺に似て小さく、色、蒼黑【「美止佐木〔(みどさぎ)〕」】〔と〕。今、「蒼鷺」と稱する者、鷺に似て大なり。頭・背・翅、皆、蒼黑。項〔(うなじ)〕・冠毛(さかげ)も亦、同色なり。頭の上〔より〕胸に至まで、黑毛、斑斑〔(はんはん)〕たり。翅の端(はし)、正黑。觜の外、黑く、内は黃なり。腹、白く、脚、綠なり。每〔(つね)に〕水邊を步〔(ほ)〕して魚を食ふ。飛ぶときは、則ち、能く高く擧〔(あが)〕り、遠く翔〔(かけ)〕る。其の肉、最も美なり。夏月、之を賞す。白鷺より勝れり。

 

[やぶちゃん注:鳥綱 Avesペリカン目 Pelecaniformesサギ科 Ardeidaeサギ亜科 Ardeinaeアオサギ属亜アオサギ亜種アオサギ Ardea cinerea jouyi。寺島良安は珍しく「本草綱目」から引いていないが、事実、「本草綱目」の「鷺」類が記されている「禽之一 水禽類」には不思議なことに「蒼鷺」「靑鷺」に相当する記載が全く見られない。アオサギArdea cinerea には四亜種が確認されているが、上記のArdea cinerea jouyi は中華人民共和国北部・朝鮮半島・日本・スマトラ島・ジャワ島等に分布するとあるが、同じく亜種の Ardea cinerea cinerea は東アジア(則ち、中国を含む)に分布しているから、これは甚だ不審である(以下のウィキの分布図を見られたいが、アオサギ類全亜種の繁殖地・越冬地・終年棲息地が示されており、それら区分に中国は全土が含まれてあるからである。また、中文ウィキでも中国を分布域とし(恐らくは Ardea cinerea cinerea の)、ユーラシア大陸の湿地帯に普通に見られるとし、漢名も「蒼鷺」とあるのである。湖北省出身の本草家李時珍がアオサギを知らなかったはずもない。不審である。或いは、全く別の名でどこかに登場しているのかも知れぬが、見かけ上の形態から言って、鷺類の記載の周辺に出ないのはおかしい。或いは私が気づかぬ(そうして良安も)だけか?

 ウィキの「アオサギによれば、『アフリカ大陸、ユーラシア大陸、イギリス、インドネシア西部、日本、フィリピン北部、マダガスカル』に広汎に分布する。『夏季にユーラシア大陸中緯度地方で繁殖し、冬季になるとアフリカ大陸中部、東南アジアなどへ南下し』、『越冬する。アフリカ大陸南部やユーラシア大陸南部などでは周年生息する。日本では亜種アオサギが夏季に北海道で繁殖のため飛来し(夏鳥)、冬季に九州以南に越冬のため飛来し(冬鳥)、本州・四国では周年生息する(留鳥)』。全長は八十八~九十八センチメートル、翼開長で百五十 ~百七十センチメートル、体重一・二~一・八キログラムとサギ類では大きい部類に属する。『メスよりもオスの方がやや大型になる』。『頭部は白く、後頭に黒い羽毛が伸長(冠羽)する』。『眼上部から後頭の冠羽に繋がるように眉状の黒い筋模様(眉斑)が入』り、『上面は青灰色』。『和名の由来(漢字表記の蒼はくすんだ青色のことも指し、中国語名と同一)になっている。種小名cinereaは「灰色の」の意で、英名(grey)と同義。背の飾羽は灰色』、『下面は白い羽毛で被われ、胸部の羽毛は伸長(飾羽)する。前頸から胸部にかけて破線状の黒い縦縞が入る』。『側胸や腹部は黒い』。『雨覆の色彩は灰色で、初列雨覆や風切羽上面の色彩は黒い。人間でいう手首(翼角)の周辺には』、二『つの白い斑紋が入る』。『嘴は黄色』。『虹彩は黄色』。『後肢は暗褐色』である。『若鳥は上面が灰褐色、頭部が灰色の羽毛で被われる。若鳥や冬羽は上嘴が黒ずむ。眉斑は不明瞭で、後頭に冠羽が伸長しない。繁殖期は眼先がピンク色で、嘴や後肢の色彩もピンク色。非繁殖期は眼先が黄緑色で、嘴や後肢の色彩が黄色。メスはオスと比較すると冠羽や飾羽があまり発達しない』。『河川、湖沼、湿原、干潟、水田などに生息する』。『非繁殖期には単独で生活するが』、『本種のみで数羽が同じねぐらに集まったり』、『コサギなどのねぐらに混ざることもある』。『魚類、両生類、昆虫などを食べるが、鳥類の雛、小型哺乳類を食べることもある』。『水辺で待ち伏せたり、水辺や浅瀬を徘徊しながら獲物を探す』。『小型の魚類は嘴で挟んで捕えるが、コイなどの大型の魚類は側面から嘴で突き刺して捕えることもある』。『獲物を発見すると、素早く頸部を伸ばし』、『捕食する』。『繁殖形態は卵生。松林などに集団繁殖地(コロニー)を形成する』。『主に本種のみのコロニーを形成するが、同科他種のコロニーに混ざることもある』。『主にオスが巣材を集め、メスが樹上に木の枝を組み合わせた皿状の巣を作る』。『日本では』四~五月に一回に三~五個の『卵を産む』。『同じ巣を修理して何年にもわたり』、『使用しつづけ』、『雌雄で抱卵・育雛を行い、抱卵期間は』二十三~二十八日で、『雛は孵化してから』五十~五十五日で『巣立つ』。『生後』二『年で成熟する』。『アシの生えた地上での営巣記録もある』。『養殖魚を食べるため、害鳥とみなされることがある』。本邦『では集団繁殖地は限定的で、日本海側に多い傾向がある』が、『消滅した繁殖地もある』『一方』、『関東地方では近年繁殖数が増加傾向にあり、例として神奈川県では』一九九五『年に初めて繁殖が確認された』とある。はいはい、先週の金曜日、戸塚から大船まで柏尾川川畔を歩きましたが、仰山、蒼鷺、おりましたで。

『「綠(みどり)」の下畧なり』「みどり」の最後の「り」を省略したものである、の意。……思い出すことがある。中学時代、富山県高岡市伏木の勝興寺の近くに住んでいた。その近くに知的障害を持った老女がいた。同級生らは彼女のことを「めどっちゃん」或いは「みどっちゃん」と呼んで馬鹿にしていた。怒ると石を投げてきた(私は投げずにそれを離れて見ていた)。意味が判らなかった私が訊ねると「あの婆さんはあれで何と『みどり』って名前なんや」と返ってきた。彼女は私の家のすぐ近くの銭湯に来ては、営業時間が過ぎても湯につかっていて、仕方なしに番台の主人が十円を渡すと、にこにこして帰っていったそうだ。私の亡き母はよく彼女の背を洗ってやったが、それはそれは垢だらけだったそうだ……]
 
 

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