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2018/06/04

諸國里人談卷之一 金印

 

    ○金印

相州小田原最乘寺の金印は、開山了菴和尚、三嶋明神の告(つげ)によつて、地中より掘(ほり)出〔いだ〕す所の神璽(しんじ)なり【其蹟、金剛水と號す。妙井なり。】。[やぶちゃん注:以上の割注の下に、金印の落款図が入る。リンク先は早稲田大学図書館古典総合データベースの①の落款のある画像。謂わずもがな、右頁の巨大なそれである。]朱を以〔もつて〕點ㇾ之〔これをてんず〕。佛菩薩の名号呈す。又、印書もあり。印員、不定。此守護(まもり)を所持すれば、天行病(はやりやまひ)・魑魅★両(ちみまうりやう)を避(さ)く。夜行(やかう)の時は、印一つは一人の具(とも)、印三つあるは、山賊・惡獸の眼(まなこ)には、四人を伴(ともな)ふて見ゆると云(いへ)り。○一年〔あるとし〕、江戸傳馬(でんま)町邊の綿布(めんぷ)を商(あきなふ)もの、上州へ元買(もとがひ)に行けるに、深谷・本庄の間にて、六人の強盜に、あふ。元來(もとより)、此男、兵術(ひやうじゆつ)を得たれば、一人は、うす手を負(おふ)て迯去(にげ〔さ〕)る。殘る五人の盜は、道の邊〔べ〕の松・杉を相手として、飛躍(とびおど[やぶちゃん注:ママ。])り、切合(きりあふ)風情(ふぜい)なりしが、これもまた、退去(にげさり)て、辛(かろ)うじて、助かりける。後に案ずれば、五つ押(おし)たる金印を懷にしたり。全く此加護なりと益々、信を增(まし)けり。

[やぶちゃん注:「★」=(くにがまえ)の中に「※」(まさにこの記号通り)。「魑魅※両」は「魑魅魍魎」。

「相州小田原最乘寺」神奈川県南足柄市大雄町(だいゆう)にある曹洞宗大雄山(だいゆうさん)最乗寺。ここ(グーグル・マップ・データ)。「道了権現」「道了尊」「小田原道了薩(さった)」と称す。大山不動・川崎大師とともに神奈川県三大名刹の一つ。本尊は釈迦牟尼仏。応永元(一三九四)年、了庵慧明(りょうあんえみょう 延元二/建武四年(一三三七)年~嘉吉元(一四一一)年:相模出身。俗姓は藤原。曹洞宗の僧。不聞契聞(ふもんかいもん)について出家し、通幻寂霊の法を嗣ぐ)が弟子の道了薩の助力を得て創建した。道了薩は神通力(じんずうりき)を持っていたといわれ、師の命によって井戸を掘るうち、鉄印を掘り当て、そこから清泉が湧き出したと伝えられる。この鉄印は御金印(おかのいん)と称し、この寺第一の霊宝とされる。最乗寺了庵派十六派は関東の曹洞宗の中で一大勢力をなし、江戸時代末まで栄えた。道了薩は道了大権現として崇められ、師の死後、仏法を守護すべしとして天狗となったという伝説から、大烏天狗信仰を生じ、寺には九葉の羽団扇や、天狗が履く鉄製の大下駄が祀られている(最乗寺公式サイト及び小学館「日本大百科全書」他に拠った)。横浜翠嵐高校での山岳部の顧問時代の春山の定番、明神ケ岳の東の入山口として私には馴染み深い。

「金印」驚いたことに、この落款の影印はネット上に存在しないようである。以上の掘り出されたことを記している記載は見つかっても、その影印の文字が何を表わしているのかを解説している人も、これ、いない。「神璽(しんじ)」なれば分らぬのは当然とは言われそうだが、呪文の一種として何かの系統と繋がるものなのか、それとも、ある程度の文字解読が可能なのか? 識者の御教授を乞うものである。

「三嶋明神」現在の三島大社の祭神、大山祇命(おおやまつみのみこと:伊弉諾尊と伊弉冉尊の子)と積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ:事代主のこと)の二柱の総称。

「金剛水と號す。妙井なり」今もある。美味い。最乗寺公式サイト解説ページ

「江戸傳馬(でんま)町」「てんまちょう」(現代仮名遣)と濁らないのが普通。江戸開府の際、伝馬を業とする人々が集住した、現在の東京都中央区日本橋付近の町名。大伝馬町・小伝馬町に分かれる。後に江戸を代表する問屋街となり、また、時代劇で知られるように小伝馬町には幕府の牢屋敷が置かれた。中央附近(グーグル・マップ・データ)。

「深谷・本庄の間」(グーグル・マップ・データ)。]

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