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2018/07/31

進化論講話 丘淺次郎 附錄 進化論に關する外國書・奥附 / 「進化論講話」やぶちゃん注~完遂

 

     附錄 進化論に關する外國書

 

 外國語で進化論及び遺傳・變異等のことを書いた書物は、今日の所では非常に數が多いが、その中で最も有名なものと、最も讀むに適するもの若干を選み出せば、凡そ次の通りである。

[やぶちゃん注:以下、既に本文に複数回、出て、注を附したものも多いので、作者については既出或いは既注の場合は附さない。但し、最低、刊行年は示した。

 

 1 DARWIN, Origin of Species.ダーウィン著、種の起源)

 

 之は進化論の書物の中で最も有名なもので、今では殆ど總べての西洋語に譯せられてある。已に古い本ではあるが、苛も進化論を學ばうと思ふ人は、是非とも之を讀まなければならぬ。近來安い版が出來て居るから、壹圓位で買へる。

[やぶちゃん注:初版刊行は一八五九年十一月二十四日(安政六年相当)。本書刊行の大正一四(一九二五)年当時の一円は現在の千円強から二千四百円ほどになろう。]

 

 2 DARWIN, Descent of Man.ダーウィン著、人の先祖)

 

 之も前書と同樣で、學者の必ず讀むべき書物である。後半の雌雄淘汰に關しては今日種々の議論もあるが、大體の點は決して誤でなからうと信ずる。また前半は進化論を人間に當て嵌めたもの故、恰も前書の續篇とも見るべきものである。

[やぶちゃん注:一八七一年二月二十四日刊(明治四年相当)。]

 

 3 HUXLEY,Man's Place in Nature.ハックスレー著、自然に於ける人類の位置)

 

 自然に於ける人類の位置を明に述べた三回の講義の筆記で、小さな本であるが、「種の起源」の直ぐ後に出版せられたから、一時は非常に評判の高かつた書である。

[やぶちゃん注:一八六三年刊。]

 

 4 HAECKEL, Natürliche Schöpfungsgeschichte.ヘッケル著、自然創造史)

 

 講義體に書いた解り易い書物で、通俗的の進化論の書物としては、この位全世界に弘まつたものはない。日本語を除いた外は、總べての文明國の國語に飜譯せられ、原書も已に十版以上となつて居る。

[やぶちゃん注:一八六八年刊。]

 

 5 HAECKEL, Anthropogenie.ヘッケル著、人類進化論)

 

 之も講義體に書いたもので、人類の進化と胎内發育とを通俗的に述べてある。前書も本書も最新版は上下二卷となつて、插圖も頗る多い。

[やぶちゃん注:一八七四年刊。]

 

6 WALLACE, Darwinism.ウォレース著、ダーウィン説)

 

 表題は「ダーウィン説」とあるが、中にはダーウィンの考と餘程違つた所がある。それ故次のローマネスの書物などと倂せて讀むが宜しい。この書一册だけを讀んだのではたゞウォレースの説が解るばかりである。

[やぶちゃん注:一八八九年刊。]

 

 7 ROMANES, Darwin and After Darwin. ローマネス著、ダーウィン及びダーウィン以後)

 

 三册になつて居るが、第一册はダーウィンの述べたまゝの進化論を平易に説明し、第二册にはダーウィン以後の學説を批評的に論じてある。進化論の書物を何か一册だけ讀んで見たいといふ人には先づ此の書を勸める。

[やぶちゃん注:一八九二年から一八九七年にかけて刊行。]

 

 8 STERNE, Werden und Vergehen.ステルネ(實名クラウゼ)著、生滅の記)

 

 是はヘッケルの「自然創造史」と同樣に、太古から今日に至るまでの進化の有樣を書いた書であるが、通俗的に書いてあつて面白くて解り易い。

[やぶちゃん注:ドイツの生物学者エルネスト・クラウゼ(Ernst Krause 一八三九年~一九〇三年)。Carus Sterne (カルス・シュテルネ) はペン・ネーム。一八七六年初版で、一九〇七年までに十一版を重ねている。]

 

 9 WEISMANN, Vorträage über die Deszendenzlehre.

     (ヴァイズマン著、進化論講義)

 

 初め二册であったが、新版では一册に改めた。自然淘汰に關する事實が多く揭げてあるが、理論の方面はたゞヴァイズマンだけの説である故、その積りで讀まねばならぬ。また、細胞學上のことも多くある故、その邊は初めて讀む人には了解が困難であるかも知れぬ。

[やぶちゃん注:一九〇二年刊。]

 

 10 PLATE, Selectionsprincip und Problemen der Artbildung.

     (プラーテ著、淘汰説と種の起り)

 

 淘汰説に反對する學説を批評的に論じたもので、眞に公平である如くに感ずる。他の新説を讀むに當って、倂せ讀むには最も適當なものであらう。

[やぶちゃん注:一九一三年刊。]

 

 11 CUÉNOT, La Genèse des Espèces Animales.

     (キュエノー著、動物種屬の起り)

 

 進化論及び近頃の遺傳硏究を短く明瞭に書いた好い書物である。

[やぶちゃん注:フランスの生物学者・遺伝学者ルシエン・クエノ(Lucien Cuénot 一八六六年~一九五一年)。一九二一年刊行。]

 

 12 DELAGE, L'Hérédite et les grands Problèmes de la Biologie générale.

     (ドラージュ著、遺傳と生物學理論の大問題)

 

 議論のすこぶ頗る精密な書物で、各種の遺傳學説を比較し批評してある。二十年許前の出版であるが、今日の雜種硏究のみの遺傳學の書物とは全く趣が違ふから、眼界を廣くするためには頗る有益なものであらう。

[やぶちゃん注:フランスの動物学者・解剖学者イヴ・デラージュ(Yves Delage 一八五四年~一九二〇年)。一八九五年刊。]

 

 13 LOCK, Recent Progress in Study of Variation, Heredity and Evolution.

     (ロック著、變異・遺傳・進化に關する硏究の最近の進步)

 

 表題の通り、近年の進步を知るには適當な書物である。主として雜種に關する硏究が記載してある。出版は今より已に二十年前。

[やぶちゃん注:イギリスの植物学者ロバート・ヒース・ロック(Robert Heath Lock 一八七九年~一九一五年)。一九〇六年刊。]

 

 14 THOMSON, Heredity.トムソン著、遣傳)

 

 遺傳に關する各方面の硏究が悉く書いてある。英書の中では、初めて讀む人に對して、先づ最も適當の書であろう。第二版は十年前に出來た。

[やぶちゃん注:ジョン・アーサー・トムスン(John Arthur Thomson 一八六一年~一九三三年)はスコットランドの生物学者。アバディーン大学博物学教授。科学と宗教の関連性や生物学の普及に務めた。ソフト・コラール(刺胞動物門花虫綱八放サンゴ亜綱ウミトサカ目 Alcyonacea)の専門家でもあった。初版は一九〇七年刊。]

 

 15 BATESON, Mendel's Princeples of Heredity.

     (ベートソン著、メンデルの遺傳法則)

 

 表題の通り近年有名になつたメンデルの遺傳法則を新規の實驗で擴張したもので、この方面の硏究を始めようと思ふ人に取つては最も參考になる書である。

[やぶちゃん注:私が注で述べた(本文には出ない)イギリスの遺伝学者ウィリアム・ベイトソン(William Bateson 一八六一年~一九二六年)。メンデルの法則を英語圏の研究者に広く紹介した人物で、英語で遺伝学を意味する「ジェネティクス:genetics」という語の考案者でもある。但し、彼はダーウィンの自然選択説に反対し、染色体説にさえも晩年までは懐疑的であった。一九一三年刊。]

 

 16 MORGAN, Experimental Zoology.モルガン著、實驗的動物學)

 

 各方面の實驗の結果が書いてあるが、その中には遺傳・雜種等に關することもなかなか多い。兎に角一讀する價値のある書物である。

[やぶちゃん注:トーマス・ハント・モーガン(Thomas Hunt Morgan 一八六六年~一九四五年)はアメリカの遺伝学者。一九〇〇年、メンデルの法則の再発見とともに遺伝学に進み、一九〇七年頃からキイロショウジョウバエを実験材料として研究を行い、染色体が遺伝子の担体であるとする染色体説を実証した。一九一〇年には突然変異体を発見し、以後、精力的に伴性遺伝や遺伝子連鎖などの現象を解明するなど、遺伝学の基礎を確立、本「進化論講話」十三版刊行の八年後の一九三三年には、これらの業績が認められ、ノーベル生理・医学賞を受賞している。本書は確認出来ないが、或いは一九〇三年に発表したEvolution and Adaptation(「進化と適応」)のことか。]

 

 17 GOLDSCHMIDT, Einfürung in die Vererbungswissenschaft.ゴールドシュミット著、遺傳學入門)

 

 近頃數種相續いて出版せられたドイツ語の遺傳學書の中では、是が一番宜しいやうである。新版は今年出版になつた。著者は今年日本へ來て暫く滯在して居た。

[やぶちゃん注:原本は「Vererbungs=Wissenschaft」となっている(「=」以下は改行)が、ネットで調べた形で訂した。フランクフルト生まれのドイツ人で、後にアメリカに渡った遺伝学者リチャード・ベネディクト・ゴールドシュミット(Richard Benedict Goldschmidt 一八七八年~一九五八年)。一九一三年刊か。]

 

 18 DARBISHIRE, Breeding and Mendelian Discovery. ダービシャヤー著、培養とメンデルの發見)

 

 雜種による遺傳硏究の實地の方法を説明し、實物の寫眞を多く入れた書物である。

[やぶちゃん注:イギリスの生物学者・遺伝学者アーサー・デューキンフィールド・ダービシャー(Arthur Dukinfield Darbishire 一八七九年~一九一五年)。遺伝子学説の論客だったらしいが、脳髄膜炎のために若死にしている。一九一一年刊。]

 

 19 HAECKEL, Welträtsel.ヘッケル著、宇宙の謎)

 

 是は前數種の實驗的の書物とは性質が全く違ひ、著者が進化論を基として總べての方面を論じた宇宙觀・人生觀である。出版早々非常に評判の高くなつた書物で、忽ち各國語に飜譯せられ、英譯の如きは、英國純理出版協會から僅に二十五錢位で出して居る。

[やぶちゃん注:一八九九年刊。]

 

 20 HAECKEL, Lebenswunder.ヘッケル著、生命の不思議)

 

 此の書は體裁も内容も前書に似たもので、全く前書の續篇と見做すべきものである。生物學的のことは、此の書の方に却つて多い。之も今では殆ど總べての國語に飜譯せられ、英譯は前書と同じ値で賣つて居る。二册ともに極めて面白い。

[やぶちゃん注:一九〇五年刊。]

 

[やぶちゃん注:以下、奥付。字配は再現していない。国立国会図書館デジタルコレクションの画像をちらを参照されたい。初版発行の「明治三十七年」は一九〇四年で日露戦争の年であり、本新補十三版発行の「大正十四年」は一九二五年は普通選挙法が成立し、治安維持法が公布され、日本初のラジオ放送が開始された年であった。]

 

明治三十七年一月一日印刷

明治三十七年一月七日發行

大正十四年九月十五日十三版印刷

大正十四年九月十八日十三版發行

 

新補進化論講話 定價金五圓

    著作権所有

 

著作者           丘 淺次郎

 

發行兼  東京市石川區小日向水道町八十四番地

印刷者         株式會社 東京開成館

              社長  西野輝男

 

發行所  東京市石川區小日向水道町八十四番地

            株式會社 東京開成館

       〔振替貯金口座〕東京第參貮貮番

 

販賈所  大阪市東區心齊橋通北久寶寺町角

                  三木佐助

     東京市日本橋區數寄屋町九番地

                  林平次郎

 

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