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2018/10/13

和漢三才圖會第四十二 原禽類 鷃(かやくき) (カヤクグリ)

Kayakuki

かやくき  鴽【音如】

 【音寧】

      鵪【音】

【音晏】

      【和名加夜久木】

 

アン

 

本綱鷃者鶉之屬而候鳥也常晨鳴如雞趨民收麥行者

以爲候形狀與鶉相似俱黑色但無斑者爲鷃也三月田

鼠化爲鴽八月鴽化爲田鼠故無斑而夏有冬無焉鶉則

始由蝦蟇海魚所化終卽自卵生故有斑而四時常有焉

鶉與鴽爲兩物明矣

「夫木」置く霜に枯も果てなてかやくきのいかて尾花の末に鳴くらん經家

 

 

かやくき  鴽〔(じよ)〕【音、「如」。】

 〔(でい)〕【音、「寧〔(デイ)〕」。】

      鵪【音[やぶちゃん注:欠字。]】

【音、「晏〔(アン)〕」。】

      【和名、「加夜久木」。】

 

アン

 

「本綱」、鷃は鶉〔(うづら)〕の屬にして、候鳥なり。常に晨(あし)たに鳴きて、雞〔(にはとり)〕のごとし。民を趨〔(うなが)して〕、麥を收〔めし〕む。行く者、以つて候と爲す。形狀、鶉と相ひ似たり。俱に黑色、但し、斑〔(まだ)〕ら無き者、鷃と爲すなり。三月に、田鼠〔(うごろもち)〕、化して鴽(かやくき)と爲〔(な)〕り、八月に、鴽、化して田鼠と爲る。故に、斑、無くして、夏は有り、冬は無し。鶉は則ち、始め、蝦蟇〔(がま)〕・海魚の化する所に由〔(より)〕て、終〔(つひ)〕に、卽ち、自〔(みづか)〕ら卵生す。故に、斑、有りて、四時、常に有り。鶉と鴽と、兩物〔(りやうぶつ)〕爲〔(た)〕ること明〔(あきら)〕けし。

「夫木」

 置く霜に枯れも果てなでかやくきの

   いかで尾花の末に鳴くらん 經家

 

[やぶちゃん注:本邦産種は、スズメ目スズメ小目スズメ亜目スズメ上科イワヒバリ科カヤクグリ(茅潜・萱潜)属カヤクグリ Prunella rubida。但し、本文は「本草綱目」の引用であるから、中国には産しないそれではなく、近縁種であるカヤクグリ属のイワヒバリ Prunella collaris・ヤマヒバリ Prunella montanella・ウスヤマヒバリ Prunella fulvescens・シロハライワヒバリ Prunella koslowi・クリイロイワヒバリ Prunella immaculata 等であろうかと推測する。ウィキの「カヤクグリ」によれば、『日本(北海道、本州中部以北、四国、九州)、ロシア(南千島)に分布する』。『漂鳥で』、『夏季に四国の剣山や本州中部以北、南千島などで繁殖し、冬季になると低地』『や本州、四国、九州の暖地へ南下して越冬する』。『九州では冬鳥』。全長は約十四センチメートル、翼開長は約二十一センチメートルで、『スズメほどの大きさ』であり、体重は十五~二十三グラム。『目立つ模様』はなく、『色彩は地味』である。『雌雄同色で、頭部の羽衣は暗褐色』、『体上面の羽衣は赤褐色で、暗褐色の縦縞が入る』。『胸と腹は灰褐色で』、『体側面から尾羽基部の下面(下尾筒)にかけての褐色の縦縞が入る』。『頬の辺りに薄い黄褐色の斑点模様がある』。『風切羽は暗褐色で外縁は茶色っぽい』。『大雨覆』(おおあまおおい:部位は越智伸二氏のサイト「Nature Photo Galleryの「鳥類各部の名称」を参照されたい)『と中雨覆先端に黄色の斑がある』。『尾羽は暗褐色』。『虹彩は茶褐色』で『眼の周囲に小さな白斑がある』。『嘴は細く黒色』、『足は橙褐色』。『亜高山帯から高山帯にかけてのウラジロナナカマド、ハイマツなどの林や岩場に生息する』。『林の中にいることが多く』、同属の『イワヒバリほどは岩場にで出てこない』。『繁殖期にはハイマツの枝上』『などの明るい場所に出てきてさえずったり、採食をする』。『冬季には平地から低山地の林、灌木林、山間部の沢沿いの藪、集落の庭の藪、林縁などの標高の低い場所へ移動し』、『単独もしくは数羽からなる小規模な群れを形成し』、『ひっそりと生活する』。『繁殖期には「チリチリチリ」や「チーチーリリリ」』『とさえずり、地鳴きは「ツリリリ」』『で、ヤマヒバリの鳴き声に似ている』。『食性は雑食で、灌木を縫うように移動しながら』、『小型の昆虫、幼虫類、クモ、草や木の種子などを食べる』。『夏季は昆虫、冬季は種子を主に食べる。樹上でも地上』『でも採食を行う』。『繁殖期になると』、『オスとメスそれぞれ数羽からなる小規模な群れを形成し、オスとメスともに複数とかかわり』、『繁殖する』。『一妻二夫で繁殖するとも考えられている』。『形成した群れでは』、『オス間に順位があると見られている』。『メスがオオシラビソ』・『キャラボク』・『ダケカンバ』・『ハイマツ』『などの高さ』一メートル『ほどの樹上に』、『枯草や苔などを組み合わせた』、『お椀状の巣を作る』。『メスが猫背になって尾羽を水平に伸ばし、細かく振動させてオスに対して求愛行動をする』。六~九月に一日一個ずつ、一腹二~四『個の卵を早朝に産む』。『巣によっては』、『同じ群れのオスが巣で抱卵中のメスに給餌を行う』。『和名は冬季に藪地(カヤ』・『ススキなどの総称)に潜むように生活し、なかなか姿を見せず』、『藪の下を潜ることに由来する』。『藪の中を好み』、『体色がミソサザイ』(スズメ小目キバシリ上科ミソサザイ科ミソサザイ属ミソサザイ Troglodytes troglodytes)『に似ていることから』、『江戸時代には、「おおみそさざい」、「やまさざい」と呼ばれていた』。『「しばもぐり」、「ちゃやどり」の異名をもつ』。『和名は夏の季語』である。属名のPrunella 「プルネラ」は「褐色の」の意で、種小名rubida も「赤い・赤みがかった」の意で全体が色由来である。

「鷃は鶉〔(うづら)〕の屬」誤り。前項の鶉はキジ目キジ科ウズラ属ウズラ Coturnix japonica で全く縁の遠い別種である。

「候鳥」時節を限って出現する鳥。季節により住地を変える渡り鳥のこと。

「行く者、以つて候と爲す」当該の渡りの時期に南北に旅する者に、時節の推移を自ずと知らせるから。

「三月に、田鼠〔(うごろもち)〕、化して鴽(かやくき)と爲〔(な)〕り、八月に、鴽、化して田鼠と爲る」「田鼠」の読みは前項に従った。脊索動物門脊椎動物亜門哺乳綱トガリネズミ形目モグラ科 Talpidae のモグラ類のこと。またしてもトンデモ化生説であるが、既に前項の鶉に、「蝦蟇〔(がま)〕、爪を得て、鶉と爲る。又、南海に、黃魚といふもの有り、九月、變じて鶉と爲り、而れども、盡くは爾(しか)らず。蓋し、始め、化に成りて、終〔(つひ)〕に卵を以つて生ず。故に、四時、常に、之れ、有り。鴽(かやくき)は、則ち、始め、田鼠(うごろもち)、化して、終に復た、鼠と爲る。故に、夏は有りて、冬は無し」と出て来てしまっているので、読んでいる我々もだんだん馴れっ子になって無批判になりがちなのがキョワい。しかもここでは、「故に、斑、無くして、夏は有り、冬は無し。鶉は則ち、始め、蝦蟇〔(がま)〕・海魚の化する所に由〔(より)〕て、終〔(つひ)〕に、卽ち、自〔(みづか)〕ら卵生す。故に、斑、有りて、四時、常に有り。鶉と鴽と、兩物〔(りやうぶつ)〕爲〔(た)〕ること明〔(あきら)〕けし」と続けることで、出現時期の差を、ライフ・サイクルが、「鶉」=「鴽(かやくき)」は化生しか出来ないから、冬はいない、更に斑紋の有無がその識別は容易とすることで、両者は別個な種である、とやらかされると、ゲーデルの不確定性原理ではないが、この化生肯定世界の閉じられた系の中では、「御説御尤も」と頷いてしまいそうになるではないか。

「置く霜に枯れも果てなでかやくきのいかで尾花の末に鳴くらん 經家」「夫木和歌抄」の「巻二十七 雑九」に載る一首(「日文研」「和歌データベース」で校合済み)であるが、実は藤原経家なる人物は二人(藤原経家(久安五(一一四九)年~承元三(一二〇九)年:藤原重家の子。正三位・非参議)と、右近中将経家(生没年不詳:藤原基家の子)おり(これは「夫木和歌抄の森を歩く」という連載をされておられる吉岡生夫氏のブログ「狂歌徒然草」の、このブログ内検索で判明した)、「夫木和歌抄」にはその孰れもの歌が採られているため、私にはこの一首の作者がどちらであるかは判らぬ。悪しからず。]

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