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2019/02/14

蒲原有明 有明集(初版・正規表現版) 靈の日の蝕

 

  靈の日の蝕

 

時(とき)ぞともなく暗(くら)うなる生(いのち)の扃(とぼそ)、――

こはいかに、四方(あたり)のさまもけすさまじ、

こはまた如何(いか)に我胸(わがむね)の罪(つみ)の泉(いづみ)を

何(なに)ものか頸(うなじ)さしのべひた吸(す)ひぬ。

 

善(よ)しと匂(にほ)へる花瓣(はなびら)は徒(あだ)に凋(しぼ)みて、

惡(あ)しき果(み)は熟(つ)えて墜(お)ちたりおのづから

わが掌底(たなぞこ)に、生溫(なまぬる)きその香(か)をかげば

唇(くちびる)のいや堪(た)ふまじき渴(かは)きかな。

 

聞(き)け、物(もの)の音(おと)、――飛(と)び過(す)がふ蝗(いなご)の羽音(はおと)か、

むらむらと大沼(おほぬ)の底(そこ)を沸(わ)きのぼる

毒(どく)の水泡(みなわ)の水(みづ)の面(も)に彈(はじ)く響(ひゞき)か、

 

あるはまた疫(えやみ)のさやぎ、野(の)の犬(いぬ)の

淫(たはれ)の宮(みや)に叫(さけ)ぶにか、噫(あゝ)、仰(あふ)ぎ見(み)よ、

微(かす)かなる心(こゝろ)の星(ほし)や、靈(たま)の日(ひ)の蝕(しよく)。

 

[やぶちゃん注:「淫(たはれ)の宮(みや)」これは単なる淫祠邪教の神の意ではなく、詩篇のニュアンスからも「淫宮」で、漢音訳「彌那」、古代インドの性愛的豊饒神ミトゥナのことを指していよう。インドのマディヤ・プラデーシュ州のカジュラーホー村にあるジャイナ教のパールシュバナータ寺院などにある、非常にエロティクな男女の交合像で表わされる神で、ウィキの「ミトゥナ」によれば、『男女一対の神像は』、『一日の時を支配する昼と夜』又は『月の神々として崇拝された。性愛の体位を多種多様に表現しており、ラクシュマン寺院の壁面彫刻では一男三女の組み合わせの性交図もある』とある。ウィキの画像をリンクさせておく。孰れのリンク先も自己責任でクリックされたい。]

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