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2019/06/30

小泉八雲 神國日本 戸川明三譯 附やぶちゃん注(64) 封建の完成(Ⅱ)

 

 德川の立法の今一つの人道的方面は、男女兩性の關係に關するその訓諭である。蓄妾は祖先祭祀の繼續に關する理由の爲めに、武士階級には默許されて居たけれども、家康は單に利己的理由の爲めに、此の特權を恣にする事を極めて非難した。『愚昧無識な人間は情婦の爲めに眞の妻を閉却し、かくして最も重要な關係を亂す……此の程度までに墮落した人は信實或は眞面目を缺く武士として常に知られるべきである』。〔愚者は昧ㇾ之爲愛妾本妻大倫溺ㇾ之者は非忠信之士と兼而可知事[やぶちゃん注:手前勝手で訓読する(以下同じ)。「愚者は、之れ、昧(くら)し。愛妾の爲めに本妻を蔑(ないがしろ)にし、大倫を亂し、之れに溺るる者は、忠信の士に非ずと兼ねてより知るべき事。」。]〕輿論によつて非とされて居た寡居は――佛教の僧侶の場合於ける他――同樣に法典も是を非とした。『人十六歲以後は獨棲すべからず。凡そ人たらん者は結婚を自然の第一法則と認む』。〔男女居ㇾ室人之大倫也拾六歲以上獨居すべからず求媒酌而可ㇾ結婚姻之禮子孫相續する時は各先祖之開顏人人天理之本也[やぶちゃん注:「男女(なんによ)、室に居るは、人の大倫なり。拾六歲以上、獨居すべからず。媒酌を求め、而して婚姻の禮を結ぶべし。子孫、相續する時は、各々、先祖の開顏(かいがん)せる(「それでよしと許して、顔を和らげること」を指すか)、人人の天の理(ことわ)りの本なり。」。]〕子なき人は養子する事を强要された。そして遺訓の第四十七條は、男子無き者が、養子せずして死んだ場合、その財産は『親族緣者に顧慮する處なく沒收すべき者』〔無實子養子して相果る者は親疎に拘はらず沒收すべし[やぶちゃん注:「實子、無く、養子、無くして、相ひ果つる者は、親疎(しんそ)に拘はらず、沒收(もつしゆ)すべし。」。]〕なる事を制定した。勿論此の法律は祖先祭祀の擁護の爲めに設けられたもので、それを斷絕する事なく繼續するのが各人の至上の義務と思はれた。併し養子に關する幕府の制規は、各人が困難なく法律上の要求を充たす事を得せしめた。

[やぶちゃん注:〔 〕は底本で同記号で二行割注となっている。無論、訳者戸川秋骨が添えたものである。]

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