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2019/10/03

小泉八雲 化け物の歌 「九 ヤナリ」  (大谷正信訳)

 

[やぶちゃん注:本篇の詳細は『小泉八雲 化け物の歌 序・「一 キツネビ」(大谷正信訳)』の私の冒頭注を参照されたい。]

 

     九 ヤ ナ リ

 ヤナリといふ語の――それは地震中、家屋の震動する音を意味するとだけ我我に語つて――その薄氣味惡るい意義を近時の字書は無視して居る。しかし此語はもと化け物が動かす家の震動の昔を意味して居たもので、眼には見えぬ、その震動者も亦ヤナリと呼んで居たのである。判然たる原因無くして或る家が夜中震ひ軋り唸ると、超自然な惡心が外から搖り動かすのだと想像してゐたものである。

[やぶちゃん注:言わずもがな、「家鳴(やな)り」。西洋の心霊学で言うところの「ポルターガイスト(ドイツ語:Poltergeist:「poltern」(騒々しい音を立てる)と「Geist」(霊)で、「騒がしい音を立てる霊」という意味の合成語)である。本邦でも、日本各地の伝承があるかなり古い怪異で、家や家具が理由もなしに揺れ出す現象を妖怪の仕業と捉えたものである。私の「太平百物語卷五 四十五 刑部屋敷ばけ物の事」がよかろう。但し、これは異類と人の地縛霊が正体であることが明かされる特殊なものである。]

 

 床の間に活けし立ち木も倒れけり

    やなりに山の動く掛物

〔日本の部屋のトコノマといふは裝飾的な、壁の引込(リセス)[やぶちゃん注:四字へのルビ。]久は凹み間(アルゴウ)[やぶちゃん注:三字へのルビ。]といつたやうなもので、其處へ普通には掛物を掛け、花を活けた瓶とか盆栽とかを置く〕

[やぶちゃん注: 原拠「狂歌百物語」の「家鳴」では、挿絵では髪の逆立った奇体な老いた男の妖怪(零落神っぽい)が柱を揺らしており、その頭部の上に、

 床の間に活し立木も  宝市亭

  たふれけり家鳴りに

   山のうこく掛け物

とある。

「リセス」“recess”。ここでは「壁の凹んだ所」。

「アルゴウ」“alcove”。ここでは「壁などの入りこんで設けられた部分」でズバリ、日本の「床の間」の意でも用いられる。]

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