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カテゴリー「貝原益軒「大和本草」より水族の部」の64件の記事

2017/06/08

大和本草卷之十四 水蟲 介類 ワレカラ

 

【外】

ワレカラ 古歌ニヨメルハ藻ニ住ム蟲ナリ本草約言曰紫

菜其中有小螺螄今按此類ワレカラナルヘシ藻ニツキテ

殻ノ一片ナル螺アリ分殻ノ意ナルヘシフタナキ故ナリ

○やぶちゃんの書き下し文

【外】

ワレカラ 古歌によめるは、藻に住む蟲なり。「本草約言」に曰く、『紫菜(しさい)、其の中に、小螺螄(しやうらし)、有り』と。今、按ずるに、此の類、「ワレカラ」なるべし。藻につきて、殻の一片なる螺あり。「分殻(われから)」の意なるべし。「ふた」なき故なり。

[やぶちゃん注:節足動物門甲殻亜門軟甲綱真軟甲亜綱フクロエビ上目端脚目ドロクダムシ亜目ワレカラ下目 Caprellida に属するワレカラ類。代表種はワレカラ科ワレカラ属マルエラワレカラCaprella acutifrons・トゲワレカラ Caprella scaura・スベスベワレカラ Caprella glabra など。小さな頭部に細長い七つの胸節と小さな 六つの腹節を持ち、第一と第二胸脚は鋏を持った顎脚となっている。一般には第三胸脚と第四胸脚を欠き、代わりに葉状の鰓を持っている。後ろの三対の脚で、潮間帯や浅海の藻場の海藻・海草類などにしがみついて生活する。海藻等の棲息場所では体形が擬態を示し、体色も海藻に似せている。所謂、エビ・カニの仲間であるが、通常の種は体長一~二センチメートルで、体も多くの種では透過度が高いので自然界では見過ごされることが多い。但し、オオワレカラ Caprella kroeyeri などは最大六センチメートルにも達し、形状的には昆虫のナナフシ類(有翅昆虫亜綱新翅下綱直翅上目ナナフシ目 Phasmatodea。但し、ナナフシ類は翅や飛翔能力を失ったものが多い)に似ており、その運動は尺取虫(主に昆虫綱鱗翅(チョウ)目シャクガ科 Geometridae の幼虫)にも似ている(というとイメージはし易いであろう)。なお、同種はが腹部に育児嚢を持つ。属名はラテン語の「小さな山羊(やぎ)」の意の“caprella”に由来する。具体な形態画像などは、筑波大学生命環境科学研究科生物科学専攻動物進化発生学「和田洋研究室」公式サイト内の「ワレカラの形態進化の謎を解く」を参照されたい。

「古歌によめる」「伊勢物語」の第五十七段に、

   *

 むかし、男、人知れぬ物思ひけり。つれなき人のもとに、

 

  戀ひわびぬあまの刈る藻に宿るてふ

  われから身をもくだきつるかな

 

   *

と出、五十五段の中にも、

   *

 

  海人(あま)の刈る藻に住む蟲のわれからと

   音(ね)をこそ泣かめ世をば恨みじ

 

   *

とある(孰れも「われから」を「我れから(してしまった事)」に掛ける)。後者は「古今和歌集」の「卷十四」の「戀四」の八〇七番歌として、藤原直子(なほいこ 生没年不詳)の歌としても出る。和歌ではないが、清少納言の「枕草子」の知られたもの尽くしの章段の一つ「虫は」でも、「われから」を最初の方で挙げている。このお蔭で世の本邦の高校生は、この世界では見過ごされて、知らぬ人間が多い小甲殻類を、皆、知っているのである。「枕草子」、ワレカラたちは自分達のバイブルとしているに違いない。「われから食はぬ上人もなし」(「殺生するなと言うが、たとえ徳の高い上人様でも、ワレカラは海藻と一緒に知らずに食っているではないか」という殺生戒を皮肉った諺)という諺もまた、海産生物フリークの私には「してやったり!」の名言と思うのである。

「本草約言」「藥性本草約言」明の薛己(せつき)編の本草書。和刻本は万治三(一六六〇)年刊。

「紫菜」現代中国では紅色植物門紅藻綱ウシケノリ目ウシケノリ科ポルフィラ属 Porphyra に当てるが、本属の多くはシート状で、ワレカラの棲息対象としては一般的とは思われず、「本草約言」のそれは同種を指しているかどうかは甚だ疑問ではある。

「小螺螄」小さな螺(にな)の意であるが、ワレカラは尖塔形のニナ類とは形状が異なり、或いは「本草約言」で言っているものは、そうした微小の腹足類(巻貝類)であってワレカラでないのではないかと私は疑っている。否、「殻の一片なる螺あり」と言っている益軒さえも、この「われから」を現在のワレカラと認識しているかどうか甚だ怪しいとさえ思っているのである。益軒、実はワレカラを見たことがなかったのでは?

『「分殻(われから)」の意なるべし。「ふた」なき故なり』「われから」という呼称は、藻塩を精製する際、藻についたワレカラが、熱ではじけて外骨格の「殻」が「割れ」るから「割れ殻」なのではあるまいか? そもそも、ここで益軒が『「ふた」なき故なり』と言っているのは、或いは藻に附着する微小貝類(蒂は肉眼では小さくて見えない)か、見かけ上の殻(貝)を持たない微小なウミウシなどの後鰓類と「ワレカラ」を混同している気さえしてくるのである。大方の御叱正を俟つ。但し、私の疑義をせせら笑う御仁のために紹介しておくと、私が電子化注した栗本丹洲の「栗氏千蟲譜」(文化八(一八一一)年の成立)巻七及び巻八(一部)の中に於いても、かの偉大な博物学者にして、ワレカラをハマトビムシ類(甲殻亜門軟甲綱真軟甲亜綱フクロエビ上目端脚目ハマトビムシ科 Talitridae )や、明らかに藻につく微小貝類と認識していることは明白な事実である(図有り)。

大和本草卷之十四 水蟲 介類 梵貝(ホラガイ)

 

【外】

梵貝 潛確類書曰樂書有梵貝大可容數斗蠡之

大者南蠻國吹之節樂○今按俗ニホラノ貝ト云大

螺ナリ佛書ニ法螺ト云是ナリ海中或山土ノ内ニアリ

大雨フリ山クツレテ出ル事アリ大ニ鳴ト云本邦昔

ヨリ軍陣ニ用テ吹之源平盛衰記ニ見ヱタリ佛書賢愚

經ニモ軍ニ吹貝コトアリ亦本邦ノ山伏コレヲフク○後

土御門明應八年六月十日大風雨ノ夜遠州橋

本ノ陸地ヨリ法螺ノ貝多ク出テ濱名ノ湖トノ間ノ

陸地俄ニキレテ湖水ト大海トツヽキテ入海トナル今ノ

荒江ト前坂ノ間今切ノ海是ナリ故ニ今ハ濵名ノ湖

ハナシ濱名ノ橋ハ湖ヨリ海ニ流ルヽ川ニカケシ橋ナリ今ハ

川ナケレハ橋ナシ遠江ト名ツケシモ此湖アリテ都ニに遠キ

ユヘ遠江ト名ツク遠江トハトヲツアハウミナリ淡海トハシ

ホウミニアラス水海ノコト也遠江ハ近江ニ對セル名也

○やぶちゃんの書き下し文

【外】

梵貝(ホラガイ) 「潛確類書」に曰く、「樂書」に、『梵貝、有り。大いさ、數斗を容(い)るべし。蠡の大なる者、南蠻國、之を吹きて樂を節(ふし)す。』と。

○今、按ずるに、俗に「ほらの貝」と云ふ。大螺なり。佛書んい法螺(ほうら)と云ふ、是なり。海中、或いは山土の内にあり。大雨ふり、山くづれて、出(いづ)る事あり。大に鳴れりと云ふ。本邦、昔より軍陣に用(もちひ)て之を吹く。「源平盛衰記」に見ゑたり。佛書「賢愚經」にも、軍に貝を吹(ふく)こと、あり。亦、本邦の山伏、これを、ふく。

○後土御門院明應八年六月十日、大風雨の夜、遠州橋本の陸地より、法螺の貝、多く出て、濵名の湖との間の陸地、俄(にはか)にきれて、湖水とつゞきて、入海(いりうみ)となる。今の荒江と前坂の間、「今切」の入海、是なり。故に今は濵名の湖は、なし。濱名の橋は、湖より海に流るゝ川にかけし橋なり。今は、川、なければ、橋、なし。「遠江(とほたふみ)」と名づけしも、此湖ありて都に遠きゆへ、「遠江」と名づく。「遠江」とは「とをつあはうみ」なり。「淡海(あはうみ)」とは「しほうみ」にあらず、「水海(みづうみ)」のこと也。「遠江」とは「近江(あふみ)」に對せる名也。

[やぶちゃん注:腹足綱直腹足亜綱新生腹足上目吸腔目フジツガイ科ホラガイ属ホラガイ Charonia tritonis私は全く偶然、久しぶりに昨日、毛利梅園の「介譜」の電子化注を行い、そこで梭尾螺(ホラガイ)を採り上げたのであるが、今日、またしても偶然、やはり長く放置していた、この「大和本草」の水族の部の続きもやっておこう、と思ったところが、又しても、偶然、それはこの「梵貝(ホラガイ)」であった訳であるが、それを手打ちしながら(私の博物学関連の電子化は、対象がまず未電子化・未活字化(活字化されていても、当該書を所持しないものが多い)のものが多く、殆んど総てが影印本やネット上の粗い画像を視認しながらのキーボード上のタイピングである)、

「……梅園先生……確かに、ね、『云々』とありますからね……何かから長々と引用されたものだとは思うておりましたけれども、ね……やっぱりせめて「大和本草」と出典は、ね、出すべきだったんではありませんかねぇ……」

と呟かざるを得なくなった。梅園のそれは、ほぼこれの丸写しなのである。従って注も附す必要がない。昨日、附けたから、ね……]

2016/05/27

大和本草卷之十四 水蟲 介類 刺螺

【外】

刺螺 ニシカラノ口ノ左右ニ長キ針アルモノ和名ヲハツキト云

やぶちゃんの書き下し文

【外】

刺螺 「にし」。からの口の左右に長き針あるもの、和名を、「はつき」と云ふ。

[やぶちゃん注:中文サイトで「刺螺」を検索すると、これは、

腹足綱前鰓亜綱古腹足目ニシキウズ超科 リュウテンサザエ科リュウテン亜科リンボウガイ属トガリリンボウGuildfordia aculeatus

であるが、仮にそうだとしても、どう考えてもそこまで限定する気にはなれない。

リンボウガイ属Guildfordia

の仲間でよかろう。和名は武蔵石寿「六百介品」に出、仏具の輪宝(原型は車輪の形をした投擲して相手を傷つける古代インドの武器であるが、仏教に取り入れられて、仏法を守護する転輪聖王(てんりんじょうおう)の持物となり、王の行くところへ先行して四方を制するとされる)に似ていることに因む。コレクターも好む貝で、ベイゴマ形の貝の外側周縁に七~九本の角(つの)状の長い棘のような管状突起が伸びている(これは臍孔方向から見れば、本文の、螺で殻の「口の左右に長き針ある」という表現と私はよく一致すると思う)。この突起は成長に伴って殻が伸び、前にある突起物が成長の邪魔になると自切する。更に想像するなら、和名の「はつき」は「八起」とも思われ、自切や欠損した個体では実際に八本の突起が目立つからではないかと推定した。但し、悩ましいことに和名の「はっき」には、

腹足綱前鰓亜綱新生腹足上目新腹足目アッキガイ超科アッキガイ科アッキガイ亜科ハッキガイ属ハッキガイSiratus pliciferoides

なる種がおり、これは縦脹脈上に沿って尖った管状突起を持つのである。但し、これは縦方向で螺頂方向にも棘が並んでおり、これを私は「口の左右に」とはとても表現し得ない。因みに、こちらの和名は「白鬼貝」で棘を鬼の角と見立てたようである。なお、「刺螺」という語からは、同じ、

アッキガイ亜科ホネガイVenus comb murex

及びその近縁種が即座に想起されるかも知れぬが、中文サイトがそれを挙げていないこと、ホネガイを形容するなら、全体から棘が出ていると言わぬのは不自然で、「口の左右に」と穏やかに述べるほどにしか棘状の突起はないと読むのが自然であるから、私はやはりリンボウガイ類に同定するものである。

 益軒は「外品」とするが、本邦にも棲息する(本州中部以南)。但し、リンボウガイ類は水深八十~三百メートルの比較的深海の砂泥底に棲息しており、現行でも採集される場合は漁師の底刺網(そこさしあみ)や底曳網であって、ビーチ・コーミングで発見出来ても棘状突起が綺麗に残っていることは稀なことの方が多いかと思われる。]

2015/07/07

大和本草卷之十四 水蟲 介類 榮螺

【和品】

榮螺 漢名未知順和名佐左江中夏ノ書ニ出處未

見之本邦ニ甚多シ頗佳品トス無毒然レドモ堅硬ノ物

不益人殻ニ角多キアリ無角アリ鎌倉ノ海ニ左顧ノ榮

螺アリ下ノ半邊ノミアリテ小ナリメクリニ角アリイツレモ

左ノ方に顧ル生ナルヲヨク打テ煮レハ軟ニナル

やぶちゃんの書き下し文

【和品】

榮螺(サヾヱ) 漢名、未だ知らず。和名に順〔ずるに〕、佐左江(サヾヱ)。中夏の書に出づる處、未だ之を見ず。本邦に甚だ多し。頗る佳品とす。無毒。然れども、堅硬の物、人に益せず。殻に角〔(つの)〕、多きあり、無角あり、鎌倉の海に左顧(まき)の榮螺あり、下の半邊のみありて小なり。めぐりに角あり。いづれも左の方に顧〔(まく)〕る。生なるをよく打ちて煮れば、軟かになる。

[やぶちゃん注:腹足綱古腹足目サザエ科リュウテン属 Turbo サザエ亜属 Batillus サザエ Turbo cornutus 或いは Turbo (Batillus) cornutus 寺島良安和漢三才圖會 卷第四十七 介貝部から「榮螺」を引いておく〔 〕内は私の訳)。

   *

さざゑ

     【和名、佐左江。】

榮螺

「和名抄」に「食經」を載せて云ふ、『榮螺子は蛤に似て圓き者なり。』と。

按ずるに蚌(ばう)は長く、蛤(かう)は團く、螺(ら)は曲り尖る。此の物、螺の屬にして蛤に似ず、體、團くして、尾、盤曲(めぐ)り尖り、外、灰-皁〔黒。〕色。岨(たかひく)あり。内、白く、口、圓く深く、厴(へた)、圓く厚く堅く白色にして、細小なる鮫粒〔鮫肌のような粒状突起。〕有り。裏、赤褐色、滑かなり。之を煮て、厴を脱(のぞ)き、其の肉、一端は黑く、一端は黄にして、中は白く、尾は長く、盤-屈(めぐ)りて、碧色にて腸を包む。肉味、甘くして、硬く、厚し。腸・尾を去りて切りて、醤油を和して再たび殻に盛り、之を煮熟して食ふ。之を壺熬(つぼいり)〔或いは「つぼやき」と読んでいよう。〕と謂ふ。攝〔摂津。〕・泉〔和泉。〕の産は、小さくして圓く、殻背、甚だ麁(もろ)からず。角(つの)無く、味、最も勝れり。或は生ながら炭火に投じて、厴、開くを俟(ま)ちて、醤酒に和して、煮て食ふ。腸、苦く、而も亦、佳なり。之を苦燒(にがやき)と謂ふ。諸螺の中、特に上饌に充つ。關東の産、殻、角有りて、大なり。

[やぶちゃん字注:=「山」+「吾」。]

   *

因みに、良安は他には附している中国音を「榮螺」には附していない(次注参照)。

「漢名、未だ知らず」現行の中国語では「角蠑螺」であるが、時珍「本草綱目」(明代)には載らない。但し、荒俣宏氏の「世界大博物図鑑 別巻2 水生無脊椎動物」の「サザエ」の項には(コンマを読点に代えた)、何故か、食の王国のはずの『中国人はサザエをさして珍重せず料理書をみても、サザエを使った料理はほとんど見当たらない』とされつつ、唐代に書かれた陳蔵器の「本草拾遺」には、『サザエの蓋を焼いて粉末にしたものは、疥癬や頭瘡を治したり、ヘビやサソリやハチに襲われたさい、その痛みをやわらげる効果があると』記してあるとあった。この原文を探してみたところ、中文サイトの「香」解説に「本草拾遺」から『主甲疽、瘺瘡、蛇蠍蜂螫、疥癬、頭瘡、瘡』と引くのを見出した。しかもこの解説文中には『蠑螺』とある。「蠑螺」は現行では「珠螺」などの古腹足目サザエ科リュウテン属リュウテンサザエ(龍天栄螺)Turbo petholatus などの本邦のサザエを含むリュウテン属 Turboの漢名である。

「中夏」中華。「大言海」には、「夏」は「華夏」の略でかの古代中国の国であった「夏」又は「夏」で大きいの意、とある。

「殻に角、多きあり、無角あり」私は和漢三才圖會 卷第四十七 介貝部の「榮螺」の前項の「にし/あぎ 蓼螺」(アカニシ)の注でこれらの腹足類は同種であっても、生息域が外洋に面し波浪が強ければ有角となり、比較的波の穏やかな内湾のものは無角となると述べ、今までそう思っていたのであるが、今回、ウィキサザエを読んだところ、『殻に棘があるものと無いものがあり、それぞれ有棘型、無棘型と呼ばれるが、棘の発達の度合いは色々あり、成長の途中から棘が出たり、あるいは消失したりする場合もある』(但し、この箇所には要出典要請が求められている)。『棘の発達した外海の個体を水流のない水槽などに移して飼育すると、その後は多くの個体で棘を形成しなくなり、逆に棘の発達しない個体を外海に放流すると棘を形成することが知られている。このため、かつては「波の荒い外海に棲む個体は流されるのを防ぐために棘を形成し、波の荒くない内海ではその必要が無いため棘無しになる」という説があった。しかし、実際には波の荒い地域であってもトゲ無しの個体が確認され、またその逆の場合も存在し、飼育実験でも個体によっては棘の有無と水流とが合致しない例もあることから、棘の有無には環境要因と遺伝的要因の両方が関与しているのではないかと考えられるようになった』(但し、この箇所にも要出典要請が求められてはいる)とあった。ここを以って私もそれを支持することとする。

「鎌倉の海に左顧(まき)の榮螺あり、下の半邊のみありて小なり。めぐりに角あり。いづれも左の方に顧〔(まく)〕る」「新編鎌倉志卷之七」の現在の逗子の「杜戸明神」の項に、

   *

賴朝の泉水 岩間(いはま)に淸冽たる水あり。昔は左卷(ひだりまき)の榮螺(さざい)あり。若し是を得れば神物なりとて、其の儘(まま)海へ歸(かへ)し入るゝなり。又此の砂濵に相思子(すがい)も多くあり。

 

   *

とある。この「左卷の榮螺」について、私はそこで以下のような注を附した。

   *

腹足類(巻貝)の巻きの方向は貝の頂頭部を上にして、殻の口が見えるように持った際、殻の口が向かって右側に見えるものを右巻き、左側に見えるものを左巻きと規定する。通常、巻く方向は種によって定まっており、腹足類の九割の種は右巻きと言われる(右旋回する理由はよく分かっていない)。但し、左右両巻きがどちらも存在する種にあっては内臓の配置も左右逆になっていることが確かめられており、現在の知見では巻く方向は、単体の遺伝子若しくは強く連鎖した複数個の遺伝子によって決定されていると考えられていることから、サザエの特異な左巻き個体出現し(発見論文を確認したわけではないが存在するようである)が常に「神物」として、特異的に同一海域に戻されプールされ続ければ、森戸の海岸に左巻きの遺伝子を持ったサザエが多く生息していたとしても不思議ではないように思われる。

   *

なお、平凡社の「世界大百科事典」のサザエの項の「民俗」に千葉徳爾氏が『巻貝としては右巻きのものが一般的であるが、左巻きのサザエもあり、《鎌倉巡覧記》に見える源頼朝が舟遊びのときに左巻きにしたサザエをまいたので、鎌倉産のサザエは皆左巻きになったという伝説は、それがまれなものであるということを説明するものであった』(コンマを読点に代えた)と記しておられるのであるが、肝心の、この出典である「鎌倉巡覧記」というのが何を指しているのか不明である。識者の御教授を乞うものである。但し、この益軒の言うところの「左巻きの栄螺」であるが、下の半分位しかない、即ち、螺殼の巻が異常に小さく、その周囲に有意な棘が出るというのは正直、非常に不審である。もしかすると全く異なった別な貝を誤認している可能性もあるやに思われる。]

2015/06/13

大和本草卷之十四 水蟲 介類 光螺(ツメタガイ)

【外品】

光螺 閩書ニ出タリ海邊ニアリ其肉カタシ味不美其形

蝸牛ニ似タリフタハソリテウスシ食シテ不益人

やぶちゃんの書き下し文

【外品】

光螺(ツベタ) 閩書(びんしよ)に出でたり。海邊にあり。其の肉、かたし。味、美ならず。其の形、蝸牛に似たり。ふたは、そりて、うすし。食して人に益せず。

[やぶちゃん注:腹足綱直腹足亜綱新生腹足上目吸腔目高腹足亜目タマキビガイ下目タマガイ上科タマガイ科ツメタガイ属 Glossaulax ツメタガイ Glossaulax didyma 及びその近縁種。以下、吉良図鑑(保育社昭和三四(一九五九)年刊)とウィキの「ツメタガイ」によれば、ツメタガイ Glossaulax didyma は『インド以東、西太平洋の浅海に分布する。日本では北海道以南から沖縄にかけて広く分布』し、潮間帯から水深十~五十センチメートル程度の砂地のごく浅海に多く、殻幅五センチメートルほどの中型の巻き貝(とあるが、吉良図鑑は大きな個体では殻長(殻高)八×殼幅九センチメートル以上に達するとあり、私もかつてしばしばその大きさの生貝や死貝を拾った)。『殻の色は紫褐色から黄褐色を呈する。底部は白色で滑らか。蓋は半円形となる。夜行性で、砂の中を活発に動き回る。また軟体部は殻から大きく露出し、殻を完全に覆いつくす。 肉食性であり、アサリなどの二枚貝を捕食する。アサリなどの二枚貝を捕まえると、やすりのような歯舌を用いて獲物の殻の最も尖ったところである殻頂部を平らに削っていき』、二ミリメートルほどの『穴をあけて軟体部を食べる』。なお、ウィキの記載者は挙げていないが、この捕食行動の際には、削る前に、足の一部から酸性の液を分泌し、相手の殻に塗りつけて炭酸カルシウムを分解させ、柔らかくしてから、穿孔するという説がある。繁殖期は春で、五月頃、『茶碗をかぶせたような形に卵塊を作る。その形から通称「砂茶碗」と呼ばれる。 生息環境により形が変化し、内海のものは臍索中央の溝が殻軸と直角方面に伸び、臍穴がふさがらないが、外洋に分布するものは臍索の中央の溝が曲がっていて、臍穴が密閉する形となり、ホソヤツメタ(Glossaulax didyma hosoyai KIRA)と呼ばれる』とあり、他に本邦には、

ヒメツメタ(ガイ) Glossaulax vesicalis

(本州の能登半島及び房総半島以南から九州に棲息。殻高四センチメートル程度でツメタガイよりやや小型。殻は薄く灰褐色で、胎殻は赤褐色。)

ソメワケツメタ(ガイ) Glossaulax bicolor

(本州の駿河湾以南から南西諸島・東南アジアに広く棲息。殻高三センチメートル程度。殻口内が濃褐色と淡褐色の二色に分かれる。殻底が丸みを帯び、臍穴溝は二重の螺状溝を成すのを特徴とする。)

ハナツメタ(ガイ) Glossaulax reiniana

(本州の男鹿半島及び房総半島以南から南西諸島に棲息。殻高四センチメートル程度。ツメタガイと比較してやや小型で、螺塔もやや高い。)

がいる。ウィキには『本種は無毒であるが食用にされることは少ない。これは加熱した際に身が固く締まり、歯ざわりが悪いためである』が、『愛知県知多半島では本種を「うんね」と呼び、塩揉みして生食するほか、煮付けやおでんの具として食している』。『また、三重県南部では「ばんちょう」と呼ばれ甘辛く煮付けて食している』。私は小学校二年の時、由比ヶ浜に前日までの台風で打ち上げられた多量の生貝をバケツ二杯ほども採取したが、その中の大半はこのツメタガイであった。煮付けにして食ったが、あまりの美味さに食い過ぎ、翌日、腹をこわした。その時、小二乍ら、堅いから消化が悪いんだ、それから穴を空ける分泌物が含まれているからよくないんだ、と考えたのを不思議によく覚えているのである。されば「其の肉、かたし」は諾、「味、美ならず」は否、「食して人に益せず」は……う~ん、悩ましい。……なお、「ツベタガイ」「ツメタガイ」「津免多貝」の語源は不詳であるが、牛や馬の爪に似ていることから「爪貝(ツメガイ)」の転じたものかとするのを見かけた。しかし私は、この光沢のある貝殻が「光螺」「砑螺」(「砑」は音「ガ」で、艶出しをするの意がある)と呼ばれていることからも、見た目「冷(つべ)た」い涼しい感じを与えるからであると考えている。これは実に、かの小二の七歳の頃からずっと続く思い込みなのであって、そうそう引き下げる訳には、これ、行かないのである。……
 
「閩書」既出。明の何喬遠撰になる福建省の地誌「閩書南産志」。]

2015/06/08

大和本草卷之十四 水蟲 介類 甲貝(テングニシ)

【和品】

甲貝 ニシニ似テナガシ大ナリ食シテ味美シ但性不益人

○やぶちゃんの書き下し文

【和品】

甲貝(カフカイ) 「ニシ」に似て、ながし。大なり。食して、味、美し。但し、性、人に益せず。

[やぶちゃん注:腹足綱前鰓亜綱新腹足目テングニシ科テングニシ Hemifusus tuba 。古え、数種の香料を練り合わせて作る練り香の素材の一つとして、一部の巻貝の蓋が好んで用いられ、それを一般名詞で「甲香(へなたり)」と呼んだが、このテングニシの蓋もその代表格とされている。例えば、私の電子テクスト鎌倉攬勝考卷之十一附錄の「六浦」の「産物」の項にある「甲香(カヒカフ)」を見られたい。そこに附図されているものはまさにテングニシである。

「性、人に益せず」根拠はない。そもそもが益軒が「和品」としているように、中国本草書で本種に近いものの肉の効能を見出し得ず(甲香相当のものはある)、従って薬効を記さなかった/記せなかったのではないかという感じがする。]

2015/05/26

大和本草卷之十四 水蟲 介類 田螺

田螺 淸水ニ養フ事二日以上ヲ經テ食スレハ泥去ル性

冷虛寒ノ人ニ宜カラス功能多シ本草可考國俗曰田

螺ト芥子ト同食スレハ殺人

○やぶちゃんの書き下し文

田螺(タニシ) 淸水に養ふ事、二日以上を經て食すれば、泥、去る。性、冷。虛寒の人に宜しからず。功能、多し。「本草」、考ふべし。國俗の曰く、『田螺と芥子(カラシ)と同食すれば、人を殺す。』と。

[やぶちゃん注:腹足綱新生腹足上目原始紐舌目タニシ科Viviparidae に属する巻貝の総称であるが、ィキの「タニシ」によれば、本邦にはアフリカヒメタニシ亜科 Bellamyinae(特異性が強く、アフリカヒメタニシ科 Bellamyidae として扱う説もある)の以下の四種が棲息する(なお、現在有害外来生物として「ジャンボタニシ」の名で主に西日本で繁殖し観察されるものは、台湾からの人為的移入種である原始紐舌目リンゴガイ上科リンゴガイ科リンゴガイ属スクミリンゴガイ Pomacea canaliculata で全く縁のない種である)。

マルタニシ Bellamya (Cipangopaludina) chinensis laeta

(独立種として Cipangopaludina 属のタイプ種であったが、その後、中国産のシナタニシ Bellamya chinensis chinensis の亜種として扱われるようになった。殻高約四・五~六センチメートル。分布は北海道から沖縄。)

オオタニシ Bellamya (Cipangopaludina) japonica

(殻高約六・五センチメートル。分布は北海道から九州。)

ヒメタニシ Bellamya (Sinotaia) quadrata histrica

(殻高約三・五センチメートル。分布は北海道から九州。)

ナガタニシ Heterogen longispira

(一属一種の琵琶湖水系固有種で現在は琵琶湖のみに棲息。殻高は最大七センチメートルにまで達し、他種よりも殻皮が緑色がかったものが多い。)

また、比較的知られている事実であるが、タニシは卵胎生で、『頭部にはよく発達した』一対の触角があって、『その根元付近の外側に目がある。オスの右触角は先端まで輸精管が通じており、陰茎としても用いられる。このため多少なりとも変形しており、Viviparinae 亜科や Lioplacinae 亜科では正常な左触角より短くて先端が太く終わっており、Bellamyinae 亜科では左触角より長く顕著にカールしている。したがって右触角を見れば雌雄の判別ができる。古くから複数種の異型精子の存在が知られており、その機能については正常精子の運搬用、栄養体、あるいは他個体の精子に対する攻撃用など、諸説ある。雌は交尾によって体内受精し、卵が子貝になるまで体内で保護する卵胎生で、十分育った稚貝を数個から十数個産み出す。種類によっても異なるが、子貝は』四~十ミリメートル程度で、『体の基本的な構造は親貝と同じであるが、殻の巻き数が少なく、殻皮が変化した毛をもつことが多い。この毛は親貝ではほとんど失われている』とある。

『「本草」、考ふべし』「本草綱目」に実に十九もの症状へに対する附方が掲載されていることを指しているものと思われる。

「田螺と芥子と同食すれば、人を殺す」所謂、「食い合わせ」の一つとして知られる。根拠は無論、ないのだが、荒俣宏氏の「世界大博物図鑑 別巻2 水棲無脊椎動物」の「タニシ」の記載によれば、相当に強烈な「食い合わせ」伝承があったらしく、水戸藩士で「大日本史」の編纂にも従事した小宮山楓軒(昌秀)の記した「懐宝日記」にも田螺と辛子はよくないとあるとし、さらに越前地方では近代にあっても、蕎麦と田螺を食うと死ぬという俗信があるとある(『介類雑誌』第四号明治四〇(一九〇七)年四月刊)。]

大和本草卷之十四 水蟲 介類 赤螺

【外】

赤螺

大ニテ短シ内赤シ味美ナリカラニ鹽ヲ入ヲキテ

ハコヘノ汁ヲ別ニシホリ器ニ入ヲキテ蛤殻ニテニシノカラニ

少ツヽスクヒ入テヤクヘシ爲末齒ニヌル腫ヲ消シ痛ヲ止メ

齒ヲ固クス又湯ニ入テ口ヲスヽケハ久シクシテ目ヲ明ニシ牙ヲ

堅クス

○やぶちゃんの書き下し文

【外】

赤螺

大にて短かし。内、赤し。味、美なり。からに鹽を入れをきて、ハコベの汁を別にしぼり、器に入れをきて、蛤の殻にてニシのからに少づゞすくひ入れて、やくべし。末と爲して齒にぬる。腫れを消し、痛みを止め、齒を固くす。又、湯に入れて口をすゝげば、久しくして目を明にし、牙を堅くす。

[やぶちゃん注:腹足綱吸腔目アッキガイ科 Rapana 属アカニシ Rapana venosa 。ここに記された効能については、金沢の漢方薬・生薬専門店「中屋彦十郎藥局」の加賀藩の秘薬(六)に加賀藩「御近習向留帳」(元禄五(一六九二)年記)に腫れ物や切り傷に「白五径」という処方が良いとあって、その調合生薬の中にアカニシが挙げられてあり、『細末にしてつければどんな症状にもいい』とあるのが参考になる。また、人見必大の「本朝食鑑」の「辛螺」の「殻」の項にも、ほぼ同一の調製法と効能の記載を見出せる。

「ハコベ」春の七草の一つであるナデシコ亜綱ナデシコ目ナデシコ科ハコベ属コハコベ Stellaria media ウィキコハコベ」には、『民間療法において薬草として扱われることもあり』十七世紀には『本種が疥癬の治療に効果的であるとされていたほか、気管支炎やリウマチ、関節炎にも効果があるという意見もある。ただしこれらの主張は、必ずしも科学的な根拠に基づいたものではない』とし、『全草は繁縷(はんろう)という生薬で、利尿作用、浄血作用があるとされるが、民間薬的なもので漢方ではまず使わない』ともある。

2015/05/24

大和本草卷之十四 水蟲 介類 蓼蠃

蓼蠃 又辛螺ト云本草拾遺ニ載通志曰大如拇

指有刺味辛如蓼

○やぶちゃんの書き下し文

蓼蠃 又、辛螺と云ふ。「本草拾遺」に載す。「通志」に曰く、『大いさ、拇指のごとく、刺、有り。味、辛くして蓼のごとし。』と。

[やぶちゃん注:「辛螺」は外套腔から浸出する粘液が辛味(苦味)を持っている腹足類のニシ類を指す語であるが、辛味を持たない種にも宛てられている科を越えた広汎通称で、

直腹足亜綱 Apogastropoda 下綱新生腹足上目吸腔目高腹足亜目新腹足下目アッキガイ上科アッキガイ科アカニシ(赤辛螺)Rapana venosa

吸腔目テングニシ科テングニシ(天狗辛螺)Hemifusus tuba

等を含むが、特に

腹足目イトマキボラ科 Fusinus 属ナガニシ(長辛螺)Fusinus perplexus

及び、実際に強い苦辛味を持つ

腹足綱直腹足亜綱新生腹足上目吸腔目高腹足亜目新腹足下目アッキガイ上科アッキガイ科レイシガイ亜科レイシガイ属イボニシ(疣辛螺)Thais clavigera

を指すことが割合に多いように思われる。ただ、ここでは大きさを親指ほどしかないと言っている点、刺を有するという点からは、成貝が殻高二~四センチメートルの紡錘形で殻表に多数の低い結節を持つ(ただ私はあれを「刺」とは表現しないが)イボニシ Thais clavigera 及びその仲間を同定候補としてよいように思われる。ウィキイボニシによれば、『他のアッキガイ科と同様、外套腔内部の鰓のすぐ横には鰓下腺(さいかせん:別名パープル腺)がある。この腺の分泌液には6,6-ジブロモインディゴC16H8O2N2Br2と呼ばれる物質が含まれており、神経を麻痺させる作用があるため、捕食者に対する防御や餌の貝類を攻撃するのに利用されるほか、卵嚢にも注入することで卵が他の生物に食われないようにしていると言われる。この液は紫外線の下で酸化すると紫色に変化することから、古代から他のアッキガイ科貝類とともに貝紫として染色に利用されてきた。また、乾燥などで内部の卵や胚が死滅した卵嚢では色素の発色が起こり、紫色を呈する』とある。所謂、貝紫で、『独特の苦味があるが、塩茹でや、煮付け、味噌汁の具などに利用されるほか、殻のまま潰して作るニシ汁などに利用される。但し、一般的に広く流通することはほとんどなく、産地で消費される事が多い。また、前述のとおり他のアッキガイ科と同様、外套腔内の鰓下腺(パープル腺)からの分泌液を利用して貝紫染めに利用されることがある。この染色はかつては実用とされていたが、今日では博物館などの体験学習として行われることが多い。他には貝細工にも利用されることがある』とある。

「蓼蠃」中国の本草書からの引用であるから「ラウラ(リョウラ)」と読んでいるか。「蠃」は「螺」に同じく、にな・にしの意で、螺旋状の殻を持つ貝の古称である。因みに部首は虫部。

「辛螺」本邦ではこれで「ニシ」と訓ずるが、やはり中国の本草書からの引用に終始していることから、「シンラ」と音読みしているかも知れない。

「本草拾遺」唐代の医師で本草学者の陳蔵器(六八一年?~七五七年?)が開元年間(七一三年~七四一年)に編纂した博物学的医書。「本草綱目」に盛んに引かれている。

「通志」「八閩通志」明の黃仲昭らの纂修になる福建地方の地誌。八閩は福建省の別称。全八十巻。一四九一年序を持つ。

「蓼」ナデシコ目タデ科 Persicarieae 連イヌタデ属サナエタデ節 Persicaria に属する特有の香りと辛味を持つタデ類。]

2015/05/21

大和本草卷之十四 水蟲 介類 螺(巻貝類総説)

螺 類多シ不可勝計辛螺光螺甲香刺螺梵貝チシヤ

コ。ガウカヒ。サヾヱ。河貝子等皆螺ノ屬ナリ本草集解蘓

頌曰海中螺類絶有大者珠螺瑩潔如珠鸚鵡螺

形如鸚鵡頭並可作杯○范成大桂海蟲魚志曰

鸚鵡螺如蝸牛殻磨治出精采亦雕琢爲杯○今

按海中ノ螺大サ徑三四寸ナル者アリ其内極美好

瑩潔如珠如范成大蘓頌所言光彩有テ珍奇ナル

奇玩ナリ是珠螺鸚鵡螺ノ屬ナルヘシ相州ノ海ニモア

リ其外猶所々ニアリヤ未詳相州ニテハ名ヲウケツト

云○本草ニノセタル海※ハバイノ大ナルモノ歟甲香ト云

[やぶちゃん字注:「※」=「贏」の「貝」を「虫」に変えた字。]

又本草ニ曰有小甲香狀若螺子取其蔕修合成也

トアルハ今ノバイト云モノナルヘシ是ハ小螺ナリ大サ橘子ノ

如ニシテ長シ○子安ト云螺アリ殻扁ク厚ク圓ニシテ

内ニ有光彩大如掌孕婦コレヲ取レハ産シヤスシ故子安

貝ト云○常熟懸志云螺多種殻尖長者曰鑽螺其

味辛曰辣螺〔云云〕又有深海中可爲酒杯者曰鸚

鵡螺○海濱ニミナト云小螺アリ田螺ニ似テ小ナリ

二種アリ一種圓ニシテ殻厚ク葢厚シ一種ハ殻モ葢モ薄

シ又細長ナル螺アリ形辛螺甲貝ニ似タリ是亦別

種也右ノ二種ト其形異リ河貝子ノ形ノ如シ皆小

ニシテ不堪食又小螺ノ極小ニシテ米粒ホトナルアリ其類多

○やぶちゃんの書き下し文

螺 類、多し。計〔(かぞ)〕ふるに勝へず。辛螺・光螺・甲香・刺螺・梵貝・チシヤコ・カウガヒ・サヾヱ・河貝子(ミナ)等、皆、螺の屬なり。「本草」の「集解」に蘓頌の曰く、『海中の螺の類、絶(はなは)だ大者なる有り。珠螺、瑩潔〔(えいけつ)〕して珠のごとく、鸚鵡螺、形、鸚鵡の頭のごとく、並びに杯と作〔(な)〕すべし。』と。范成大「桂海蟲魚志」に曰く、『鸚鵡螺は蝸牛の殻のごとし。磨(みが)き治めて精采を出だす。亦、雕琢(ちやうたく)〕して杯と爲す。』と。今、按ずるに、海中の螺、大いさ、徑三、四寸なる者あり。其の内、極めて美好瑩潔、珠のごとく、范成大・蘓頌の言ふ所のごとく、光彩、有りて、珍奇なる奇玩なり。是れ、珠螺・鸚鵡螺の屬なるべし。相州の海にもあり。其の外、猶ほ所々にありや、未だ詳らかならず。相州にては名を「ウケツ」と云ふ。「本草」にのせたる海蠃は「バイ」の大なるものか。甲香と云ふは又、「本草」に曰く、『小甲香、有り。狀、螺子のごとし。其の蔕〔(へた)〕を取り、修合して成するなり。』。とあるは今の「バイ」と云ふものなるべし。是れは小螺なり。大いさ橘子のごとくにして長し。子安と云ふ螺あり、殻、扁〔(ひらた)〕く厚く、圓〔(まどか)〕にして内に光彩、有り。大いさ掌のごとし。孕婦〔(ようふ)〕、これを取れば、産、しやすし。故に子安貝と云ふ。「常熟懸志」に云く、『螺、多種。殻、尖り長き者を鑽螺〔(さんら)〕と曰ふ。其の味、辛にして辣螺〔(らつら)〕と曰ふ、云云。又、深海中、酒杯と爲すべき者、有り。鸚鵡螺と曰ふ。』と。海濱に「ミナ」と云ふ小螺あり。田螺に似て小なり。二種あり、一種、圓かにして、殻、厚く、葢(ふた)、厚し。一種は殻も葢(ふた)も薄し。又、細長なる螺あり。形、辛螺・甲貝に似たり。是れ亦、別種なり。右の二種とは其の形、異なり、河貝(ミナ)子の形のごとし。皆、小にして食ふに堪へず。又、小螺の極小にして米粒ほどなるあり、其の類、多し。

[やぶちゃん注:現行の軟体動物門 Mollusca 腹足綱 Gastropoda に属する類の総説(但し、益軒は以下に「オウムガイ」を入れるのはよしとしても、「ワレカラ」を入れるというとんでもない誤りを犯している)。

「辛螺」通常はこれで「ニシ」と訓ずるが、ここは以下の別種との並列されていることから、「シンラ」と音読みしているかも知れない。外套腔から浸出する粘液が辛味(苦味)を持っている腹足類の貝類を指す語であるが、辛味を持たない種にも宛てられている科を越えた広汎通称。直腹足亜綱 Apogastropoda 下綱新生腹足上目吸腔目高腹足亜目新腹足下目アッキガイ上科アッキガイ科アカニシ(赤辛螺)Rapana venosa・吸腔目テングニシ科テングニシ(天狗辛螺)Hemifusus tuba 等を含むが、特に腹足目イトマキボラ科 Fusinus 属ナガニシ(長辛螺)Fusinus perplexusや、実際に強い苦辛味を持つ腹足綱直腹足亜綱新生腹足上目吸腔目高腹足亜目新腹足下目アッキガイ上科アッキガイ科レイシガイ亜科レイシガイ属イボニシ(疣辛螺)Thais clavigera を指すことが割合に多いように思われる。各項で詳細に考察する。以下、同じ。

「光螺」ネットで調べると、現代中国語では腹足綱有肺目 Pulmonata に属するナメクジ類(太白山光螺 Xesta taibaishanensis sp. 等)にこの名が使われているが、一見、内面に美しいサザエなどの真珠光沢を有する腹足類を総称しているように思われるが、後で独立項を読むと分かるように「ツベタ」とルビを振るので、吸腔目高腹足亜目タマキビガイ下目タマガイ上科タマガイ科ツメタガイ属ツメタガイ Glossaulax didyma を指していることが分かる。確かにビーチ・コーミングでは貝表面の光沢が他の貝に比して有意にあり、漢字で「砑螺貝」と書くことからも納得出来る。

「甲香」音では「カフカウ(コウコウ)」或いは「カヒカウ(カイコウ)」(「貝香」の当字)、または「へなたり」と訓ずる。吸腔目カニモリガイ上科キバウミニナ科 Cerithidea Cerithideopsilla 亜属ヘナタリ Cerithidea(Cerithideopsilla) cingulata 及びウミニナ(類形を有する複数の別種の通称)の仲間で、特にこれらの持つ角質の蓋を燻して香に利用した種群の総称である。

「刺螺」「シラ」と音読みしていよう。吸腔目アッキガイ科 Murex 属ホネガイ Murex pecten 及び前水管溝が棘状に長く発達した同形の別種類を総称する名であろう。

「梵貝」吸腔目フジツガイ科ホラガイ Charonia tritonis 。仏教に強く習合された修験道で邪気を払う音声器「法螺貝」として用いられたことに由来する呼称で一目よく同定出来るのであるが、現行では「ホラガイ」の和名としては見かけない表記である。

「チシヤコ」キサゴ。古腹足目ニシキウズガイ上科ニシキウズガイ科キサゴ亜科サラサキサゴ属ダンベイキサゴ(団平喜佐古) Umbonium giganteum・サラサキサゴ属キサゴ Umbonium costatum 或いはイボキサゴ Umbonium moniliferum を総称したものであろう。

「カウガヒ」甲貝か。とすると、先の「甲香」の仲間で蓋を有するものとなる。しばしば同定で参考にさせて頂いている「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の、先に出した吸腔目テングニシ科テングニシ Hemifusus tuba ページに、現在でもテングニシを『熊本県上天草市では「こうかい(甲貝)」』と呼ぶと記されてある。

「サヾヱ」古腹足目サザエ科リュウテン亜科リュウテン属サザエ亜属サザエ Turbo cornutus 及び同類型を成す種群。

「河貝子」独立項では「ミナ」とルビする。淡水産の吸腔目カニモリガイ上科カワニナ科カワニナ Semisulcospira libertina 及びその仲間を指す。但し、後の独立項を読むと、海産の同形のウミニナ類も一緒くたに「ミナ」と呼称していたことが分かるが、薬方としては海産のそれらとは厳然と区別してもいる。

「本草集解」という書もあるが、ここは「本草綱目」の「海螺」の「集解」の項を指している。その、

   *

頌曰、『海螺即流螺、厴曰甲香、生南海。今嶺外、閩中近海州郡及明州皆有之、或只以台州小者爲佳。其螺大如小拳、靑黃色、長四五寸。諸螺之食之。「南州異物志」云、甲香大者如甌、面前一邊直攙長數寸、圍殼眾香燒之益芳、獨燒則臭。今醫家稀用、惟合香者用之。又有小甲香、狀若螺子、取其蒂修合成也。海中螺類絶有大者。珠螺螢潔如珠、鸚鵡螺形如鸚鵡頭、並可作杯。梭尾螺形如梭、今釋子所吹者。皆不入藥。』。

   *

のうちの下線部の引用である。「南州異物志」は呉の萬震の撰になる地誌。

「珠螺」古腹足目サザエ科リュウテン属リュウテンサザエ(龍天栄螺)Turbo petholatus を指しているように思われ、現代中国語でも当該種を指すようである。

「瑩潔」美しく光り輝くことを言っているものと思われる「潔」は一般には白く清いであるが、ここはあくまで貝表面の光沢や質の美をかく言っているものと判断する。

「鸚鵡螺」頭足綱四鰓(オウムガイ)亜綱オウムガイ目オウムガイ科オウムガイ属 Nautilus のオウムガイ Nautilus pompilius 及び近縁種。

「徑三・四寸」螺の直径九・一~一二センチメートル。

「美好」美しい。

「范成大」(一一二六年~一一九三年)は南宋の政治家・詩人・学者。南宋四大家の一人。石湖居士と号した。膨大な著作を残しており、百三十六巻に及ぶ「石湖集」の他、「桂海虞衡志」「呉郡志」等、五十巻に及ぶ地誌をも撰している。但し、益軒のこの叙述が彼のどの著述によるものかは不明。

「ウケツ」相模国での当時のオウムガイの別名らしいが、不詳。識者の御教授を乞う。

「海蠃」これは「本草綱目」の「海螺」の冒頭の「釋名」に、

   *

流螺〔圖經〕、假豬螺。

時珍曰、蠃與螺同、亦作蠡。蠃從蟲、羸省文、蓋蟲之羸形者也。厴音掩、閉藏之貌。

   *

とあるのを言っているものらしい。但し、「海蠃」の文字列では出ない。

「バイ」現行の吸腔目バイ科バイ Babylonia japonica 及びバイ属 Babylonia の貝類を指すが、ここで益軒は甲香を得る種を大型の「バイ」と称していることから、ここは広義の、特に概ね尖塔型の巻貝を「バイ」と言っているように私には思われれる。

「小甲香、有り。狀、螺子のごとし。其の蔕を取り、修合して成するなり」前掲引用した「本草綱目」の「海螺」の「集解」の項を参照されたい。「修合」は生薬を合わせて製剤することを言う。

「橘子のごとくにして長し」「橘子」の音は「キツシ(キッシ)」であるが「みかん」と読みたい。現代中国語でも蜜柑の意である。この謂いを見ると、中央部がずんぐりとして蜜柑の形のようで、螺の上下が長いという風にまず読めてしまうから、そうするとこれはもう腹足目イトマキボラ科 Fusinus 属ナガニシ Fusinus perplexus ということになるのであるが、「橘子」の色、蜜柑色に着目すると、私は俄然、アッキガイ科アカニシ Rapana venosa の、殻口の赤黄色が蜜柑にぴったりという気がしてならなくなってしまうのである。

「子安と云ふ螺」吸腔目高腹足亜目タマキビ下目タカラガイ超科タカラガイ科 Cypraeidae に属する広範な巻貝の総称。

「常熟懸志」これは「常熟縣志」の誤りと思われる。明の鄧韍(とうふつ)と馮汝弼(ひょうじょひつ)の纂修になる蘇州常熟(現在の江蘇省常熟)の地誌と思われる。

「鑽螺」「鑽」は錐の意で、これは前鰓亜綱新腹足目イモガイ超科タケノコガイ科 Terebridaeの仲間及び同形状をしたまさに錐状の円錐形をした巻貝類を指しているものと思う。現代中国語でも同種の貝類を指す名として使用されている。

「云云」この「云々」は中略を示すと思われるが、原文がそうなのか、益軒が中略したものなのかは不詳。

『海濱に「ミナ」と云ふ小螺あり』以下の記載がなかなか難しい。単に現行の淡水産カワニナ類に対する海産のウミニナ類とする訳には行かないからである。

「田螺」原始紐舌目タニシ科 Viviparidae に分類される巻貝の総称。

「一種、圓かにして、殻、厚く、葢、厚し」ポイントは蓋が厚いという点である。これは古腹足目サザエ科リュウテン亜科リュウテン属 Turbo に属する石灰質で円形の蓋を有する多くの種群を指すと考えるべきである。

「一種は殻も葢も薄し。又、細長なる螺あり。形、辛螺・甲貝に似たり」こちらを真正の海の「ニナ」、吸腔目カニモリガイ上科ウミニナ科ウミニナ属に属するウミニナ Batillaria multiformis 及び主に汽水域の干潟に棲息する塔形のウミニナに似て非なる複数の科にまたがって存在する多様な種を指すと考えるべきものである。本邦では現在でもこうした多量の多様な別種を含んで「ウミニナ」「ウミニナ類」と呼称しているからである。詳しくはウィキウミニナの「日本産”ウミニナ類”」の項を参照されたい。

「小螺の極小にして米粒ほどなるあり」当時としては観察にルーペ使用を必要とするような微小貝類に益軒が着目している点は評価しなくてはならない。]

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