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カテゴリー「貝原益軒「大和本草」より水族の部」の105件の記事

2018/08/15

大和本草卷之十三 魚之上 鯉

 

鯉 河海諸魚ノ内最貴者尓雅釋魚以鯉冠篇神農

 書曰鯉為魚之主和漢共ニ是ヲ上品トス両傍ノ一

 條ノ鱗大小トナク皆三十六アリ煮食ヘハ水腫ヲ治シ

 小便ヲ利シ脾胃ヲ補フ作膾温補ス新鮮ナルハ尤美

 山州淀ノ産ヲ佳トス

○やぶちゃんの書き下し文

鯉 河海諸魚の内、最も貴〔(とほと)〕き者。「尓雅釋魚〔(ぢがしやくぎよ)〕」、鯉を以つて篇に冠〔せ〕しむ。神農の書に曰く、『鯉を魚の主と為〔(な)す〕』〔と〕。和漢共に是れを上品とす。両傍の一條の鱗、大・小となく、皆、三十六あり。煮〔て〕食へば、水腫を治し、小便を利し、脾胃を補ふ。膾〔(なます)〕と作〔(な)〕して、温〔を〕補す。新鮮なるは、尤も美〔(うま)〕し。山州淀の産を佳とす。

[やぶちゃん注:条鰭綱骨鰾上目コイ目コイ科コイ亜科コイ Cyprinus carpio

「尓雅釋魚」〔(ぢがしやくぎよ)〕、鯉を以つて篇に冠〔せ〕しむ」中国最古の辞書「爾雅」(著者未詳・全三巻」紀元前二百年頃成立)の「釋魚」の巻頭には「鯉」が挙げられている。

「神農」炎帝神農氏。中国古代神話上の帝王で三皇の一人。人身牛首ともされ、農耕神・医薬神に位置付けられ、百草の性質を調べるため、自らありとあらゆる植物を舐めて調べたとされる。彼の「書」というのは不明だが(そもそもそんなものは実在はしない。漢代に成立したと思われる彼の名を冠した「神農本草経」があるが、鯉を魚の主とする記載はない)、先の「爾雅」の篇立てに倣って動植物を分類・解説した南宋の羅願の著「爾雅翼」の巻二十八には「鯉」の記載があるが、その冒頭には確かに『鯉者魚之主』とある。本書より前、医師で本草学者であった人見必大(ひとみひつだい 寛永一九(一六四二)年頃?~元禄一四(一七〇一)年)が元禄一〇(一六九七)年に刊行した本邦最初の本格的食物本草書「本朝食鑑」の「鯉」の章の「集解」の冒頭にも『古へに曰く、鯉は最もな魚の主と爲したり』とある。

「両傍の一條の鱗、大・小となく、皆、三十六あり」前注に出した「爾雅翼」の巻二十八には、『鯉脊中、鱗一道每鱗有。小黒文大小皆三十六鱗。案是脇正中一道爾非脊也』とある。

「水腫」浮腫(むく)み。

「脾胃」さんざん既出既注。漢方では広く胃腸、消化器系を指す語。もう注さない。

「膾〔(なます)〕」新鮮な魚の刺身。

「温〔を〕補す」漢方で当該個人の人体の温度(個人差がある)が正常な値よりも低い場合に、その不足している分を補うだけ、体内の温度上げる効果を指す。

「山州淀」山城国(現在の京都府南部)の淀川。]

大和本草卷之十三  魚之上 (総論)

 

大倭本草卷之十三

   魚之上【河魚】凡魚類其品甚多シ毎州有異

 品不可窮盡諸州ノ土地ニヨリテ異同アリ有無アリ

 形狀性味亦不同○凡國俗所称品物之名字誤

 認者甚多矣就中魚名古来所称之文字傳誤而

 非正者最多矣可謂習而不察也順倭名抄所載

 亦然觀者須精審揀擇之○本草載河海魚品寡

 而且不詳故不審其性之良否者多大抵氣味淡

 潔脂少不甚腥者為佳品不害人氣味濃腥多脂

 者雖味美非良品多食必害人且魚肉餒敗色臭

 悪者腐壞者不可食海魚ハ久食乄不饜河魚ハ歷日

 而食ヘハ易饜味甘フ乄塞氣也海ヨリ河ニ上ル魚ハ鰷

 鱖膾殘魚大口魚等ナリ○本草所載諸魚品數

 比他物鮮少記海魚最不詳多闕考證且諸魚ヲ

 雜記乄不分河海淡水鹹水ノ所生混同乄分明ナ

 ラス別録之中往〻海魚ヲ澤中江湖ニ生スト云觀

 者辨別スヘシ○河魚ノ味美ナル者ハ鯉鯽鱖鱒鱸鰷

 鰻鱺シクチ膾殘魚等為上品海魚ノ美ナルハ鯛鱸

 大口魚比目魚キスコ鯔魚魴魚華臍魚等為上品

○やぶちゃんの書き下し文

「大倭本草」卷之十三

   魚の上【河魚。】

凡そ、魚の類、其の品、甚だ多し。毎州〔(くごとに)〕、異品、有り、窮め盡すべからず。諸州の土地によりて、異同あり、有無あり。形狀、性味〔(しやうみ)〕、亦、同じからず。

○凡そ、國の俗、称する所の品物の名字〔(みやうじ)〕、誤り認〔(したたむ)〕る者、甚だ多し。中に就〔(あたり)〕て、魚の名、古来、称する所の文字、誤〔れる〕を傳へて、正〔(せい)〕に非ざる者、最も多し。習ひて察せずと謂ふべきなり。順が「倭名抄」載する所〔も〕亦、然り。觀る者、須らく、精審〔(せいしん)〕に之れを揀擇〔(せんたく)〕すべし。

○「本草」、河海の魚品を載すること、寡〔(すくな)〕くして、且つ、詳かならず。故〔に〕其の性〔(しやう)〕の良否を審〔(つまびら)か〕にせざる者、多し。

大抵、氣味、淡潔、脂〔(あぶら)〕少く、甚〔だしくは〕腥〔(なまぐさ)から〕ざる者、佳品と為〔(な)〕す。

人を害せず、氣味、濃腥〔(のうせい)にして〕脂多き者、味、美〔(よ)し〕と雖も、良品に非ず、多く食へば、必ず、人を害す。

且つ、魚肉、餒敗〔(だいはい)〕し、色〔(いろ)〕・臭〔(にほひ)〕悪〔(あし)〕き者・腐壞〔(ふくわい)〕せる者、食ふべからず。

海魚は久しく食して饜(あ)かず。河魚は日を歷〔(へ)〕て食へば、饜〔(あ)〕き易し。味、甘〔(あも)〕ふして、氣を塞〔(ふさ)〕げばなり。

海より河に上る魚は、鰷〔(はや)〕・鱖〔(さけ)〕・膾殘魚〔(しろうを)〕・大口魚等なり。

○「本草」、載する所の諸魚の品數、他物に比するに鮮少〔(せんせう)なり〕。海魚を記すこと最も詳かならず。多く、考證を闕〔(か)〕く。且つ、諸魚を雜記して河海を分かたず、淡水・鹹水〔(かんすい)〕の生ずる所、混同して分明ならず。別録の中、往々、海魚を澤中・江湖に生ずと云ふ。觀る者、辨別すべし。

○河魚の味美なる者は、鯉・鯽〔(ふな)〕・鱖〔(さけ)〕・鱒〔(ます)〕・鱸〔(すずき)〕・鰷・鰻鱺〔(まんれい/うなぎ)〕・シクチ・膾殘魚(しろ〔うを〕)等、上品と為す。

海魚の美なるは、鯛・鱸・大口魚〔(たら)〕・比目魚〔(ひもくぎよ/ひらめ)〕・キスゴ・鯔魚〔(ぼら)〕・魴魚〔(はうぎよ/はうぼう)〕・華臍魚〔(くわせいぎよ/あんこう)〕等、上品と為す。

[やぶちゃん注:魚総論部。読み易さを考え(繋がっていると、前の部分との切れ目が判然とせず、戸惑うところがあるからである。少なくとも私には一箇所それがあった)、それぞれの叙述のソリッドなものと思われる箇所を私の判断で捉え、恣意的に改行を施した。

「毎州〔(くにごとに)〕」ㇾ点なく、ルビもないが、音読みは生硬過ぎて厭なので、敢えてかく読んでおいた。

「性味〔(しやうみ)〕」漢方上の気(寒・微寒・平・微温・温)と五味(酸・鹹・甘・苦・辛)のこと。

「中に就〔(あたり)〕て」就中(なかんずく)で「中でも・とりわけ」。

「習ひて察せず」誤ったものを無批判に教わったままに受け入れてしまい、それを改めて独自に考察するということをしない。

『順が「倭名抄」』さんざん出た、平安中期に源順(みなもとのしたごう)によって書かれた辞書「和名類聚抄(わみょうるいじゅうしょう)」。承平年間(九三一年~九三八年)に勤子内親王の求めに応じて編纂した。もう注さない。

「精審〔(せいしん)〕」無批判に受け入れず、精査と審議を重ねること。

「揀擇〔(せんたく)〕」以上のように正否を冷徹に検証した上で選別して正しいもののみを受容すること。

「本草」さんざん出た本草書のチャンピオン、明の李時珍の薬物書「本草綱目」の方は五十二巻。一五九六年頃の刊行。巻頭の巻一及び二は序例(総論)、巻三及び四は百病主治として各病症に合わせた薬を示し、巻五以降が薬物各論で、それぞれの起源に基づいた分類がなされている。収録薬種千八百九十二種、図版千百九枚、処方一万千九十六種に及ぶ。もう注さない。

「其の性〔(しやう)〕の良否」漢方医学に於いての人体への影響の良し悪し。

「大抵、氣味、淡潔、脂〔(あぶら)〕少く、甚〔だしくは〕腥〔(なまぐさ)から〕ざる者、佳品と為〔(な)〕す」以下は、「本草綱目」のそれではなく(但し、「本草綱目」でも概ねそうした記載になってはいる)、貝原益軒の見解として読む。

「濃腥〔(のうせい)にして〕」生臭味が濃く強くあって。

「脂多き者、味、美〔(よ)し〕と雖も、良品に非ず、多く食へば、必ず、人を害す」これは所謂、高級脂肪酸(ワックス)を多量に持つ深海性の魚類の味が甘く美味いこと、しかしそれらは一定量以上を食うと、激しい下痢等を引き起こすことを考えると、非常に正しいことを益軒は言っていると言える。

「餒敗〔(だいはい)〕」「腐敗」に同じい。

「腐壞〔(ふくわい)〕」これは腐敗が進んで、素人目にも魚体が著しく崩れてしまっていることを言っていよう。

「饜(あ)かず」飽きない。

「日を歷〔(へ)〕て」毎日のように食べると。

「味、甘〔(あも)〕ふして、氣を塞〔(ふさ)〕げばなり」これは甘い味の食物が、中枢に作用して食を飽きさせる、或いは抑鬱的傾向を惹起させる要因と言っているように読め、面白い。

「鰷〔(はや)〕」複数の種の川魚を指す。ハヤ(「鮠」「鯈」などが漢字表記では一般的)は本邦産のコイ科(条鰭綱骨鰾上目コイ目コイ科 Cyprinida)の淡水魚の中でも、中型で細長い体型を持つ種群の総称通称である。釣り用語や各地での方言呼称に見られ、「ハエ」「ハヨ」などとも呼ばれる。呼称は動きが速いことに由来するともされ、主な種としては、

コイ科ウグイ亜科ウグイ属ウグイ Tribolodon hakonensis

ウグイ亜科アブラハヤ属アムールミノー亜種アブラハヤ Rhynchocypris logowskii steindachneri

アブラハヤ属チャイニーズミノー亜種タカハヤ Rhynchocypris oxycephalus jouyi

コイ科 Oxygastrinae 亜科ハス属オイカワ Opsariichthys platypus

コイ科 Oxygastrinae亜科カワムツ属ヌマムツ Nipponocypris sieboldii

カワムツ属カワムツ Nipponocypris temminckii

などが挙げられる。

「鱖〔(さけ)〕」サケ目サケ科サケ属サケ(又はシロザケ)Oncorhynchus keta

「膾殘魚〔(しろうを)〕」後で再度出るルビによって振ったが、現行では条鰭綱新鰭亜綱原棘鰭上目キュウリウオ目シラウオ科 Salangidae のシラウオ Salangichthys microdon・イシカワシラウオ Salangichthys ishikawae(日本固有種)などに当てられるが、全くの別種でしかもシラウオ類に似ている条鰭綱スズキ目ハゼ亜目ハゼ科ゴビオネルス亜科 Gobionellinae シロウオ属シロウオ Leucopsarion petersii と混同されるので、それも挙げておく必要がある。孰れも半透明であるが、死ぬと白くなるところから「白魚」をである。この「鱠残魚」は、呉の王が船の上で魚鱠(うおなます)を食べ、その残りを河に捨てたところそれが魚に化身したのがこれとする伝承に由る。

「大口魚」これは条鰭綱タラ目タラ科タラ亜科 Gadinae のタラ類の異名(口吻が大きいことから)であるが、河口近くや潟湖の汽水域ならまだしも、川魚ではなく、遡上などしない純粋な海水魚であり、通常は深海域に棲息するから、これは「タラ」ではあり得ない。実際、後で美味な海水魚に再掲されてあり、そちらは「たら」と読んでおいた。さすれば、思うにこれは淡水魚で「大口」と称したくなるもの、新鰭亜綱骨鰾上目ナマズ目ナマズ科ナマズ属ナマズ Silurus asotus ではなかろうか? 但し、後の項ではナマズは「鮧魚(マナヅ)」とし、特に美味いとは記していない。「タラ」は「大口魚」で出るが、その記載には遡上するという記載はなく、海産としている。不審。

「鮮少〔(せんせう)なり〕」著しく少ない。中国の本草書は海産魚類や海産無脊椎動物類については、事実、記載が有意に乏しい。これは現在の西欧の一般と同じである。魚や他の海産動物の名前をこれだけ一般国民が知っている国は、世界中で他にないと私は思う。

「闕〔(か)〕く」欠く。

「鹹水〔(かんすい)〕」塩からい水。塩水。海水。

「別録」「本草綱目」は主記載に混淆させて、別して各種本草書の引用を併禄するが、そこでは時珍が正しいとして記した主記載と違った内容が書かれていることがしばしばある。但し、寧ろ、これは今見ると、どちらが正しいを弁別するよき資料ともなっており、時珍がそれらを併置したのは、そうした後代の再考を配慮したものであったとも言えるのであり、益軒の謂う、「精審」「揀擇」をするための格好の最早、手に入れ難い(時珍の引用した作品の中には既に散逸したものが多く含まれているからである)蒐集資料であるとも言えるのである。

「鯉」条鰭綱骨鰾上目コイ目コイ科コイ亜科コイコイ Cyprinus carpio

「鯽〔(ふな)〕」 コイ亜科フナ属 Carassius のフナ類。

「鱒〔ます〕」条鰭綱原棘鰭上目サケ目サケ科 Salmonidae に属する魚類の内で和名・和名異名に「マス」が附く多くの魚、或いは、本邦で一般に「サケ」(サケ/鮭/シロザケ:サケ科サケ属サケ Oncorhynchus keta)・ベニザケ(サケ亜科タイヘイヨウサケ属ベニザケ[本邦ではベニザケの陸封型の「ヒメマス」が択捉島・阿寒湖及びチミケップ湖《網走管内網走郡津別町字沼沢》)に自然分布する]Oncorhynchus nerka)・マスノスケ(=キング・サーモン:サケ亜科タイヘイヨウサケ属マスノスケ Oncorhynchus tschawytscha)など)と呼ばれる魚以外のサケ科の魚但し、この場合、前者の定義とは「ヒメマス」「マスノスケ」などは矛盾することになるを纏めた総称。「マス」・「トラウト」ともにサケ類の陸封型の魚類及び降海する前の型の魚を指すことが多く、主にイワナ(サケ科イワナ属 Salvelinus)・ヤマメ(サケ亜科タイヘイヨウサケ属サクラマス亜種ヤマメ(サクラマス)Oncorhynchus masou masou)・アマゴ(タイヘイヨウサケ属サクラマス亜種サツキマス Oncorhynchus masou ishikawae)・ニジマス(タイヘイヨウサケ属ニジマス Oncorhynchus mykiss)などが「マス」類と呼ばれる。

「鱸〔(すずき)〕」条鰭綱棘鰭上目スズキ目スズキ亜目スズキ科スズキ属スズキ Lateolabrax japonicus。河川の中・上流域にまで元気に遡上するが、後で益軒は美味い海水魚にも再掲している。

「鰻鱺〔(まんれい/うなぎ)〕」条鰭綱ウナギ目ウナギ亜目ウナギ科ウナギ属ニホンウナギ Anguilla japonica

「シクチ」刺鰭上目ボラ目ボラ科メナダ(目奈陀)属メナダ Chelon haematocheilus の異名。後に出る「鯔魚〔(ぼら)〕」(ボラ属ボラ Mugil cephalus)と似ているが、眼が頭の先の方へ寄っており、脂瞼(しけん:眼球の上面にあるコンタクト・レンズ状の透明な膜)が発達しない。口唇及び眼が赤みを帯びるので、恐らくは「朱口」から「シュクチ」・「シクチ」・「スクチ」・「ヒクチ」(「緋口」か)・「アカメ」・「メアカ」などの異名を持つ。種小名 haematocheilus も「血の色の唇」の意である。

「比目魚〔(ひもくぎよ/ひらめ)〕」条鰭綱カレイ目 Pleuronectiformes に属する、カレイ科 Pleuronectidaeのカレイ類や、カレイ亜目ヒラメ科ヒラメ属ヒラメ Paralichthys 類等の、薄い扁平な体と左右孰れか一方に偏った両眼を特徴とする魚類の総通称。

「キスゴ」「鱚子」で、スズキ目スズキ亜目キス科 Sillaginidae のキス類の中でも、特にキス属シロギスSillago japonica を指すことが多い。

「魴魚〔(はうぎよ/はうぼう)〕」魴鮄(ほうぼう)。棘鰭上目カサゴ目コチ亜目ホウボウ科ホウボウ属ホウボウ Chelidonichthys spinosus

「華臍魚〔(くわせいぎよ/あんこう)〕」アンコウ目アンコウ科キアンコウ属(ホンアンコウ)Lophius litulon やアンコウ属アンコウ(クツアンコウ)Lophiomus setigerus を指す。漢語であるが、語源はよく判らぬ。或いは、誘引突起である擬餌状体や、体壁のカモフラジュ用の裳裾様の部分を指しているか。]

2018/07/07

大和本草卷之八 草之四 鹿角菜(ツノマタ)及び海藻総論後記 / 大和本草卷之八 草之四~完遂

 

鹿角菜 本草水菜ニ載ス大寒無毒解熱然ドモ性不

 良其形鹿角ニ似テ小ナリ海中岩間ニ生ス乾シ收

 メ用ル時水ニ浸シ醋ニ和乄食フ

[やぶちゃん注:以上の「鹿角菜」ここで終わり、以下の二字下げ部分は海藻類全般についての益軒の感想と後記が続く。書き下し文ではここにアスタリスクを挿入した。]

  本草所載水草苔類不過于十餘品無海草門

  凡本草載諸海産甚略矣本邦海中所産藻苔

  之類各處土地ニヨリ異品多シ窮知リカタシ不可

  枚擧凶年ニハ貧民海草ヲ取食ヒ飢ヲ助クル事山

  蔬ニマサレリ海草ノ民用ニ利アル事亦大ナル哉然

  海草之性皆寒冷滑泄能傷脾胃伐發生之氣

  脾胃虛冷之人不可食又海草有蟲子之毒者

  不可食

 

大和本草卷之八[やぶちゃん注:終りを意味する柱。書き下し文では省略した。]

○やぶちゃんの書き下し文

「鹿角菜(ツノマタ)」 「本草」は「水菜」に載す。大寒。毒、無し。熱を解す。然れども、性、良からず。其の形、鹿の角に似て、小なり。海中の岩間に生ず。乾し收め、用ふる時、水に浸し、醋に和して食ふ。

   *

「本草」〔の〕載する所の水草・苔の類、十餘品の過ぎず、海草門、無し。凡そ「本草」は諸海産を載すること、甚だ略せり。本邦の海中、産する所の藻・苔〔(のり)〕の類ひ、各處、土地により、異品、多し。窮め知りがたし、枚擧すべからず。凶年には、貧民、海草を取り食ひ、飢〔(うゑ)〕を助くる事。山蔬〔(さんそ)〕にまされり。海草の民用に利ある事、亦、大なるかな。然〔(しか)れども〕、海草の性〔(しやう)〕、皆、寒冷・滑泄〔(かつせつ)にして〕、能く脾胃〔(ひい)〕を傷〔つけ〕、發生の氣を伐〔(た)〕つ。〔ゆゑに〕脾胃虛冷の人、食ふべからず。又、海草、蟲-子〔(むし)〕の毒有るは、食ふべからず。

[やぶちゃん注:「鹿角菜(ツノマタ)」は紅藻植物門紅藻綱真性紅藻亜綱スギノリ目スギノリ科ツノマタ属ツノマタ Chondrus ocellatus。田中次郎著「日本の海藻 基本284」によれば、属名Chondrus は「軟骨質の」、種小名 ocellatus は「角叉」の意。ツノマタ属は本邦では八種が知られており(但し、鈴木雅大氏のサイト「生きもの好きの語る自然誌(Natural History of Algae and Protists)」のスギノリ目のページを見ると、何と、二十一種も挙げらてある。当該サイトは日本産海藻リストである)、形状が近似し、それらも多くは食用とされるから、益軒のこれはそれらも総て含むと考えた方がよいだろう。田中氏によれば、『潮間帯下部に生育する代表的な紅藻である。体色は七変化』で、『緑、青、紫、赤などの色合いのものがある。基本的には広い枝が二叉分枝する。枝はねじれることが多い。高血圧などの民間薬の原藻としても知られ』、『カラギーナン寒天としても食されることが多い。汁の実や刺身のつまにも使われる。また漆喰の糊料としても有名である』とある。最後なので、今まで盛んに参考にさせて戴いた鈴木雅大氏のサイトの、ツノマタのページもリンクさせておく。ぼうずコンニャク氏の「市場魚貝類図鑑」のツノマタのページによれば、和名「ツノマタ(角又)」は『鹿の角のように股状になっているところから』の呼称で、『ツノマタを食用としている地域は少なく、主に壁土に入れる、石けんなどとして利用していた』。『食用としている地域で有名なのは、千葉県銚子市、茨城県鹿嶋市などで、コトジツノマタ』(コトジツノマタ(琴柱角叉)Chondrus elatus鈴木雅大氏のサイトのコトジツノマタのページも参照されたい)や『ツノマタを煮溶かして固めて食べ』、『これを海藻』・『海草』と称し、『千葉県銚子市、茨城県神栖市でコトジツノマタ、ツノマタをブレンドして煮溶かしてコンニャク状に固めたもの』を指すという。『海藻らしい風味が楽しめて、なかなか美味』とある。先の鈴木雅大氏のサイトのコトジツノマタのページで現物が見られる。涎が出てきた。

「本草」「本草綱目」の巻十九の「草之八」には海藻は「海藻」・「海蘊」・「海帶」・「昆布」・「越王余」・「石帆」・「水松」の七つしか載らず、巻二十一の「草之十」を見ても海苔を乾した「乾苔」が載る程度で、益軒の「十餘品」というのが他に何を指しているのかはよく判らない。他の項に分散して出るか。判明したら、追記する。

「海草門、無し」海藻(或いは顕花植物としての海草)の部立がないことを言う。

「山蔬〔(さんそ)〕」山菜。

「滑泄」既出既注。漢方の症状としては激しい下痢の水様便を指すが、ここは便をそうした状態にしてしまう性質の意であろう。

「脾胃」既出既注。漢方では広く胃腸、消化器系を指す語である。

「發生の氣を伐〔(た)〕つ」漢方では人体も自然界の春と同様に、人体内で生気が発生する、起ると考えるから、そのメカニズムが致命的に断たれるということであろう。

「脾胃虛冷の人」既出既注。虚弱体質、或いは、体温が有意に低下するような疾患に罹っている人、或いは、消化器系疾患等によって衰弱している人。

「海草、蟲-子〔(むし)〕の毒有るは、食ふべからず」「蟲子」は虫のことであるから、海藻に虫が寄生し、そのために毒化しているものがあるから、それは食ってはいけない、というのであろう。海藻類に寄生する生物(博物学的な意味での虫類)としては、節足動物門甲殻亜門軟甲綱真軟甲亜綱フクロエビ上目端脚目ドロクダムシ亜目ワレカラ下目 Caprellida に属するワレカラ類(代表種はワレカラ科ワレカラ属マルエラワレカラCaprella acutifrons・トゲワレカラ Caprella scaura・スベスベワレカラ Caprella glabra など。大和本草卷之十四 水蟲 介類 ワレカラを参照されたい)や甲殻亜門マルチクラスタケア上綱Multicrustacea Hexanauplia 綱橈脚(カイアシ)亜綱 Copepoda に属するコペポーダ類の中の葉上性カイアシ類(強酸アミジグサに生活する葉上性カイアシ類が参考になる。藻体をかじったり、汚損させたりする害虫としては認識されており、海産で本邦には三十種はいるらしい)等がいるが、これらが人体に有害な毒性を持つという話は聴いたことがない。プランクトン食をするそれらの中に有毒な種がいる可能性は否定は出来ないが、ワレカラヤカイアシ類が付着した海藻で食中毒を起こしたというようなケースは私の知る限りでは報告されていないと思う。寧ろ、何遍も注した通り、オゴノリ類の中毒死亡例が複数あること、それを説明するとされる、prostaglandin E2(プロスタグランジンE2)摂取に始まる人体内機序の例や、ハワイで発生したオゴノリ食中毒の要因研究の過程で疑われているアプリシアトキシン aplysiatoxin という消化管出血を引き起こす自然毒(これは単細胞藻類である真正細菌 Bacteria 藍色植物門 Cyanophyta の藍藻(シアノバクテリアCyanobacteria)が細胞内で生産する猛毒成分)といった物質やそれを含んだ藻類が付着した海藻を知らずに摂取する結果として中毒が起こることはあり得るし、海産中毒や死亡例では原因が不明なケースもある。古くから食べられてきた種でも、海域が廃棄物によって汚染されているものもある。危きは口にせず、は悲しいが、しょうがない。

 残す水族の本文は巻十三の魚類のみ。但し、「附錄」と「大諸品圖下」がまだある。]

 

大和本草卷之八 草之四 コモ (考証の末に「アカモク」に同定)

 

【和品】

コモ 細莖長ク乄穗ノ如クナル小キニシテ丸キ物多クツケ

 リタヽキテ羹トスホタハラニ似タリ又菰ハ水草ナリ別ナリ

○やぶちゃんの書き下し文

【和品】

「コモ」 細莖、長くして、穗のごとくなる小さきにして丸き物、多くつけり。たたきて羹〔(あつもの)〕とす。「ホタハラ」に似たり。又、菰〔(こも)〕は水草〔(みづくさ)〕なり。別なり。

[やぶちゃん注:「コモ」という和名の海藻は現行では見当たらない。しかし、

①茎が有意に細長い(ということは藻体全体が有意に長いと言い換えてよいであろう)。

②極めて特徴的な小さな穂のような丸いものが、数多く藻体に形成されている。

③「ホタハラ」=ホンダワラに似ている。

④敲いて味噌汁のタネとする。

というからには、

褐藻綱ヒバマタ目ホンダワラ科 Sargassaceae

或いは同科の

ホンダワラ属 Sargassum

の仲間である(とまず考えてよいのではないかと思った。

 その中でも、私が最初に想起したのは、

長さ三~五センチメートルにも達する、ホンダワラ属の中でも最も巨大な雌性雄性の生殖附属器の枝を持つ(

褐藻綱ヒバマタ亜綱ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属バクトロフィクス亜属 Bactrophycus スポンゴカルプス節 Spongocarpus アカモク(赤藻屑)Sargassum horneri

であった。鈴木雅大氏のサイト「生きもの好きの語る自然誌(Natural History of Algae and Protists)」のアカモクのページによれば、益軒の言うように、『雄性生殖器床は細い円柱形』で、『雌性生殖器床は雄よりも太い円柱形』を成し、『気胞は円柱形で細長い形態をしてい』るとあるのである。さらに鈴木氏は、

   《引用開始》

アカモクはコンブ類に匹敵するほど大型になる海藻ですが,その大きさについては様々な説が飛び交っています。一般的には3-5 m位と考えられていますが,日本海のように透明度の高い条件では「30 mを超えるアカモクの大森林がある」という話もあります。さすがに30 mは言い過ぎと思わなくもないですが,5 mを超える個体があるのは確かで,ホンダワラ属の中でも群を抜いて大きくなる種です。海藻の大きさの記録を取るのは難しく,「世界一」,「日本一」と安易に決定することは出来ませんが,現在日本の海藻の中で最長と考えられているナガコンブ(Saccharina longissima,注)に次ぐか匹敵する大きさの海藻と言えるかもしれません。公式には何mとなるのか,気になるところです。

注.ナガコンブは通常210 m,最大で20 mに達すると言われています。

   《引用終了》

と記されておられるのは、本種が有意に長大に成り、それは本邦産海藻類で最長の種に入る可能性を持つ()ことを明らかにされておられるのである。事実、田中次郎著「日本の海藻 基本284」の「アカモク」は『長さ 10m を超す個体もよく見られる』とあるのである。ぼうずコンニャク氏の「市場魚貝類図鑑」のアカモクのページによれば、『食べる地域と食べない地域にくっきり分かれる海藻』で、『日本海富山県、新潟県、山形県、秋田県などでは盛んに食べている』とあり、『生殖器床が顕著になった時期にゆでると』、『ネバリが出る。これを摘み取り、湯通しして、醤油、酢みそ、七味唐辛子などで食べる』とし、味噌汁については、『水洗いしたアカモクを適宜に切り、カツオ節だし、煮干しだしなどに入れてみそを溶く。簡単にできて』、『とても味のいいみそ汁になる』とあるのである(。なお、「あかもく(赤藻屑)」という和名については、『暖かくなると』、『切れて海上を藻屑となって漂うため』とそこにある。

 これでもうキマリであろう。

「菰〔(こも)〕は水草〔(みづくさ)〕なり。別なり」単子葉植物綱イネ目イネ科エールハルタ亜科 Ehrhartoideae Oryzeae 族マコモ属マコモ Zizania latifoliaウィキの「マコモによれば、『東アジアや東南アジアに分布しており、日本では全国に見られる。水辺に群生し、沼や河川、湖などに生育。成長すると大型になり、人の背くらいになる。花期は夏から秋で、雌花は黄緑色、雄花は紫色。葉脈は平行』である。]

大和本草卷之八 草之四 奥津海苔(〔オクツ〕ノリ) (興津海苔(オキツノリ)の誤り)

 

【和品】

奥津海苔 廣六七分或七八分長五六七寸許頗

 厚可食紫色水ニ洗ヒ曝日則變爲黄白色駿州奥

 津ニアリ

○やぶちゃんの書き下し文

【和品】

「奥津海苔(〔オクツ〕ノリ)」 廣さ、六、七分、或いは、七、八分。長さ、五、六、七寸許〔(ばか)〕り。頗〔(すこぶ)〕る厚し。食ふべし。紫色なり。水に洗ひ、日に曝〔(さら)さば〕、則ち、變じて、黄白色と爲る。駿州奥津にあり。

[やぶちゃん注:二箇所の「奥津」はママであるが、「興津」(現在の静岡県静岡市清水区興津(おきつ)。(グーグル・マップ・データ)。清水港の北直近)の誤りである。古くから海産物で知られる。

紅藻綱カギノリ目オキツノリ科オキツノリ属オキツノリ Ahnfeltiopsis flabelliformis

である。。鈴木雅大氏のサイト「生きもの好きの語る自然誌(Natural History of Algae and Protists)」のオイキツノリのページで藻体を見られたい。田中次郎著「日本の海藻 基本284」によれば、興津だけでなく、日本各地潮間帯下部やタイド・プールにしばしば優先種として繁茂する。高さは三~八センチメートル、茎幅は一・五~二ミリメートルで、一枚一枚は『平面状に広がるが、それらが重なり合って半円球状になって生育して』おり、『暗紅色で』、『規則的に二叉分枝する』とある。因みに、形の良さから、刺身のツマとして使われることはあるが、現行では、主に質が固いために食用としては認知されていない。]

大和本草卷之八 草之四 海薀(モヅク)

 

海薀 本草時珍云縕亂絲也其葉似之故名正月

 取タルハワカク柔ニ乄良シ鹽ニ淹セハ久ニ堪フ薑醋ニ

 テ食フ性冷利食物本草所載苔菜ヲ向井氏ハモツ

 クナルヘシト云ヘリ食物本草曰苔菜生海中浮波面其

 形縷々線ノ如シ鹽醋ニ拌食ス味淸鮮トイヘリ

○やぶちゃんの書き下し文

「海薀(モヅク) 「本草」〔に〕時珍〔が〕云はく、『縕は亂絲なり。其の葉、之れに似る。故に名づく。』〔と〕。正月に取りたるは、わかく、柔〔(やはらか)〕にして、良し。鹽に淹〔(ひた)〕せば、久〔(ひさ)〕に堪ふ。薑醋〔(しやうがず)〕にて食ふ。性、冷利なり。「食物本草」載する所の「苔菜〔(たいさい)〕」を、向井氏は『「モヅク」なるべし。』と云へり。「食物本草」に曰はく、『苔菜は海中に生じ、波の面に浮ぶ。其の形、縷々〔(るる)として〕線(いとすぢ)のごとし。鹽醋〔(しほず)〕に拌〔(ま)〕ぜ、食す。味、淸鮮。』といへり。

[やぶちゃん注:「モズク」は「水雲」「海蘊」等と漢字表記し、そのままの標準和名種は

褐藻綱ヒバマタ亜綱シオミドロ目ナガマツモ科モズク属モズク Nemacystus decipiens

で、他にナガマツモ科Chordariaceaeに属するモズク類の総称であるが、本邦で食用として流通している「モズク」は、上記の真正の「モズク」ではなく、

ナガマツモ科イシモズク属イシモズクSphaerotrichia divaricate

ナガマツモ科オキナワモズク属オキナワモズク Cladosiphon okamuranus

とが九割以上を占めている。しかし、私には一九八〇年代まではモズクかイシモズクが「モズク」であり、今はなき大船の沖繩料理店「むんじゅる」でオキナワモズクを初めて食した際には、私には「このモズクでないモズクに少し似た太い別種の海藻を食品名としてかく命名した者は大きな誤りを犯している」(と私は心底そう感じた)と、その後も長く思い込んでいたものであった。また、これほどオキナワモズクが「モズク」として席捲するとも思っていなかった(私は沖繩を愛すること、人後に落ちないつもりであが、こと、モズクに関して言えば、あの「オキナワモズク」を「モズク」と呼称することについては、私の『味覚・食感記憶』が今も強い違和感を覚えさせるのである。但し、オキナワモズクの天ぷらは美味い)。イシモズクもいやに黒々して歯応えも硬過ぎる気がして、やはり「モズク」と呼称したくないのが、正直な気持ちである。但し、現在、沖縄に於いて、全国への流通量が少なくなっていた真正のモズクNemacystus decipiens(奇異なことに「オキナワムズク」を「モズク」と呼称するようになってしまい、本来の真正モズクであるそれが流通名で「イトモズク」とか「キヌモズク」とか呼ばれるようになってしまったのは著しく不当であると考えている)の養殖が行われており、商品として沖繩産でありながら『おや? これはオキナワモズクではないぞ? 「モズク」だぞ!』と感じさせるものが出回るようになったのは嬉しい限りである(それがまた沖繩産であることも快哉を叫びたい)。一般にはモズク Nemacystus decipiens 等が同じ褐藻綱のホンダワラ(ヒバマタ目ホンダワラSargassum fulvellum)等に付着することから、「藻に付く」「もつく」となったのが語源とされるが、実は我々の知る上記のオキナワモズク・イシモズクは他の藻に絡みつかず、岩石に着生するのである(されば和名語源から言えばオキナワモズクとイシモズクはモズクに非ずということになるのである)。なお、本邦には他に、

イシモズク属クサモズク Sphaerotrichia divaricata(食用)

モズク科フトモズク属フトモズク Tinocladia crassa(食用。鈴木雅大氏サイト「生きもの好きの語る自然誌(Natural History of Algae and Protists)」のフトモズクのページによれば、加藤氏の採取したものには、高さ三十~四十センチメートル、主軸直径一センチメートルにも及ぶものがあるとされる。リンク先に写真有り)

ニセモズク科ニセモズク属ニセモズク Acrothrix pacifica(ヒバマタ亜綱コンブ目ツルモ属ツルモ Chorda asiatica に着生。薬剤素材となっているから、食用は可能と思われる)

等の近縁種がいる。なお、鈴木氏は先のサイトのクサモズクのページで、クサモズク Sphaerotrichia divaricata 『個人的には最も美味しいモズクの仲間』とされておられる。岩手に行ったら、入手するぞ!

『「本草」〔に〕時珍〔が〕云はく、『縕は亂絲なり。其の葉、之れに似る。故に名づく。』〔と〕』「本草綱目」「草之八」の「海蘊」は全体が短い。

   *

海薀【溫・縕・、三音。「拾遺」。】

校正自草部移入此。

釋名時珍曰、「縕亂絲也。其葉似之故名。」。

氣味鹹、寒。無毒。

主治癭瘤結氣在間下水【藏器】。主水廕【蘇頌。】。

この時珍の「海薀」の「薀」の「縕」は「亂絲」の意と記すが、これ、よく意味が判らないのだが、「縕」は実は麻(バラ目アサ科アサ属 Cannabis。或いはカンナビス・サティバ(大麻草)Cannabis sativa を指す。だから、これはアサ類の葉っぱに似ているという意味であろう。しかし、この「縕」の字自体に派生的な「水草」(淡水産顕花植物)の意があり、「マツモ」や「キンギョモ」を指し、これまた、「マツモ」が実は狭義の双子葉植物綱スイレン目マツモ科マツモ Ceratophyllum demersum var.demersum を指すに留まらないこと、同様に「金魚藻」と呼称される種も極めて多種多様な水草群を含んでいること等から、混迷を極めてしまうので、この話はここまでとしておく。なお、モズク Nemacystus decipiensという学名もこれ、属名がギリシャ語の「Nema」(糸)と「cystus」(嚢)の合成で、種小名は「虚偽の・欺瞞の」という意味なのである。

「鹽に淹〔(ひた)〕せば、久〔(ひさ)〕に堪ふ」塩に漬けて塩蔵すれば、永く保存に耐える。

「食物本草」元の李東垣の著(但し、出版は明代の一六一〇年)になる「東垣食物本草」であろう。

「薑醋〔(しやうがず)〕」生姜酢。

「冷利」冷たくすっきりした食感を指すのではなく、漢方で体温を速やかに下げるの意であろう。

「向井氏」本草学者で医師の向井元升(げんしょう 慶長一四(一六〇九)年~延宝五(一六七七)年)であろう。ウィキの「向井元升」によれば、『肥前国に生まれ』で五『歳で父、兼義とともに長崎に出て、医学を独学し』、二十二『歳で医師となる』。慶安四(一六五一)年、ポルトガルの棄教した宣教師クリストファン・フェレイラの訳稿を元に天文書『乾坤弁説』を著し』、承応三(一六五四)年には『幕命により、蘭館医ヨアン(Hans Joan)から通詞とともに聞き取り編集した、『紅毛流外科秘要』』全五『巻をまとめた』。万治元(千六百五十八)年、『家族と京都に出て医師を開業した』。寛文一一(一六七一)年、『加賀藩主前田綱紀の依頼により『庖厨備用倭名本草』を著した。『庖厨備用倭名本草』は、中国・元の李東垣の『東垣食物本草』などから食品』四百六十『種を撰び、倭名、形状、食性能毒等を加えたものである』。なお、彼の『次男は俳人の向井去来』である。ここで『向井氏は『「モヅク」なるべし。』と云へり』というのは、この「庖厨備用倭名本草」に書かれている。幸いにして国立国会図書館デジタルコレクションの「庖厨備用倭名本草」第三巻の画像で当該部「苔菜(タイサイ/右ルビ:モヅク/左ルビ)」を探し当てることが出来た。である。そこで向井は「モヅクなるべし」という推定ではなく、「元升曰此ノ説ヲミレハ今俗ニ云モヅク也」と断定している。但し、「東垣食物本草」の原典に当たることが出来ないので私はこの李東垣の『苔菜は海中に生じ、波の面に浮ぶ。其の形、縷々〔(るる)として〕線(いとすぢ)のごとし。鹽醋〔(しほず)〕に拌〔(ま)〕ぜ、食す。味、淸鮮』という見解(しかし「苔菜」という呼び名を除けば、確かにこれはモズクの記載としてしっくりはくる)及びそれに基づく向井及び貝原の見解、則ち、「苔菜」=「モズク」とする主張への受け入れを留保する。何故なら、李東垣より後の「本草綱目」の巻二十六の「菜之一」の「紫」の異名に「苔菜」が出るのであるが、本文を見ると、水辺に植生するとあるものの、それは淡水で「海中」の文字は全くなく、しかも植生するのは水の中ではない。しかもこの「紫」とは現在のキンポウゲ目ケシ科キケマン属ムラサキケマン Corydalis incisa か、その近縁種を指すように思われ、同項目前も「菫」で、これは明らかに陸生植物であるからである。]

2018/07/06

大和本草卷之八 草之四 鮫皮苔(サメノリ) (フダラク?)

 

【和品】

鮫皮苔 ヨコ五分許長二三寸靑色ナリ鮫皮ノ如クナル

 星多クシテ其處少高シ「經ノ紐」ヨリヨシ稀有ナリ

○やぶちゃんの書き下し文

【和品】

「鮫皮苔(サメノリ)」 よこ、五分許り。長さ、二、三寸。靑色なり。鮫皮のごとくなる星、多くして、其の處、少し高し。「經ノ紐」より、よし。稀有〔(けう)〕なり。

[やぶちゃん注:この名では判らぬ。しかし、

①名にし負う「鮫皮のごとくなる星、多くして、其の處、少し高」くなっていると叙述。

②全体は「靑色」(緑色?)を呈すること。

③『「經ノ紐」より、よし』(食って美味いの意であろう)という叙述から或いは紅藻植物門真正紅藻綱マサゴシバリ亜綱イソノハナ目ムカデノリ科マタボウ属キョウノヒモ Polyopes lancifolius との近縁関係があるかも知れないこと。

そう簡単には見つからないということは潮間帯下部以深に植生する可能性が高いこと。

などを頼りに図鑑や画像を見て行くと、有力な一つの候補として、私は

真正紅藻綱マサゴシバリ亜綱イソノハナ目ムカデノリ科タンバノリ属フダラク Pachymeniopsis lanceolate

に眼が止まった。「ふだらく」は「補陀落」ではなく(それに掛けた可能性はないとは言えないようには思うのだが)、田中次郎著「日本の海藻 基本284」によれば、『成熟してくると表面に胞子囊の集まりである大きな斑(ふ)が入ることが多い。そこから「斑(ふ)」だらけ」と呼ばれ、転じて和名がつけられた』とあり、同種は潮間帯下部から潮下帯を棲息域とする。さらに鈴木雅大氏のサイト「生きもの好きの語る自然誌(Natural History of Algae and Protists)」の同種のページを見て戴きたいのだが、上から四・五・六枚目の写真を見ると、はっきりと斑が見える。さらに、何となく鮫の皮っぽい感じがし、鮫肌っぽいブツブツさえ六枚絵目の右端には現認出来る。しかもこの六枚目の写真では、藻の一部が有意に薄緑を呈しているのが判り、田中次郎著「日本の海藻 基本284」の写真でも、薄緑と、かなり濃い青緑の斑(まだら)模様になった藻体写真が載るのである。無論、他の種で候補となりそうなものはまだあるけれど、私としては一つの候補を出せれば満足なので、これまでとする。よりよい同定種があるとなれば、是非、御教授あられたい。]

大和本草卷之八 草之四 經ノヒモ

 

【和品】

經ノヒモ 昆布ニ似テ小也廣二三寸長五六寸ハカリ

 食スレハ脆ク味ヨシ醋ミソニテ食ス

○やぶちゃんの書き下し文

【和品】

「經ノヒモ」 昆布に似て小なり。廣さ、二、三寸。長さ、五、六寸ばかり。食すれば、脆く、味、よし。醋〔す〕みそにて食す。

[やぶちゃん注:「經の紐」は「キヤウノヒモ(キョウノヒモ)」で、現在の和名もそのままに、紅藻植物門真正紅藻綱マサゴシバリ亜綱イソノハナ目ムカデノリ科マタボウ属キョウノヒモ Polyopes lancifolius である。「千葉大学海洋バイオシステム研究センター銚子実験場」の「海藻海草標本図鑑」によれば、『からだは扁平で被針形。基部付近は細い円柱状の茎状となる。分枝はするものもしないものもある。生長した個体では縁辺や体表面から小枝をマット状に密生するようになる。細胞層は皮層に小さな球形の細胞が多数並び,皮下層にやや大きな細胞が並ぶ。髄層は糸状細胞からなる。手触りは若い個体では柔らかで滑らかだが』、『老成した個体では軟骨質になり弾力を持つようになる。生体は黄色がかった紅色〜暗紫紅色。押し葉標本は台紙につかない。似たものとしてヒラムカデ』(ムカデノリ科ムカデノリ属ヒラムカデ Grateloupia livida)『やムカデノリ』( ムカデノリ属ムカデノリ Grateloupia asiatica)『があるが』、『ヒラムカデは小枝が少なく』、『押し葉標本は台紙につき』、『ムカデノリは』『表面からの小枝はもたず』、『基部付近に円柱状の部分がみられない。ただし』、『これらは非常に形態変異が激しく』、『小枝をほとんど持たないキョウノヒモや』『細かく分岐したヒラムカデなど』、『典型種とかけはなれたものも多く』、『形態からの判断が非常に難しい事がよくある』とある。田中次郎著「日本の海藻 基本284」(二〇〇四年平凡社刊)によれば、『和名は江戸時代初期には見られるが、由来ははっきりしない』とある。

「昆布に似て」ません!]

大和本草卷之八 草之四 黑ノリ (ウップルイノリ)

 

【和品】

黑ノリ 若狹ノ海ニアリ岩ニ生ス臘月ニトル黑クウルハシ

 味ヨシ

○やぶちゃんの書き下し文

【和品】

「黑ノリ」 若狹の海にあり。岩に生ず。臘月にとる。黑く、うるはし。味、よし。

[やぶちゃん注:「若狹」(日本海中部)という限定性、「岩」海苔、則ち、養殖ではない天然物であること、「臘月」=旧暦十二月に採取すること、呼称から藻体が有意に「黑」いこと、味がよいとすることを綜合すると、私は、

植物界紅藻植物門ウシケノリ綱ウシケノリ目ウシケノリ科アマノリ属ウップルイノリ(十六島海苔)Porphyra pseudolinearis

を挙げるべきかと思う。本種は別称を「クロノリ」とも呼ぶからである。分布と「岩海苔」とすることからは、

アマノリ属ツクシアマノリ(筑紫甘海苔)Porphyra yamadae

も挙げられるが、ツクシアマノリは有意に緑色を呈しており、黒くないので外れる。

 ウルップイノリは多くの方には馴染みのない名前であろうから、私の寺島良安の和漢三才圖會 卷第九十七 水草 藻類 苔から、訓読文と私の注を引いておく(原文はリンク先を参照されたい)。

   *

うつぷるいのり

十六島苔

【宇豆布留伊。】

 附〔(つけた)〕り

  雪苔

按ずるに、此の苔、雲州[やぶちゃん注:出雲。]十六島(うつふる)より出づる。故に名づく。海中の石上に附生す。長さ、二~三尺、幅二寸ばかりにして、細(こまやか)なること、髮のごとく、紫黑色。味【甘、微鹹。】極美なり。國守、海人をして之れを取らしめ、海人、海底に入り、採りて腰帶と爲し上(あが)る。其の得る所の三分が一を海人に賜ふ。最も苔中の珍品と爲す。

 ゆきのり

 雪苔

按ずるに、雪苔は雲州加加浦に、之れ、有り。畧(ちと)「十六島苔」に似て、短く、紫色。冬の雪、石面に雪降りて、乍(たちま)ち、變じて、苔と爲る。之を刮(こそ)げ取る。夏に至りては、則ち貯(たくは)ひ難し。丹後にも亦、之有り。

   *

ウップルイノリは潮間帯上部に生育し、幅が狭く長い。成長したものは長さが約三十センチメートル、幅五センチメートルまで伸長するが、長さ二十センチメートル、幅一~二センチメートルが通常個体である(良安の叙述の長さは後述するように有意に大き過ぎる)。雌雄異株で、秋から一月ぐらいまで岩礁に見られる。北方系の種である。

「十六島」現在の島根県出雲市(以前は平田市であったが、二〇〇五年三月に旧出雲市・平田市・簸川郡佐田町・多伎町・湖陵町・大社町の二市四町が新設合併して新しい「出雲市」となった)十六島町(うっぷるいちょう:(グーグル・マップ・データ))にある十六島湾(うっぷるいわん)を指す。「十六島」という単独の島の名ではない。航空写真で見ると、十六以上の大小様々な島が見える。如何にもアイヌ語の語源を感じさせる地名であるが、これに関しては、「日本古代史とアイヌ語」というサイトの「十六島」に実に緻密で詳細な考察がある。それによれば、アイヌ語で「松の木が多いところ」若しくは「穴や坂や崖の多いところ」という意味である可能性が高いとある。このサイト、震えるほど素晴らしい! 是非、ご覧あれ。

「採りて腰帶と爲し上る」とあるが、アマノリの類いは、上記通り、潮間帯上部に繁茂し、岩礁帯をちまちまと摘むように採取するものと思われる。このように海中に潜水して多量に採取し、更にそれを腰に帯のように巻いて浮上するというのは私には考え難いのである。挿絵から見ても、良安は昆布類の採取と錯誤しているように思われるのだが、如何? 識者の意見を乞う。

「雪苔」ユキノリ これは現在、佐渡島で「イワノリ」の呼称として用いられているのだが、「イワノリ」という呼称自体、広義のウシケノリ科アマノリ属 Porphyra 類の総称として用いられている。なお、ここでの良安が雪から海苔を生ずるという化生説を無批判に採用しているのは驚きである。

「雲州加加浦」は、現在の島根県松江市(以前は八束郡であったが二〇〇五年三月に旧制の松江市が、八束郡に属する鹿島町・島根町・美保関町・八雲村・玉湯町・宍道町・八束町の一市六町一村が合体合併して新しい「松江市」となった)島根町加賀の加賀漁港周辺地域を指すものと思われる。(グーグル・マップ・データ)。]

大和本草卷之八 草之四 於期(ヲゴ)ノリ (オオオゴノリ?)

 

【和品】

於期ノリ 海中石上ニ生ス亂髮ノ如シ靑黑色ナゴヤ

 ヨリ大ニヒシキヨリ小也飯ニ加ヘ食スル事ヒシキノ如ニス

 性滑泄虚冷人不可食發腹痛性不良

○やぶちゃんの書き下し文

【和品】

「於期(ヲゴ)ノリ」 海中の石上に生ず。亂髮〔(みだれがみ)〕のごとし。靑黑色。「ナゴヤ」より大〔(だい)〕に、「ヒジキ」より小なり。飯に加へ食する事、「ヒジキ」のごとくす。性、滑泄。虚冷の人、食ふべからず。腹痛を發〔(おこ)〕す。性〔(しやう)〕、不良〔なり〕。

[やぶちゃん注:『「ナゴヤ」より大〔(だい)〕に、「ヒジキ」より小なり』とあるから、紅色植物門紅藻綱オゴノリ目オゴノリ科オゴノリ属オオオゴノリGracilaria gigas だろうか?(学名が「デカい」だからと安直だが) 「三重大学藻類学研究室」公式サイト内のオオオゴノリ Gracilaria gigas Harveyによれば、『体は円柱状でひものように長い。枝分かれの仕方はやや規則的な互生または扁生である。枝は短く』、『そのつけねはくびれることが多い』。長さ二十五~三十センチメートル(これはオゴノリ Gracilaria vermiculophylla の標準と変わらない)、直径四~七ミリメートル(これはオゴノリ(一~二ミリメートル)より遙かに太い)『のものが多いが』、『淡水のまざる静かな海ではそれ以上になることもある。体色は肌色または薄い緑色』とあるから、これに比定しておく。なお、同属は毒性が疑われるから、先の心太」ナゴヤ(オゴノリ)」を必ず参照されたい。ここでも益軒の警告は優れていると言える。

「ヒジキ」先の鹿尾菜(ヒジキ)、藻綱ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属ヒジキ Sargassum fusiforme。そこで記した通り、長さは三十~八十センチメートル、時に一メートルに達するものもある。

「滑泄」漢方の症状としては激しい下痢の水様便を指すが、ここは便をそうした状態にしてしまう性質の意であろう。

「虚冷の人」既出既注であるが、再掲しておく。虚弱体質、或いは、体温が有意に低下するような疾患に罹っている人、或いは、消化器系疾患等によって衰弱している人を指す。

「性〔(しやう)〕、不良〔なり〕」全体的な食としての性質はよろしくない、と言うのである。

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