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カテゴリー「詩歌俳諧俳句」の348件の記事

2018/04/22

寧日 山口芳光 (思惟的変更テクスト)

 
母、吾が爲に
  
鼠の子蟲籠に入れて與へぬ
 
病間の徒然なる
 
吾指もて小づき戲れ
 
心明るう時を經にけり。
 
あはれ鼠の子まこと子なれば
 
耳朶桃色に 血管(ちすぢ)の脈打つも生物(いきもの)らしく
 
今は前肢を捧げ餌食みゐるも﨟たけし。
 
やがて夕べの風出でぬ――時を經ぬ間に
 
何時か牛乳(ちち)の時間となりぬれば
 
吾鼠の事も忘れ
 
靑葉繁れる窓に
 
牛乳(ちち)を飮みゐたり。
  
 
 
[やぶちゃん注:本日、「青空文庫」公開分の一篇である同詩篇を恣意的に漢字を正字化し、原文の「耳孕」を「耳朶」に訂して示した。]

2018/03/24

我が中国を愛する友へ――

 

歸去來辭 陶淵明
 
   
余家貧 耕植不足以自給 幼稚盈室 缾無儲粟 生生所資 未見其術 親故多勸余爲長吏 脱然有懷 求之靡途 會有四方之事 諸侯以惠愛爲德 家叔以余貧苦 逐見用于小邑 于時風波未靜 心憚遠役 彭澤去家百里 公田之利 足以爲酒 故便求之 及少日 眷然有歸歟之情 何則 質性自然 非矯勵所得 饑凍雖切 違己交病 嘗從人事 皆口腹自役 於是悵然慷慨 深愧平生之志 猶望一稔 當斂裳宵逝 尋程氏妹喪于武昌 情在駿奔 自免去職 仲秋至冬 在官八十餘日 因事順心 命篇曰 歸去來兮 乙巳歳十一月也
 
歸去來兮
田園將蕪胡不歸
既自以心爲形役
奚惆悵而獨悲
悟已往之不諫
知來者之可追
實迷途其未遠
覺今是而昨非
 
舟遙遙以輕颺
風飄飄而吹衣
問征夫以前路
恨晨光之熹微
 
乃瞻衡宇
載欣載奔
僮僕歡迎
稚子候門
三逕就荒
松菊猶存
攜幼入室
有酒盈樽
 
引壺觴以自酌
眄庭柯以怡顏
倚南窗以寄傲
審容膝之易安
園日涉以成趣
門雖設而常關
策扶老以流憩
時矯首而游觀
雲無心以出岫
鳥倦飛而知還
景翳翳以將入
撫孤松而盤桓
 
歸去來兮
請息交以絶遊
世與我而相遺
復駕言兮焉求
悅親戚之情話
樂琴書以消憂
 
農人告余以春及
將有事於西疇
或命巾車
或棹孤舟
既窈窕以尋壑
亦崎嶇而經丘
木欣欣以向榮
泉涓涓而始流
善萬物之得時
感吾生之行休
 
已矣乎
寓形宇内復幾時
曷不委心任去留
胡爲乎遑遑欲何之
 
富貴非吾願
帝鄕不可期
 
懷良辰以孤往
或植杖而耘耔
登東皋以舒嘯
臨淸流而賦詩
 
聊乘化以歸盡
樂夫天命復奚疑
 
 

2018/03/09

雪夜   三好達治  (三篇)

 
 
   雪夜 一 
 
雪はふる 雪はふる 聲もなくふる雪は 私の窗の半ばを埋める
私の胸を波だてた それらの希望はどこへ行つたか ――また今宵
それらの思出もとび去りゆく 夜空のかぎり 雪はふる 雪はふる
雪は思出のやうにふる 雪は思出のやうにふる また忘却のやうにもふる
 
 
   雪夜 二
 
思出 思出 いつまでも心に住むと 誓ひをたてた思出
その思出も年をふれば 塵となる 煙となる ああその
かの裏切りの片見なら 捉へがたない思出の 性も是非ない
行くがいい 行くがいい 私を殘して 歸る日もなく行くがいい 思出よ
 
 
   雪夜 三
 
 
夜更けて 油の盡きた暗いランプ 低い焔 煤けた笠
既に私の生涯も 剩すところはもうわづか ああ今しばし
ものを思はう 今しばし 私の仕事に精を出さう
やがて睡りの時がくる 悲しみもなく 私の眠る時がくる
 
 
 
 
[やぶちゃん注:本日、「青空文庫」で各篇分立で示されたものをカップリングした。ネット上の「三好達治全集」の第一巻目次によって『「山果集」拾遺』に三篇で纏まって収録されていることが判ったので、以上のように示した。因みに「山果集」は昭和一〇(一九三五)年十一月四季社刊で、梶井基次郎の墓前に捧げられた詩集である。]

2018/02/06

宮澤賢治の「文語詩稿 一百篇」の巻頭にある詩篇「母」の草稿から定稿までの推敲順推定電子化

 

[やぶちゃん注:「校本 宮澤賢治全集 第五巻」(昭和四九(一九七四)年筑摩書房刊)の本文と校異を参考に作成した。
漢字は恣意的に概ね正字化した。

 本詩篇は宮澤賢治が生前に多田保子編集発行になる雑誌『女性岩手』第四号(昭和七(一九三二)年十一月発行)に同じ「文語詩稿 一百篇」に載る「祭日」「保線工手」とともに掲載された。

 現存する草稿及び清書稿と称するもの自体は全部で三種あり、底本では本文と校異での提示を含めて、詩篇としては四種が載るが、ここでは以下のような仕儀を以って、全七篇を推定復元した

 ところが、この内、「清書稿」と呼称しているものは、底本では原稿原物から起したものではなく、川原仁左ヱ衛門編著「宮沢賢治とその周辺」(私家版・昭和四七(一九七二)年刊)の口絵写真に載るものから起されたものであり(恐らくは底本編集時(昭和四十九年)に原稿提供がなされず、現存は不明なのかも知れぬ)、しかもそれは発表されたものとは微妙な違いがある(概ね、誤植と考えられはする)のである。

 しかも、ややこしいことに、底本で「定稿」と呼んでいるものは、雑誌『女性岩手』に載ったものではないことに注意しなければならない。これは「文語詩稿 一百篇」全篇を賢治が清書したのが、『女性岩手』に発表した後のことと推定されることから、その発表後の清書時に書き換えたものを以って「定稿」と呼んでいる原稿を指すのである。

 そうしてそれに追い打ちをかけるように、最後の書き直された定稿原稿は焼失したらしく、現存しない。則ち、底本で「定稿」と呼んでいるそれは、賢治の第二全集(賢治の没した昭和八(一九三三)年の翌年に文圃堂から出版された第一全集の紙型を買い取った十字屋書店がそれを増補する形で昭和一四(一九三九)年から翌年にかけて出版したもの)に掲載されているものを校訂したもので、存在しないのである。

 本電子化では、底本の校異に示された原稿の推敲痕を、解説を参考に、可能な限り、順序を推定し、種+定稿の篇を示した。但し、抹消を戻したりした箇所は再現していないし、細部の書き換えは、前後の同様の書き換えと共時的に行われたものかどうかまでは不明であるから、仮定されるヴァリェションは厳密にはもっと遙かに増える。特に底本の「下書稿(二)」の後の推敲過程(前の矢印の下に※を附した)の中の第二連部分は錯雑が異様に激しく、纏まった再現そのものが困難であった。底本の校異によれば、同じ鉛筆・別の鉛筆・藍色のインクの三種類の筆記用具による手入れが現認出来る、とある。則ち、「下書稿(二)」の原形態を含めても、そこでは最低でも四段階か、それ以上の推敲形が賢治の頭の中には存在したと考えてよい。ところが、その三種の異なった筆記用具の推敲を一つの詩句として、いくら、ジョイントしてみても(実際に五篇ほど作製してみたのだが)、上手く韻律や意味が繋がらない。されば、「※」の第二連部分については、仮定稿推敲推定表示を最終形と推定されるものの表示のみに留め、完全に諦めた

 なお、最初の下書き稿には標題がない。また、「定稿」と称するものの四行書きの一行中の中間部字空けで下部の詩句上部インデント、及び、二連構成の中間三行(程)空けという特異な表記もママである。

 「雪袴」(ゆきばかま)とは、主に雪国で用いる裾を締めた、相撲の行司が穿(は)くような括(くくり)り袴(ばかま)風の下衣のことで、「裁っ着け袴(たっつけばかま)」とも呼ぶが、「もんぺ」の地方名ととっても、強ち、誤りではない。されば、その後の「うがつ」は「穿(うが)つ」であって、その「黑」い「雪袴」を「穿(は)く」の意である。

 「喰ましめ」は後の改稿で判る通り、「はましめ」と読んでいる。「食わせる」に同じい。

 「うなゐ」は「髫」「髫髪」で、髪を項(うなじ)の辺りで切り揃えて垂らしておく、昔の小児の髪形を指し、そこから転じて「うなゐのこ」或いは単に「うなゐ」が「小児・小さい子」の意となったものである。【2018年2月6日 藪野直史】

 

 

幾重なる松の林を

鳥の群はやく渡りて

風澄める四方の山はに

うづまくや秋の白雲

 

雪袴黑くしがちし

その子には瓜を喰ましめ

みづからは紅きすゝきの

穗をあつめ野をよぎる母

 

   ↓(底本「下書稿(二)」のプレ稿推定)

 

      母

 

雪袴黑くうがちし

うなゐの兒瓜食(は)みくれば

風澄める四方の山はに

うづまくや秋の白雲

 

その身こそ瓜も欲(ほ)りせん

齡弱(としわか)きうなゐごの母は

ひたすらに紅きすすきの

穗をあつめ野をよぎりくる

 

   ↓(底本「下書稿(二)」)

 

      母

 

雪袴黑くうがちし

うなゐのこ瓜食(は)み來れば

風澄める四方の山はに

うづまくや秋のしらくも

 

その身こそ瓜も欲(ほ)りせん

齡弱(としわか)きその兒の母は

ひたすらに紅きすすきの

穗をあつめ野をよぎりくる

 

   ↓(※)

 

      母

 

雪袴黑くうがちし

うなゐの兒瓜食(は)みくれば

風澄める四方の山はに

うづまくや秋のしらくも

 

その身こそ瓜も欲(ほ)りせん

齡弱(としわか)きそのこの母にしあれば

手すさびに紅き萱穗を

折りとりて野をよぎるなれ

 

   ↓(以下が底本の「清書稿」)

 

      母

 

ゆきばかま黑くうがちし

うなゐのこ瓜(うり)食(は)みくれば

風澄めるよもの山はに

うづまくや秋のしらくも

 

その身こそ瓜も欲(ほ)りせん

齡弱(としわか)き母にしあれば

手すさびに紅(あか)き萓穗(かやぼ)を

つみ集(つど)へ野を過(よ)ぎるなれ

 

   ↓(以下が『女性岩手』掲載のもの)

 

      母

 

ゆきばかま黑くうがちし

うなゐのこ瓜(うり)食(は)みくれば

風澄めるよもの山はに

うづまくや秋のしらくく

 

その身こそ瓜も欲(ほ)りせん

齡弱としわかき母にしあれば

手すさびに紅き萱穗(かやほ)を

つみ集(つど)へ野をよぎるなれ

 

   ↓

 

   母

 

雪袴黑くうがちし     うなゐの子瓜食(は)みくれば

 

風澄めるよもの山はに   うづまくや秋のしらくも

 

 

 

その身こそ瓜も欲りせん  齡弱(としわか)き母にしあれば

 

手すさびに紅き萱穗を   つみつどへ野をよぎるなれ

 

2018/02/03

宮澤賢治の「文語詩稿 五十篇」の掉尾にある詩篇の草稿「峠」から無題の定稿までの推敲順推定電子化

 

[やぶちゃん注:「校本 宮澤賢治全集 第五巻」(昭和四九(一九七四)年筑摩書房刊)の本文と校異を参考に作成した。漢字は恣意的に概ね正字化した

 現存する草稿自体は三種であるが、校異に示された推敲痕を解説を参考に、可能な限り、順序を推定し、八種+定稿の九篇を示した。但し、細部の書き換えは、前後の同様の書き換えと共時的に行われたものかどうかまでは不明であるから、仮定されるヴァリェションは厳密にはもっと増える可能性が高い。また、最終草稿と定稿の変異の位相が非常にあることから、本篇にはその間に、数種の中間草稿があったかも知れないということも想定される。

 なお、定稿からは、ずっとあった「峠」という標題は消えており、二行書きの一行中の中間部二字空け、及び、四行(程)空けという特異な表記もママである。

 「(まみ)」は「」という漢字と同字であるが、これらは孰れも「よく見る・凝と見つめる」の意で、現行では殆んど使用されない字である。但し、賢治はそれに「まみ」と振ってはいるから、「目・眸(ひとみ)」の意と採っても誤りとは言えない。しかし、「まみ」(目見)自体が「物を見る目つき・眼差(まなざ)し」や「目元(めもと)」の意が原義あることを考え、しかも、推敲課程で賢治がここを「グリムプス」(Glimpse:英語で「一瞥」の意)と一度、言い換えている点を考えると、これを現在普通に行われている表記のように「眸」に置き換えてしまっていいかどうかについては、私は、かなり躊躇するものである。これは単に旧字を正字に換えるのとは全く訳が違うからである。【2018年2月3日 藪野直史】]

 

 

      峠

 

燃ゆる吹雪(ふぶき)のさなかにて

妖(あや)しき(まみ)のさま

 

吹雪たちまち過ぎ往きて

片雲(くも)プリズムを示したり

 

    ↓

 

      峠

 

燃ゆる吹雪(ふぶき)のさなかにて

なんぞ妖(あや)しき(まみ)のさま

 

霽れてはめぐる雪の尾根

飛雲(くも)プリズムを示しけり

 

    ↓

 

      峠

 

燃ゆる吹雪(ふぶき)のさなかにて

妖(あや)しき(まみ)も示しけん

霽れてはめぐる雪の尾根

雲プリズムをなしにけり

 

   ↓

 

      峠

 

燃ゆる吹雪(ふぶき)のさなかにて

妖(あや)しき(まみ)も示しけん

霽れてはめぐる雪の尾根

片雲(くも)プリズムをなしにけり

 

   ↓

 

      峠

 

光吹雪のさなかにて

妖しく燃ゆるグリムプス

 

冴えてはめぐる雪の尾根

片雲(くも)のプリズム漂はす

 

   ↓

 

      峠

 

吹雪かゞやくさなかとて

妖しく燃ゆるグリムプス

 

冴えてはめぐる雪の尾根

片雲(くも)のプリズム漂はす

 

   ↓

 

      峠

 

吹雪かゞやくさなかには

燃えて妖しきグリムプス

 

冴ゆれば仰ぐ尾根の上

片雲(くも)プリズムをめぐらしぬ

 

   ↓

 

      峠

 

吹雪かゞやくさなかには

燃えて妖しきグリムプス

 

冴ゆれば仰ぐ尾根の上

片雲(くも)プリズムをひるがへす

 

   ↓

 

吹雪かゞやくなかにして、   まことに犬の吠え集りし。

 

 

 

 

燃ゆる吹雪のさなかとて、   妖(あや)しきをなせるものかな。

 

 

2018/01/07

手の上にかなしく消ゆる螢かな   去來

   いもうとの追善に

 手の上にかなしく消ゆる螢かな   去來




2018/01/06

きみ遠く去るにかも似ん……

 

雪ふかく
山裳を曳けば
きみ遠く去るにかも似ん
 
丘群に
日射し萌ゆれば
きみ來り訪ふにも似たり
 


 
(宮澤賢治文語詩未定稿より)

2018/01/01

南郷(みなんご)庵夢幻



    南郷庵夢幻
 
 障子に指で穴空けて靑空を拜む    唯至




 

2017/12/02

孤獨と風童   宮澤賢治

 
            一九二四、一一、二三、
 
シグナルの
赤いあかりもともつたし
そこらの雲もちらけてしまふ
プラツトフオームは
Yの字をした柱だの
犬の毛皮を着た農夫だの
けふもすつかり酸えてしまつた
 
東へ行くの?
白いみかげの胃の方かい
さう
では おいで
行きがけにねえ
向ふの
あの
ぼんやりとした葡萄いろのそらを通つて
大荒澤やあつちはひどい雪ですと
ぼくが云つたと云つとくれ
では
さやうなら
 
 
 

2017/03/06

小景異情   室生犀星




 小景異情

 

 

  その一

 

白魚はさびしや

そのくろき瞳はなんといふ

なんといふしほらしさぞよ

そとにひる餉(げ)をしたたむる

わがよそよそしさと

かなしさと

ききともなやな雀しば啼けり

 

 

  その二

 

ふるさとは遠きにありて思ふもの

そして悲しくうたふもの

よしや

うらぶれて異土の乞食(かたゐ)となるとても

歸るところにあるまじや

ひとり都のゆふぐれに

ふるさとおもひ淚ぐむ

そのこころもて

遠きみやこにかへらばや

遠きみやこにかへらばや

 

 

  その三

 

銀の時計をうしなへる

こころかなしや

ちよろちよろ川の橋の上

橋にもたれて泣いてをり

 

 

  その四

 

わが靈のなかより

綠もえいで

なにごとしなけれど

懺悔の淚せきあぐる

しづかに土を掘りいでて

ざんげの淚せきあぐる

 

 

  その五

 

なににこがれて書くうたぞ

一時にひらくうめすもも

すももの蒼さ身にあびて

田舍暮しのやすらかさ

けふも母ぢやに叱られて

すもものしたに身をよせぬ

 

 

  その六

 

あんずよ

花着け

地ぞ早やに輝やけ

あんずよ花着け

あんずよ燃えよ

ああ あんずよ花着け

 

 

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