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カテゴリー「肉体と心そして死」の1232件の記事

2018/11/28

芭蕉忌

本日2018年11月28日(陰暦では今日は10月21日) 
   元禄7年10月12日 
はグレゴリオ暦では 
   1694年11月28日 
である。
 
324年前の今日の午後四時頃、松尾芭蕉は亡くなった――
 
 
 芭蕉枯れて死ぬのはいつも他人也    唯至

 
 
 

2018/11/19

絶望

私は、後、唯一人だけ、村上昭夫の詩を全電子化するのだけを、楽しみにして生きてきた……しかし、遂に来たるTPPの発効によって、その切なる夢は無惨に潰えることとなった……これは実に私の今年の最後の最大最悪の事件となるのだ…………

2018/11/07

毎夜の訪れ

毎夜
草食動物のするかのように
記憶を反芻をし
四象限を想起して
そこに自分の過去をドットしては
それを丁寧に数える
自身の悔恨と怨念と
あらゆる出逢いと別れを
そうして
その数に等しい自分の心音を
左耳に聴きながら
たまさかの眠りに堕ち
午前二時半までに目覚める
これが最近の
私のルーティン…………

2018/11/02

「団三郎狢の子孫」よりメール着信

退屈な日常に埋没している人間たちに見放された私でも、愛しい妖怪たちは忘れずにいて呉れた。本朝、メールを開くと、中の一つに、昨日の逢魔が時に送られてきたメールがあった。開いてみると、最後に《団三郎狢の子孫より》とあったのだ!!! そこには、実に、今も生きておられる団三郎狢の末裔の方が(これは実はおちゃらけた比喩ではないのである。以下の本文を見られたい)、確かな今に残る私の愛する妖怪「団三郎狸」の情報を寄せて下さったのだ!


に緊急追記した。「真怪」からの真情報をとくと見られたい。

2018/10/28

帰還

アリス……もう、帰ろう――



2018/10/26

三女アリス一周忌

 
Alice  

    塚も動け我が泣く聲は秋の風   芭蕉

 
 

2018/09/25

けもの

森川義信は鮎川信夫に、加藤健という詩人の次の詩を示し、
   *
公園の熊の子は寂しい
二匹で相撲をとるのだ
そして
二匹ともころぶのだ
   *     
この詩をはじめて読んだ時、涙が出そうになった。わかるわからないは問題ではない、「どれだけ感じているかだ」と言い、「それは人の眼には見えない」と。(鮎川信夫「失われた街」(一九八二年美成社刊)より要約)
 
   *   *   *
 
東京へ着いてからは、すぐ同じ下宿に入りました。其時分は一つ室によく二人も三人も机を並べて寐起したものです。Kと私も二人で同じ間(ま)にゐました。山で生捕られた動物が、檻の中で抱き合ひながら、外を睨(にら)めるやうなものでしたらう。二人は東京と東京の人を畏れました。それでゐて六疊の間の中(なか)では、天下を睥睨(へいげい)するやうな事を云つてゐたのです。(夏目漱石「心」より)
 
   *   *   *
 
 私は何の分別もなくまた私の室に歸りました。さうして八疊の中をぐるぐる廻り始めました。私の頭は無意味でも當分さうして動いてゐろと私に命令するのです。私は何うかしなければならないと思ひました。同時にもう何うする事も出來ないのだと思ひました。座敷の中をぐるぐる廻らなければゐられなくなつたのです。檻の中へ入れられた熊の樣の態度で。私は時々奧へ行つて奥さんを起さうといふ氣になります。けれども女に此恐ろしい有樣を見せては惡いといふ心持がすぐ私を遮ります。奥さんは兎に角、御孃さんを驚ろかす事は、とても出來ないといふ強い意志が私を抑えつけます。私はまたぐるぐる廻り始めるのです。(夏目漱石「心」より)

2018/08/20

松の針   宮澤賢治

――今日送る友へ

 

   *

 

   松の針   宮澤賢治

 

  さつきのみぞれをとつてきた

  あのきれいな松のえだだよ

おお おまへはまるでとびつくやうに

そのみどりの葉にあつい頰をあてる

そんな植物性の靑い針のなかに

はげしく頰を刺させることは

むさぼるやうにさへすることは

どんなにわたくしたちをおどろかすことか

そんなにまでもおまへは林へ行きたかつたのだ

おまへがあんなにねつに燃され

あせやいたみでもだえてゐるとき

わたくしは日のてるとこでたのしくはたらいたり

ほかのひとのことをかんがへながら森をあるいてゐた

   ⦅ああいい さつぱりした

    まるで林のながさ來たよだ⦆

鳥のやうに栗鼠(りす)のやうに

おまへは林をしたつてゐた

どんなにわたくしがうらやましかつたらう

ああけふのうちにとほくへさらうとするいもうとよ

ほんたうにおまへはひとりでいかうとするか

わたくしにいつしよに行けとたのんでくれ

泣いてわたくしにさう言つてくれ

  おまへの頰の けれども

  なんといふけふのうつくしさよ

  わたくしは綠のかやのうへにも

  この新鮮な松のえだをおかう

  いまに雫もおちるだらうし

  そら

  さわやかな

     Turpentine(ターペンタイン)の匂もするだらう

 

   *

・( )はルビ。「Turpentine(ターペンタイン)」は油絵材として知られる、松脂(まつやに)を水蒸気蒸留して得られるテレピン油のこと。

2018/07/12

帝銀事件

私が20代の頃に出遇った老人は私の帝銀事件の推理を微笑しながら黙って聴いておられたが、最後に「君の推察は概ね正しい。……私が死んだら、私の手帖をあげましょう」と言った。そうして「あの事件だけは真実が語られなければいけない……」と呟いた――彼は敗戦前後の内務官僚であった…………

2018/06/06

「沖繩縣民 斯ク戰ヘリ   縣民ニ對シ 後世 特別ノ御高配ヲ 賜ランコトヲ」

 
七十三年前、昭和20(1945)年の今日、6月6日午後8時16分、沖縄戦に於いて沖縄海軍根拠地隊司令官太田実少将が海軍次官宛に対し、決別電報を打っている(全文はウィキの「大田実」で読める)。
 
決別電は、当時の訣別電報の常套句だった「天皇陛下万歳」「皇国ノ弥栄ヲ祈ル」などの言葉は一切なく、ひたすら、沖縄県民の敢闘の様子を訴えており、その最後は、
 
「沖繩縣民 斯ク戰ヘリ
  縣民ニ對シ 後世 特別ノ御高配ヲ 賜ランコトヲ」
 
で結ばれている(一部に字空けを施した)。
 
七十三年間、日本政府はただの一度もこれに応えていない――

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