フォト

The Picture of Dorian Gray

  • Sans Souci
    畢竟惨めなる自身の肖像

Alice's Adventures in Wonderland

  • ふぅむ♡
    僕の三女アリスのアルバム

氷國絶佳瀧篇

  • Gullfoss
    2008年8月9日~18日のアイスランド瀧紀行(2008年8月19日~21日のブログ「氷國絶佳」全11篇を参照されたい)

僕の視線の中のCaspar David Friedrich

  • 海辺の月の出(部分)
    1996年ドイツにて撮影

Exlibris Puer Eternus

  • 猫の眼月
    僕が立ち止まって振り向いた君のArt

Pierre Bonnard Histoires Naturelles

  • 樹々の一家   Une famille d'arbres
    Jules Renard “Histoires Naturelles”の全挿絵

Air de Tasmania

  • タスマニアの幸せなコバヤシチヨジ
    2007年12月23~30日 タスマニアにて (2008年1月1日及び2日のブログ「タスマニア紀行」全8篇を参照されたい)

SCULPTING IN TIME

  • 熊野波速玉大社牛王符
    写真帖とコレクションから

忘れ得ぬ人々:写真版

  • ポンペイのドイツ人
    ブログ・カテゴリの「忘れ得ぬ人々」の写真版

僕の見た三丁目の夕日

  • blog-2007-7-29
    遠き日の僕の絵日記から

HP増設コンテンツ一覧(2008年1月~)

無料ブログはココログ

カテゴリー「海岸動物」の22件の記事

2009/09/21

手ヲ食ハレル! (グロ注意!)

ノシャップ寒流水族館でドクター・フィッシュ!

このルー大柴的響きを伴ったキッチュな出逢いに乾杯!

Df1

Df2

食われている手は

はい、僕の手です!

 

○コイ目コイ科ラベオ亜科ガラ属ガラ・ルファGarra rufa

“Doctor fish”はガラ・ルファの通称で、何とこの名前は株式会社エコマネジメントの登録商標(!)である。トルコ南部・イラン・イラク・シリア北部・ヨルダン・レバノン周辺の西アジア地域の河川に分布。
全長10cm~14cm。自然界にあっては、幼魚は群れで生活するが、♂は成長すると縄張りを持つようになり、多少攻撃的な性質を帯びるようになる。通常は約20から25℃前後の水温を持つ河川や池沼に生息するが、37℃という高温域でも生息可能なため(普通の魚類は28℃が限界)、トルコなどでは温泉中にも見出せる(私も実際にトルコの保養地でセラピー用の温泉タブで実見した)。摂餌時には活発に動き回るが、普段は石などの上や岩陰に凝っとしていることが多い。雑食性で、珪藻・植物性プランクトン・動物性プランクトンを常食する。口吻部分が吸盤状になっており、岩石等に付着した藻類を舐め取るように摂餌したり、底性の微生物及び昆虫類の幼虫等のベントスを吸引する。卵生で水草や苔を産卵床として直径2~3㎜の卵を産む。孵化に要する期間は水温により異なるが、25℃前後の水温では概ね3~5日程で5㎜前後の稚魚に孵化する。寿命は約7年で、人の角質を舐め取る行動は警戒心の少ない生後2ヶ月から2年半程度迄と考えられる。近年、この習性が世界的に知られるようになり、アトピー性皮膚炎・乾癬等の皮膚病の治療効果が期待されて「ドクターフィッシュ」の通称で知られる。既にドイツでは本種による皮膚科治療に対して正式な医療行為として保険適用が認められてもいる。但し、ヒトの角質を食べる行動は高温の温泉水では餌となる生物があまり生息しないからと考えられており、通常の餌が豊富にある環境下ではこのような行動は殆んど見られないという(ということはノシャップ寒流水族館では飢えさせてるの?)。近年、日本でも皮膚病の治療効果が注目されており、一部の入浴施設等では「フィッシュ・セラピー」として、サービスが提供されており、温泉成分とは無関係に本邦の水道水の本種でもその皮膚治療効果があると、「ドクター・フィッシュ」を登録商標とする「株式会社エコマネジメント」のサイトの内には記載がある。

(以上はウィキペデイアの「ドクター・フィッシュ」及び「ドクター・フィッシュ」を登録商標とする「株式会社エコマネジメント」のサイトの記載を参照した)。

2009/08/09

礼文利尻手帳――ブログ記載2000件目

8月4日(火)
◎稚内。アイヌ語「ヤム(冷たき)ワッカ(水)ナイ(川)」。
○ノシャップ寒流水族館。拘縮しつつある右腕をドクター・フィッシュの餌食とす。其肌舐め触り、得も言はれぬ快感なること請け合ひ。ダンゴウオ。バイガイの隠者。零細なる経営・袋小路式順路、正しく寒流の名に相応し。されど我水族館訪問史にありては、思ひ出深し。
○ノシャップ(野寒布)岬。アイヌ語「ノッ(岬)サム(突き出でし)」。
○稚内港。北防波堤ドーム。極北のパルテノン神殿。
◎礼文。アイヌ語「レプン(沖なる)シリ(島)」。
○町は干物が臭ひに満てり。海岸線に張り付ける家々。各々の家屋は背後に山上へと向かふ道やら梯子やらを有するも、その先は悉く緑蕪に塞がれてゐたり。又雪崩防止が為、斜面各所に多数の突き出でたる柵有。恰も山への登攀を拒むに似たり。其が街の名を「香深」と言ふ。道標にローマ字有。“Kafuka”。――知れり。是、カフカの「城」也――
○Petie Hotel Korinsian(コリンシアン)泊。海近し。海上鏡面の如くにして潮騒の一転声無し、否、窓全開せるも開きたるを感ぜしめず。部屋の装飾、その無類の静謐、アイゼナッハのワルトブルグ城をちと思ひ出せし。昨年開鑿せるラドン温泉に入る。

8月5日(水)
○朝、散策。エゾタマキガイと思はるる多量の貝殻に埋め尽くされし海浜。屍骸の壮観。
○一日、Hotel Korinssian コンシェルジュ日沼景子女史の案内にて車にて礼文を回る。銭屋五兵衛碑。スコトン(須古頓)岬。「日本最北限の岬」「日本最北限のトイレ」のクレジット有。
○スカイ(澄海)岬。木彫師仁吉“nikichi”の店にてホオズキ他求む。ナマコ・ホヤの実物大彫刻有らば求めんに惜し。仁吉氏の飼ひし老犬「チャ」。スカイ(澄海)の字は余りにまんまなればこそ、アイヌ語にては他の意味ならん。
○高山植物培養センター(植物園)。レブンアツモリソウ見る。時期外れなれど客が為に冷蔵庫にて時期を錯誤させ園地に植ゑ込みて見せる也。可憐なる白色。今朝、一輪はカラス(推定)の悪戯せし故に散れるなりと。日高女史を知れる課長飯野氏の好意にて、奇形なればとて間引きせるレブンアツモリソウの剖検を特別に見学す。レブンアツモリソウの袋状をせる花中雄蕊雌蕊及び昆虫をば誘ひ込まんとする柔毛に至る迄具さに見る。総花序も撮影す。稀有の体験也。学校の子らに斯くなる試技を示し見せレブンアツモリソウへの本当の理解と保護の精神を促したしてふ飯野氏の言葉に心底打たれたり。
○漁協ウニ加工場。海洋生物を好む客也と日高女史言へば、漁労長、奥にウニの解剖図を取りに行かれ、厳かにウニを剖検す。綺麗に出だされし Aristotle's lantern を観察、生を食す(是は既に昨夜の夕食にて体験済)。親しく塩雲丹の製造法につきて質問するに、私的に昨日漬けた色悪きものの商品にならざるものの一夜漬けの塩雲丹、再び奥より出だし、下さる。一含み、我、生涯に於いて斯く美味なる雲丹を食ひたるは初めての事なり。又又稀有の体験。
○東海岸。岩礁に列臥しイナバウアーを演じたる天然の十数匹のワモンアザラシの群れ、目と鼻の先にて見る。飽きること無し。
○レブンウスユキソウ群生地に登る。見下ろす眼前に青き海とレブンウスユキソウ。其れ、稀有の取り合わせ(日高女史も曰、エーデルワイスを海と一緒に見らるるは世界中に此処のみとなり)。絶景。車中、礼文の地図北端に知床てふ地名を発見す。女史曰、アイヌ語でシレトコは地の果ての地てふ意なりと。合点せり。
○西海岸。桃台。地蔵岩。猫岩。桃台は桃の形をせる巨なる岩塊、地蔵岩は大いなる舟形光背の形せる海岸にそそり立つ岩。猫岩は耳を立てし猫の稍傾きて坐れる後姿なる海辺の岩也。香深のフェリー乗り場の旗振りで知られしユースホステル桃岩荘の近在也。飯野氏と言ひ漁労長と言ひ日沼女史と言ひ島人の誠意に触れし一日なり。礼文案内なれば日沼景子女史の右に出る者無し。
○Pesion Uniy(うーにー)泊。夜食事に出でし糠(ぬか)ホッケ佳。生ハムに匹敵せる味。夜、部屋から見下ろした植え込みに南洋の白きダチュラの花を見る。妻も認む。

8月6日(木)
○出しなに前栽見るも花無し。うーにーの女将にダチュラの花ならんと言ふも、あれはイタドリ、そんなお洒落な名前の花は聞いたことなしと言ふ。確かに昨夜の位置には大きなるイタドリの葉の黄ばみしがあるのみ。我と妻、幻のエンジェルズ・トランペットを見し乎。
○香深フェリータミナル前松岡支店にて、昨夜食せる糠ホッケ冷凍十本を配送依頼。
○香深港発。利尻鴛泊に近づきて遂に快晴。満を持して利尻富士の全容を拝す。ブロッケン山へ!
◎利尻。アイヌ語「リイ(高き)シリ(島)」。
○鴛泊港にて高山植物に詳しい元漁師富士ハイヤーの和島英樹氏の案内にて富士野園地から沓形へ。海岸線の隠れたる花園を見る。リシリヒナゲシ。昆布干場。養殖リシリコンブの柄部にヒドロ虫の付着せるを見る。今年は特にヒドロ虫付きて等級の下がる由、悩みの種也となり。
○Island Inn Rishiri(アイランド イン リシリ)泊。連泊。
○利尻島の駅「海藻の里・利尻」。世界で唯一の本格海藻押し花。バラやフキノトウの押し葉には驚愕せり。
○アイランド イン リシリの浴場、高濃度炭酸泉・海洋深層水とリシリコンブ(我も出汁となれる乎)・利尻山湧水の加熱水三種。夜、雲丹の土瓶蒸佳。レシピ聞くも企業秘密。同夜。快晴。満月美天。尖れる山並、さながらワルプルギュスの景。

8月7日(金)
○観光バスにて利尻一周。我等滞在中、鴛泊沓形間を都合5度通りしより、利尻島2回+1/4走破すに等し。
○ポンモシリ沼と見返園地にて利尻山頂を現はす。全く以て山頂を見ずして離島せる客もあるなるなれば、我等如何にも幸運の極み。アイヌ語「ポン(小さき)モシリ(島)」。
○利尻島郷土資料館。Ranald MacDonaldラナルド・マクドナルド。ペリーに先立つ5年前日本に憧れて来し24 歳のアメリカ人青年の物語。ヒグマの海を渡りて利尻に泳ぎ来たれる写真。彼の稚内北防波堤ドーム建設が為、消え去りし鴛泊がペシ岬の根の岩山の話。
○仙法師御崎公園。天然岩礁の生簀中にアザラシのワカメちゃんとコンブちゃん。昨日の和島氏の言を入れ、リシリコンブは漁協直売所にて買ふなり。
○同夕。快晴。オレンジの落日。同夜。快晴。昨夜に続き夜天美月。屋上にて、360度を望天、心無しか近き大きなるかな北斗、峨々たる利尻、見えぬ精霊、跳梁せるサバト。昼の浴場と同じく客無く貸切。
8月8日(土)
○島離れる船の汽笛にゐる(三十数年前の18の折の於小豆島旧句也)

2009/08/02

盗核という夢魔

先週、名古屋大学の山本義治「盗葉緑体により光合成する嚢舌目ウミウシ」(光合成研究 18 (2) 2008)を読み、大変、興味深く思ったことがある(私は同僚の生物教師が抜刷にしてくれた現物で読んだが、今日見たらネット上でもPDFファイルで読める)。

ここにはまず、緑色をしている囊舌目のウミウシ、クロミドリガイの近縁種であるElysia atroviridisを餌である緑藻ミルの一種Codium fragileと共に電子顕微鏡観察を行ったところ、本種のウミウシの細胞内に存在する共生体はラン藻ではなくミルの葉緑体と推定されたという記事が引用される。

これを「盗葉緑体」と呼称することとなった。

いや「盗む」のは葉緑体ばかりではない。

繊毛虫Mesodinium rubrum(又はMyrionecta rubraとも)の場合には核(及びその情報)も餌であるクリプト藻から盗むという現象が2006年に報告されている、というのである。

驚くべきことに前記のウミウシでは最長14ヶ月も盗んだ葉緑体を自身の体の中で維持し続け、そこから栄養を供給させているというのである。

その「3.どうやって葉緑体を取り込むのか?」で山本氏は、歯舌を用いて藻類の細胞に穴を穿ち、その細胞質を吸引するが、その際、『吸い取られた葉緑体は胃では消化されずに胃から繋がる中腸腺と呼ばれる消化吸収及び栄養輸送を担う網状組織に運ばれ、中腸腺の細胞内に取り込まれると言われている』とし、『取込みの過程については不明な点が多い。ちなみに、ウミウシの中には葉緑体とは別の物を「盗む」ものもいる。ミノウミウシ類(裸鰓目)の多くの種はイソギンチャクやヒドロ虫などが持つ刺胞(防御用の毒を蓄える膜構造物)を破裂させずそのままの形で中腸腺から刺胞囊細胞に運び、ウミウシの防御に役立てるという。』と記されている。

僕が以前「アオミノウミウシと僕は愛し逢っていたのだ」で書いた「盗刺胞」の問題だ。

私はここで、遅まきながら始めて「盗核」という現象を知った。
氏はこれらのウミウシが『藻類の核は取り込まれていないことはE. chroloticaを用いたサザン解析により確認されてはいるが、種によっては盗核が行われている可能性や、また何らかの形で藻類の核の情報がウミウシの細胞へ伝わっている可能性はあるかも知れない。』と述べておられる。

――そうか!? 盗核か!?

摂餌から中腸線から自己の背側部に至るまで、何ゆえにあの刺胞が射出されずにまんまとミノウミウシの武器となり得るのか――「僕はね、君を食べたウミウシじゃあ、ないんだ、僕は「君」だよ……という情報を盗み出した核情報を用いて、騙しているのではなかったか?

……面白いな……真夏の夜の夢は見果てない……

2009/05/29

Cnidaria 読み 発音

昨日、「Cnidaria 読み 発音」でいらっしゃった方へ。

ナイダリア(ナイデァリア)だと思います。“C”は発音しません。

因みに、一般の方のために、これはクラゲやサンゴを含む刺胞動物の学名です。

以下にウィキの英語版から引用しておきます。↓

Cnidaria (pronounced /naɪˈdɛəriə/ with a silent c)

2008/11/23

クビフリン・ソデフリン・シリフリン

目覚まし時計の秒針がチキ…チキ…いいながら動いていないのに4時頃気づく。

山に行くのに5時半には起きなくてはならぬ。

眠ることを断念する。

中途半端な時間である。

今日は山以外何もしないつもりだったが、昨日――僕ことキュビエ管を吐き尽す海鼠――の感じたことを書いておこう。

「ソデフリン」の次は「クビフリン」……か
食われるために発情させられる海鼠……
吐臓現象を見るより哀しいね……

まあ

「ドリー」のおぞましさよりは安心ですか、池内先生……

クビフリンとは何か? 
(綴りは“kubifrin”でいいのかな? 流石に世界中のどこにも引っかかってこないや)
2008/11/22付「西日本新聞」朝刊より引用する。

《引用開始》

ナマコ量産可能に 九大教授のグループ ホルモンで産卵誘発
2008年11月22日 00:12
 九州大学農学研究院の吉国通庸(みちやす)教授を代表とする研究グループは21日、マナマコの生殖行動を誘発する人工の神経ホルモン精製に成功したと発表した。中国で高級食材として乾燥ナマコの需要が拡大し、国産マナマコの輸出額が年々急増する中、資源の管理が課題となっていた。この神経ホルモンを使えば、低コストで安定した大量生産が可能という。
 研究グループによると、従来のマナマコ養殖は、温めた海水に漬けて紫外線に当て、自然な放卵を待つ方法だが、産卵の誘発効果は低く、大量のマナマコや大きな設備が必要だった。
 グループは、マナマコの神経組織から精巣や卵巣に働き掛けて生殖行動を誘発する神経ホルモンを抽出し、構造を解明。放卵・放精時に首を振るような行動をすることにちなんで、そのホルモンを「クビフリン」と名付け、化学合成に成功した。クビフリンを繁殖期のマナマコに一定の体内濃度まで注射すると、約1時間で精子や卵子を放出することを実証試験で確認したという。
 この方法を用いれば、従来はマナマコ3000‐4000匹を使って得ていた受精卵の量が十数匹で取得可能で、1匹当たりの注射コストも十数円の安価ですむ。
 貿易統計によると、乾燥ナマコの2007年輸出額は約167億円で、04年の3倍超。吉国教授は「受精卵の飼育に課題が残るものの、養殖は大幅に効率化できる」と話す。同大は12月、生産関係者を対象に技術講習会を開く。

《引用終わり》

ソデフリンとは何か? ついでにシリフリンも。
有尾両生類の研究家Dr. Grumman氏のサイトの「Dr. Grummanの最新情報」より引用させて戴く。ここにはソデフリンの塩基配列も掲げられている。素晴らしい!

《引用開始》

sodefrin(ソデフリン)

 今回、これまでいわれていたニホンイモリ(Cynops pyrrhogaster)の性フェロモンであるsodefrin(ソデフリン)の前駆体遺伝子が早稲田大学のIwata,T.らによって報告された。C. pyrrhogaster から1364 bp、189アミノ酸のsodefrin precursor (Gene Bank: AJ245955)、シリケンイモリ(C. ensicauda)からは1339 bp、192アミノ酸のsilefrin(シリフリン) (sodefrin-like) precursor (Gene Bank: AJ245956)が分離解析された。C. pyrrhogaster は千葉県産、またC. ensicauda は沖縄県産のC. ensicauda popei(オキナワシリケンイモリ)を用いた。このデーターをもとに筆者が行ったDNA解析ソフトでの解析結果は下に示す。前駆体のホモロジーは以外に低くDNAレベルで90%、アミノ酸レベルで81%。sodefrin は10個のアミノ酸からなるSIPSKDALLK で silefrin は SILSKDAQLK でホモロジーは80%である。それぞれはそれぞれの種にのみ特異的に作用するとしている。このソデフリンは脊椎動物で初めて単離されたペプチドフェロモンである。 最近まで亜種の関係とされていたこの2種においてもフェロモンはかなり分化していたことになる。これは下記に示したオーストラリア産のMagnificent tree frog(和名不明) (Litoria splendida)のオスから採られたsplendipherin と同様である。この遺伝子の解析でもしかしたらニホンイモリの地域個体群の差が現れるかもしれない。 ちなみにソデフリンは袖を振って相手を誘うという意味。これは「万葉集第一巻:茜(あかね)さす紫野行き」に出てくる額田王の作で「茜(あかね)さす紫野行き標野(しめの)行き野守(のもり)は見ずや君が袖振る」の中で額田王の前の夫である大海人皇子が袖を振っている様をたしなめている場面から採って「袖振りん」と命名された。つまりオスがメスに対してシッポを振って求愛している時に出すフェロモンである。シリフリンは「尻振りん」ではなく、最初のアミノ酸がSILで始まるため。

《引用終わり》

ちなみに、気が向く方は僕の「和漢三才圖會 卷第四十五 龍蛇部 龍類 蛇類」にある「蠑螈」(いもり)の注なども御笑覧あれ。そこでは以前に

『ちなみに平凡社1996年刊の千石正一他編集になる「日本動物大百科5 両生類・爬虫類・軟骨魚類」の「イモリ類」の項に♂の総排泄腔からの内側の毛様突起から放出される♀を誘惑するフェロモンについて記載し、『最近このフェロモンは、腹部肛門腺から分泌されるアミノ酸10個からなるイモリ独特のタンパク質であることがわかり、万葉集にある額田王(ぬかたのおおきみ)の歌「茜さす紫野行き標野行き野守は見づや君が袖振る」にちなんで、ソデフリンと名づけられた。』(記号の一部を私のページに合わせて換えた)とある。やっちゃったな~あって感じ「総排泄腔」「腹部肛門腺」からの分泌は額田王が如何にも顔を顰めそうな命名、ソデフリンsodefrin、でもこれは何でも脊椎動物で初めて単離されたペプチド・フェロモンなんだそうだ。』

てな感想を書いていた。

2008/02/15

誕生日の贈り物2

教え子の切り絵

海鼠の切り絵はもしかすると何処かにあるかもしれん

しかしこのキュヴィエ管を吐き出している海鼠の切り絵は世界に一枚しかないと確信する

感謝を込めて記念としますdog

Namako

(これは“Exlibris Puer Eternus”の“Cordyloceps aurum Yaburonsky,2007(冬虫夏草 被寄生種 Pedalternorotandomovens centoroculatus articulatus)”を描いた子と同一人物です)

2008/01/01

タスマニア紀行5《タスマニアで喰う》「タスマニア産カキ」

Img_0156_2 タスマニア紀行5《タスマニアのカキ》
五日目の昼食にオプショナルで生カキを食って火がついて以降、帰国するまでに幾つカキを食っただろうか(20個以上は有に食った)。日本のオイスター・バーで食ったのではやっぱりだめだ、採取から空輸の時間が微妙な生臭ささを生じていたのだと実感した。目の前のベイから揚がったタスマニア産のカキは小粒ながらクリーミーで実に旨い。しかしこれは日本から種苗を持ち込んだマガキCrassostrea gigasであろうと思われる。しかし、全くの別種がいた(今もいる)はずである。ガイドの中でアボリジニが「カキの取れる海」と呼称する湾があったと聞いた。さればこそ、そこで彼らが太古から採取していたのは、恐らく我々の知らない固有種であったのではないか。――されど養殖場所によってカキの味は驚くほど異なるのだ。このマガキもタスマニア固有の環境とプランクトンによって美事な文字通り「純正タスマニア産海のミルク」と冠して恥じないカキとなっている――

タスマニア紀行4《タスマニアで見る2》「海岸生物の宝庫ビシェノー」

Img_0105 タスマニア紀行4《タスマニアで見る2》「海岸生物の宝庫ビシェノー」
翌朝、僕はホテルの前の海岸を小一時間観察して歩いた。やはり人工のゴミが全くない。こんなに美しい海岸を見たのは、初めてだ。そうして磯・浜・干潟のすべての多様な生態系があり、かつ内湾と外洋に面したニ様の生態系を一山越えれば容易に観察できる。岩礁性海岸では、潮間帯と潮下帯の漸層域が殆んどなく、潮の下にはすぐ巨大なケルプ群が広がっている。潮間帯中間部から下部にかけてはフジツボの群落が優勢であるが、下部にはそのフジツボの群落の隙間を覆いつくすようにホヤ(ミヒャエルホヤPyura sacciformisに似ているがあれは韓国と日本それも南西諸島を除く海域に生息するとされるから別種であろう)が多数生息している。視認し触れられる磯で、これだけ広範囲に広がるホヤの群落を見たのは生まれて初めてだ。手で触れると明瞭に盛り上がった出水孔から、水を噴出す。その音がピュピュと聞こえる。直径50㎝程の擂鉢上のタイドプールは蟹の巣であった。石になって観察していると、イワガニ科Grapsidaeの一種と思われる十数㎝の蟹が底の方からわらわらと湧いてくる。ここでは一種のヒトデが極めて優勢で、腹側の形状からはイトマキヒトデ科Asterinidaeに近い種のように見受けられる。背側から見た時は同種の灰色のカラー・バリエーションに似ているのだが、腕数が7か8という日本ではまず見られない種であった。当然のことながら面白いのは、僕の観察したそれぞれのタイドプール内に生息する個体の腕数が7か8にほぼ統一されていることであった。そうしてゴッスである! 僕は永らくどこかで、ゴッスの描く「アクアリウム」や「イギリスのイソギンチャクとサンゴ」の博物画は、模式的に若しくはまさにアクアリウム的に人為集合された架空のものと思っていた。ところが、このビシュノーの海岸のほんの小さな岩の割れ目を覗いて見ると、そこには実にあの絵の世界がある! ウメボシイソギンチャクActinia equinaに極めて類似した巨大種(直径が15㎝を有に越える個体が長径が同長のカサガイが丸ごと捕食していた)優勢種であるが、他にミドリイソギンチャクAnthopleura fuscoviridisや白色・褐色系のウメボシイソギンチャクの仲間(色彩変異の多いコモチイソギンチャクCnidopus japonicsに似る)が所狭しとおしくらまんじゅうをしているのだ。砂浜で拾ったアマモ属の仲間Zosteraを手にしながら、僕は日本の豊かな自然海岸が持っていたであろうこのようなありのままの自然、そうしてそれが致命的に失われた事実を、どこか浦島太郎のような気持ちで考えていた――

何と、この魚介の宝庫にあってタスマニアの人々は、今まで海産物をほとんど食さなかったそうである。即ち、カキやイカ・タコの一部の海産物以外は殆んど一般的食事に供さない、ことは、通常、英語で固有種ムール貝(イガイ目イガイ科ムラサキイガイMytilus galloprovincialis)を言う“mussel”が、メニューでは何でもかんでも二枚貝を指してしまうということからも分かる。それは直ちに利用価値のない海洋生物に興味を持つ人々は少ないことの証しであり(オーストラリアでの殺人クラゲ・イルカンジ発見から事故防止の遅れの過程を見ても僕はそう感じる)、研究者が絶対的に少ない→海にゴミがない→誰もまだ調べていない未発見の生物種がゴマンといるということではあるまいか。

(写真はホテル“シルバーサンズ”の部屋からの夕景。左手に美しい半月上の浜、右手に巨大なベイの開口部へと向う砂岩の岩礁海岸が続いている。釣をしている人々はイカを狙っている。)

タスマニア紀行3《タスマニアで見る1》「ペンギンの帰還」

Img_0136タスマニア紀行3《タスマニアで見る1》「ペンギンの帰還」
人工物のゴミが殆んど全く見られない美しいフレシネ国立公園ワイングラスベイをハイキングした、その夜9:30、フェアリー・ペンギンEudyptula minorの帰巣行動を観察した。昼間、海に採餌に行っていた親達が陸に帰って来る(タスマニアのペンギンの95%は離島に生息しており、ここの彼等は、タスマニア本島を居住地とする希少な残り5%の個体群なのである)。僕はこの「ペンギンの帰還」(呼称としては「ペンギン・パレード」と称しているが、僕は断じてこの甘ったるいイベントとしての名を拒否したい。それは日々繰返される彼等の生死を賭けた生きざまなのである)を見るだけでも、このまさに南の果ての島へ来る価値があると感じた。エコ・ツーリズムという謂いも、そうお目出度く理想化するところに独善的な胡散臭い気がするが、ここでボランティアとして働く運転手も老ガイドも灯かり持ちのはにかんだ少年も――その誰もが皆「ペンギンの帰還」を確かに守っていると素直に感じられた。――そうして闇の中に照らされたいたいけな子ペンギンの切ない震えは、将に繁栄めいた絶滅的危機に瀕しつつある奢るホモ・サピエンスの痙攣に繋がっている――

(写真は観察用人口巣の中で親の帰りを待つ二匹のフェアリー・ペンギンの子)

2007/09/01

ナマコ分類表

寺島良安「和漢三才圖會 巻第五十一 魚類 江海無鱗魚」の海鼠(ナマコ)の注を鋭意製作中。さすがに私の好きなナマコだけに、マニアックに入れ込むのを抑えるのが至難の技だ。今日の午前中は、注の冒頭部、ナマコの分類でハマってしまった。まず、実はネット上の日本語ページに主要国産種のまとまった分類表がないことに気づいた。フライングだが、そのこだわり部分を抜粋する。我ながら、ちょっと気負った文章だね。でも好きだから、しゃあないんだ。

棘皮動物門 Echinodermataナマコ綱 Echinoidea。現在、6目に分類されるが、以下には、深海からの採取に限られる指手目Dactylochirotidaを除いた5目を挙げ、さらに阪急コミュニケーションズ2003年刊の本川達雄他著「ナマコガイドブック」に所載される科を列挙、同時に同書巻末にあるナマコ写真図鑑部分に所載する49種を漏れなく掲げた。これによって本邦産の嘱目可能な主要な種を学術的にほぼ完全に押さえられると信ずるからである。同書の内容を一覧化したに過ぎないが、それでも私のこの記載は、現在Web上に存在する最も新らしい知見に基づく国産主要ナマコ類の最新の学名付き分類表であると自負するものである。

樹手目Dendrochirotida
 ジイガゼキンコ科Psolidae
   ジイガゼキンコPsolus squamatus
 グミモドキ科Phyllophoridae
   ハマキナマコPhyrella fragilis
 スクレロダクティラ科Sclerodactylidae
   イシコEupentacta chromhjelmi
   ムラサキグミモドキAfrocucumis africana
 キンコ科Cucumariinae
   キンコCucumaria frondosa var. japonica
   グミPseudocunus echinatus
楯手目Aspidochchrotida
 クロナマコ科Holothuriidae
   クリイロナマコActinopyga mauritiana
   トゲクリイロナマコActinopyga echinites
   オオクリイロナマコActinopyga sp.
   クロエリナマコPersonothuria graeffei
   フタスジナマコBohadschia bivittata
   チズナマコBohadschia vitiensis
   ジャノメナマコBohadschia argus
   ニセジャノメナマコBohadschia sp.
   クロナマコHolothuria (Halodeima) atra
   アカミシキリHolothuria (Halodeima) edulis
   チビナマコHolothuria (Platyperona) difficilis
   イソナマコHolothuria (Lessonothuria) pardalis
   クロホシアカナマコHolothuria (Semperothuria) cinerascens
   テツイロナマコHolothuria (Selenkothuria) moebii
   リュウキュウフジナマコHolothuria (Thymiosycia) hilla
   ミナミフジナマコHolothuria (Thymiosycia) arenicola
   イサミナマコHolothuria (Thymiosycia) impatiens
   フジナマコHolothuria(Thymiosycia) decorata
   トラフナマコHolothuria (Mertensiothuria) pervicax
   ニセトラフナマコHolothuria (Mertensiothuria) fuscocinerea
   ニセクロナマコHolothuria (Mertensiothuria) leucospilpta
   モグラナマコHolothuria (Mertensiothuria) sp.
   ハネジナマコHolothuria (Metriatyla) scabra
   イシナマコHolothuria (Microthele) nobilis
 シカクナマコ科Stichopodidae
   バイカナマコThelenota ananas
   アデヤカバイカナマコThelenota anax
   オキナマコParastichopus nigripunctatus
   シカクナマコStichopus chloronotus
   オニイボナマコStichopus horrens
   ムチイボナマコStichopus pseudhorrens
   アカオニナマコStichopus ohshimae
   ヨコスジオオナマコStichopus hermanni
   タマナマコStichopus variegatus
   マナマコApostichopus japonicus
 ミツマタナマコ科Synalloctdae
   ゴマフソコナマコBatyplotes moseleyi
板足目Elasipodida
 カンテンナマコ科loetomogonidae
   ヒメカンテンナマコLaetomogone maculata
隠足目Molpadida
 カウディナ科Caudinidae
   シロナマコParacaudina chilensis
無足目Apodida
 イカリナマコ科Synaptidae
   クレナイオオイカリナマコOpheodesoma (?) sp.
   オオイカリナマコSynapta maculata
   トゲオオイカリナマコEuapta godeffroyi
 クルマナマコ科Chiridotidae
   ミナミクルマナマコChiridata sp.
   ムラサキクルマナマコPolycheira fusca
   ヒモイカリナマコPatinapta ooplax