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カテゴリー「夏目漱石「こゝろ」」の199件の記事

2015/09/08

私は是で大變執念深い男なんだから……

……君には何う見えるか知らないが、私は是で大變執念深い男なんだから。人から受けた屈辱や損害は、十年立つても二十年立つても忘れやしないんだから……
 
(漱石「こゝろ」より)

2014/08/15

私の小説「こゝろ佚文」PDF版

私の小説「こゝろ佚文」PDF版をサイト・トップに公開した。例によって正字の一部(狀・噓・摑など)が横転するため、已む得ず新字に直した。悪しからず。

2014/08/11

「こゝろ」の「先生」の家の間取り

『東京朝日新聞』大正3(1914)年5月5日(火曜日)掲載 夏目漱石作「心」「先生の遺書」第十六回で注したものだけど、これはしょぼい。夫婦の寝室を忘れとるわ……

Seiseinouti

「こゝろ」の「先生」の高等下宿の間取り

『東京朝日新聞』大正3(1914)年6月27日(土曜日)掲載 夏目漱石作「心」「先生の遺書」第六十五回のシンクロニティで僕が載せたもの――


Gesyuku

「こゝろ」の最終回は今日

『東京朝日新聞』大正3(1914)年8月11日(火曜日)掲載 夏目漱石作「心」「先生の遺書」第百十回

4年前の僕のブログの電子化テクスト――こんな暑い最中に人々はあの「こゝろ」の最終回に邂逅したのだった――

2014/05/15

朝日新聞の「こゝろ」(「心」)の復刻掲載について

今日は「先生の遺書」(十九)――Kの「變死」が「靜」から「私」に告げられる大事なシーン――

だが……
僕は少々失望しているのだ。……
何故か?――

今回の再連載は当時の連載と同じと名打っているが、実は土日には掲載していないために、既にしてタイム・ラグが生じているからである。例えば今日のそれは、大正3(1914)年5月8日分であって、既ににして致命的に、一週間もの差が生じてしまっているのである。――

僕が2010年にこのブログで同じように連載を試みた時のその最大の核心は、当時の人々が「心」をアップ・トゥ・デイトに、どのような季節や時間やの中で読んだか、それこそが大切だと心得ていた。――
僕はそれを最後まで守った。――

しかし乍ら――一つ、素晴らしいことは――ある。――

それはデジタル版で夏目漱石「こころ」連載当時の掲載紙面全部を読むことが出来る点である(リンク先は「朝日新聞デジタル」の会員登録をしないと見ることは出来ないので注意されたい。無料登録も可能で僕もそれである)。

そこではまさに、記事や広告によって当時当日の世俗が体感出来るからである。今日の同紙面には「米國で低能移民に課する試件驗 人種改良學の影響」という驚くべき記事がすぐ脇に載っているのだ。

是非、ご覧あれ。

2013/06/18

教え子のノート

先週の土曜、横浜緑ヶ丘時代の最後の担任だった8年前の教え子のI君とO君二人と快飲した。O君がやおらカバンから取り出したのは……僕の現代文の授業のノートだった。そこには既に僕は野人になるに際して、すべて廃棄してしまった「山月記」や「こゝろ」が、プリントも含め、しかも僕が口頭で述べた脱線に至るまで書かれてあった……思わず僕はうるうるとなったことを告白しておく……

2013/02/23

Kはどんな所で何んな心持がして、爪繰る手を留めたでせう

僕には、ことあるごとに思い出す、「こゝろ」の先生の述懐がある。何故、ここなのか、実は僕自身よく分からない――先生が「其意味は私には解りません」と呟くように……



 最初の夏休みにKは國へ歸りませんでした。駒込のある寺の一間を借りて勉強するのだと云つてゐました。私が歸つて來たのは九月上旬でしたが、彼は果して大觀音(おほかんのん)の傍(そば)の汚ない寺の中に閉ぢ籠つてゐました。彼の座敷は本堂(ほんたう)のすぐ傍の狹い室でしたが、彼は其處で自分の思ふ通りに勉強が出來たのを喜こんでゐるらしく見えました。私は其時彼の生活の段々坊さんらしくなつて行くのを認めたやうに思ひます。彼は手頸に珠數を懸けてゐました。私がそれは何のためだと尋ねたら、彼は親指で一つ二つと勘定する眞似をして見せました。彼は斯うして日に何遍も珠數(じゆず)の輪を勘定するらしかつたのです。たゞし其意味は私には解りません。圓い輪になつてゐるものを一粒づゝ數へて行けば、何處迄數へて行つても終局はありません。Kはどんな所で何んな心持がして、爪繰(つまぐ)る手を留(と)めたでせう。詰らない事ですが、私はよくそれを思ふのです。

(引用は僕の電子テクストより)

2012/11/03

また九月に

 「また九月に」と先生がいつた。
 私は挨拶をして格子の外へ足を踏み出した。玄關と門の間にあるこんもりした木犀の一株が、私の行手を塞ぐやうに、夜陰のうちに枝を張つてゐた。私は二三歩動き出しながら、黑ずんだ葉に被はれてゐる其梢を見て、來るべき秋の花と香を想ひ浮べた。私は先生の宅と此木犀とを、以前から心のうちで、離す事の出來ないものゝやうに、一所に記憶してゐた。私が偶然其樹の前に立つて、再びこの宅の玄關を跨ぐべき次の秋に思を馳せた時、今迄格子の間から射してゐた玄關の電燈がふつと消えた。先生夫婦はそれぎり奧へ這入たらしかつた。私は一人暗い表へ出た。

2012/10/22

「何つちが先へ死ぬだらう」

 「何つちが先へ死ぬだらう」

 私は其晩先生と奧さんの間に起つた疑問をひとり口の内(うち)で繰り返して見た。さうして此疑問には誰(たれ)も自信をもつて答へる事が出來ないのだと思つた。然し何方が先へ死ぬと判然(はつきり)分つてゐたならば、先生は何うするだらう。奧さんは何うするだらう。先生も奧さんも、今のやうな態度でゐるより外に仕方がないだらうと思つた。(死に近づきつゝある父を國元に控へながら、此私が何うする事も出來ないやうに)。私は人間を果敢(はか)ないものに觀じた。人間の何うする事も出來ない持つて生れた輕薄を、果敢ないものに觀じた。

(夏目漱石「こゝろ」より)



僕は必ずふと繰り返し繰り返しこの「学生」の「私(わたくし)」の、紛れもない突きつけられた人間というものの宿命としての真理を思い出すのです――

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