定本芝不器男句集
「やぶちゃんの電子テクスト集」に、やはり夭折の俳人、芝不器男の「定本芝不器男句集」をアップした。底本を表示しなかったのは、単に失念したからで、昭森社版のそれは所持していないので、恐らく図書館で角川書店だったかの現代俳句全集を借りて、タイプしたものと思う。彼を知ったのは、梅崎春生の小説「狂い凧」の題名となった、「うまや路(ぢ)や松のはろかに狂ひ凧」からという超搦め手であるが、独特の視点消失に、未完成ながら夢幻的な映像世界がある。恥らえる幽かなエロチシズムの香りも、蒼いが故に、素敵だ。
紅葉山の忽然生みし童女かな
夜長さを衝きあたり消えし婢(をんな)かな
向日葵の蕋を見るとき海消えし
まぼろしの國映(うつ)ろへり石鹸玉
泳ぎ女の葛隠るまで羞ぢらひぬ
26歳、真の夭折、真のプエル・エテルヌス、真の少年の悲哀。
→プエル・エテルヌスに相応しい、芝不器男の肖像を見る。
『「愛媛の偉人・賢人」芝不器男』
http://joho.ehime-iinet.or.jp/syogai/jinbutu/html/067.htm
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