七月の 朝の 尾形亀之助
七月の 朝の 尾形亀之助
あまりよく晴れてゐない
七月の 朝の
ぼんやりとした負け惜みが
ひとしきり私の書斎を通つて行きました
――後
先の尖がつた鉛筆のシンが
私をつかまへて離さなかつた
(電話)
「モシモシ――あなたは尾形亀之助さんですか」
「いいえ ちがひます」
(「色ガラスの街」)
*
僕は独身の頃、家に帰ると電話のジャックを抜くのを常としていた。あの頃、僕の家は永遠に留守だった――
« 画像削除予告 | トップページ | 夜の花をもつ少女と私 尾形亀之助 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント