レーザー砲更に一本装着
レントゲンを撮ったら、尺骨と橈骨が骨折時の時と同じく、6ミリもズレてしまっていた。職場で机上の邪魔な本を片付けていて、ロッカーにイヤというほど固定器をぶつけたからかとも思ったが、しかし固定器のボルトは緩んでいなかったので違うらしい。整形は原因よりも実行だ。徒手整復でグキグキと引っ張られるわ(腋下麻酔をかけてやる等というので、麻酔嫌いの僕は「ウッツ!」という嗚咽を飲み込んで我慢した)、打ち込んだボルトからは出血するわ、挙句の果て、「棒をもう一本付けます」と来た。例の写真を見てもらうと、向こう側に飛び出たそれぞれのステージボルトが見えるが、あれが全く鏡返しで親指側にもニョッキリ突き出て、もう一本同なじ固定棒が、あれよあれよと言う間に、即、着いちゃったのである。#の反転型、古い特撮好きなら「キャプテンウルトラ」のシュピーゲル号の形みたいだ。くっつけるのをボーっと見ながら、内心暗澹となったのは、ホテルのレストランで食事をするのにワイシャツはどうやって着るんだ? であった。
「明日からスイスに行くのですが、大丈夫でしょうか」
「全然問題ないです。でも、100円ショップででも、これを買って下さい」
これからそれを買いに行く。薬も何もない、僕の旅行中の唯一の大事なものなのだ。それは、固定器の12個のボルトを締め上げるための5ミリのスパナ一本だ。
言っただろ、大工仕事だって。大工道具は、金輪際、買わない。
ちなみに、何だかんだで治療に2時間半かかって、会計を待っていると、支払いを終わった見ず知らずのご婦人が声を掛けてきた。処置の関係上、固定器を隠していなかった。
「創外固定ですか? 宅の主人も足をやりまして。でも、すっかり良くなりましたよ。2年かかりましたが。頑張って下さいね。」
マダム、励ましのお言葉ありがとう、笑顔で見送った。でも、「2年かかりました」は、正直、聞きたくなかったな。
さて、バンデル星人(「キャプテンウルトラ」の不細工な宇宙人)だろうが、バルタン星人だろうが、何でもかかってこい! 当方委細面談、超小型高性能炸薬2個と難腐食性金属槍+2連装レーザー砲完備!
***
参考までに、この創外固定器は Ilizarov external fixator と言う。イリザロフ先生のページはぶっ飛ぶぞ。トップページから全身骨格が全身に固定器を装着して歩いてる! 一見の価値あり。
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