「詩一篇」 伊東靜雄
詩一篇 伊東靜雄
危く、うつくしい方よ、あなたが出會つたひとは、終焉をいそいでゐたのです。
あのひとは死を通じてあなたを呼び、あなたは、喪ふために近づかれたのです。
そこであのひとはつか/\と死の中に、あなたの目の前で歩み入られた。
すべて美しいものの、それが運命です。 青春の意味なのです。
美しい、ひややかな方よ。あなたは引返しも、降りられもしないところで、
殘るでせう。 そして御自分のことで涙をお流しになることはなくなるでせう。
また、よしこのさき幸福と怡悦のなかに居られる時のあるにしても、
あなたのふかくなつたお瞳は、それを得信じないでせう。
*
「伊東靜雄拾遺詩篇」残り十五篇。削除した傍から、この詩、打ち込みながら、痛く気に入ったので、挙げておく。原文からうるさいルビを全て排除した。ルビは「また、よしこのさき幸福(しあわせ)と怡悦(よろこび)のなかに居(を)られる時のあるにしても、/あなたのふかくなつたお瞳(め)は、それを得(え)信じないでせう。」だけでよい。
これで今日の楽しみは尽きた。
« 乗り遅れた蓮で蜂に刺される | トップページ | 自動生成システム離脱 »
この記事へのコメントは終了しました。


コメント