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2005/11/14

アン・サリー

教え子の紹介記事読んで、ぴぴっと、まさにぴぴっときたんだ。霊感だ。ありったけ買おうと意気込んで、レコードショップ(僕の世代はどうしてもCDショップと言えない)に駆け込んだが、二枚しかなかった。“day dream”“Brand-New Orieans”。アルバムとしては、前者は僕にはやや喰い足りないが、二枚を通して聴くと、まずその安定していながら、少しも気色ばまない歌いっぷりが、素敵に奇妙な「喉越し」がいい。この「手触り」は何、何だろう、勿論本場のブルース歌手の底から突き上げるスピリッツの声ではない、邦人の無意識の背伸びをしようとした声でもない、それは、彼女が韓国人で、英語を歌い慣れ、そこから生じる妙な日本語の訛りのニュアンスがあるからか、裏返りそうで裏返る寸前の琴線でバランスをとる、ビブラートがかっているのかなと思わせて、すっと抜けるコーダ、いや、これはまさに、彼女だけのもの、彼女の天性の「天声」だ。初めてサイダーを飲んだ少年の日の記憶、ぶるっと慄くっとする、けれどその、すがしさ。右腕が不自由で、めったに持ち込んだことがない家での、下劣極まりない仕事をこなしながら、(「ながら」なんて、このジャケットの彼女の横顔に恥ずかしくなるぜ、まったく!)ずっとリピートで流している「胸の振子」に、図らずも涙しそうになった僕を、僕は見出した。アン・サリー……やさしき、その名……

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