芥川龍之介「藪の中」/指夢
申し立てた通り、芥川龍之介「藪の中」(旧字旧仮名)を「やぶちゃんの電子テクスト:小説篇」にアップ。
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昨日の夢:
或る女が僕にこれを握っていなさいと言う。
それはその女性の、差し出された右手の、人差し指と中指なのだ。
僕は、最後の望みのように、不自由な右手でその二本の指を握るのだが……
気づくと、彼女は、笑いながら遠く去ってゆく……振り返る笑顔が見える……
はっと見た僕の掌の中には、「生きた」二つの指が、なまめかしくずっと蠢き続けているのだった……
注:僕の右手の深刻な拘縮は、主に人差し指と中指にある。