堀辰雄 淨瑠璃寺の春
冒頭の堀辰雄「淨瑠璃寺の春」について、教え子から質問を受けた。この印象的な末尾にはいつも涙するだけに、嬉しい質問だ。これは彼の「大和路・信濃路」の一節である(その注記を冒頭では落としたのがいけなかったかな)。全文は、青空文庫で読める(但し、新字新仮名である。ちなみに僕は定本全集を持っておらず、実は引用は、新字新仮名の新潮文庫本の叙述をかってに正字正仮名にしたもので、恣意的に「ぼおっ」を「ぼう」のするなど、原作通りではないと思う)。是非、「淨瑠璃寺の春」だけでも読まれんことを。ちなみに、これは戦中文学の数少ない収穫の一つと思う。
そうして、行ってご覧なさい、淨瑠璃寺へ。出来れば、彼女と。そこには、今も馬酔木の花が、主人公達が見たのと同じように、咲いているのです……。
青空文庫 堀辰雄 淨瑠璃寺の春
新字新仮名はというのは本作にはそぐわぬ……いつか必ず……