芥川龍之介 齒車
「やぶちゃんの電子テクスト集:小説・随筆篇」に芥川龍之介「齒車」を正字正仮名版、若干の注釈を付して公開した。結局、今日一日、それに費やした。僕は、一貫して、誰かが既に公開しているものと同じものを馬鹿げた自己満足として打ち込むつもりは毛頭ない。だから正字正仮名と名打ち、浅学を承知で注釈も付けたと宣ずるわけだが、その実、正直な動機は、暫らく前から、念頭にこびり付いて離れない、末尾の
「誰か僕の眠つてゐるうちにそつと絞め殺してくれるものはないか?」
というキザな台詞への、素直な耽溺の結果以外の、理由は、ない、自白しておく。