三木清「旅について」授業ノート
三木清「旅について」の、僕のオリジナル授業ノートを「やぶちゃんの電子テクスト:小説・随筆篇」からリンク。
僕は過去27年間の内、二つの教材だけ、横書で板書をしたことがある。一つは、完全なオリジナル教材で、池内了の人クローン絡みの評論四篇を3年理系でやった時だ。遺伝学のセントラル・ドグマを中心に、かなり専門的な生物学の内容を扱った。
もう一つは、この「旅について」だった。最初は確か、17年前のやはり3年の理系クラスで、論理式を使って整然と解析してみるのも面白いと思ったのだった。教材自体は、古くは確か明治書院の教科書に所載していたものだったが、授業ノートの内容は、全くのオリジナルである。タルコフスキーの評論等を書き散らしていた頃で、ノスタルジアの語源と意味の脱線は、僕にとっては小気味良いものだった。懐かしんでもらえるかな。
三木は御承知のように、敗戦を知りながら、獄中で独り病没した。しかし、彼の眼は澄んでいたに違いない。彼は彼の人生を自立的に旅したのだ。