芥川龍之介 魔術
芥川龍之介の「魔術」を公開。
小学校一年生の梅雨時、体育の授業の自習、木造校舎に陰気にこもる、ざあざあという雨音の中、上級生の憧れのお姉さんたちが、紙芝居を持って来てくれて、読んでくれたものだ。プロの紙芝居の絵師が描いた、おどろおどろしいタッチの絵で、僕は、四十三年も経った今以て、その綺麗なお姉さん二人の顔と対照的な、金貨をばら撒く主人公の怪人二十面相のような慄とする相貌を覚えている。それは勿論、この「魔術」だったのだ。
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明日と明後日は湯治に出かけるので、更新はお休み。後遺症を残しながら、今月限りで、病院のリハビリからは見放される。しかし、通院は、魂に於いて、「危険がアブナイ」日常でもある。