芥川龍之介 O君の新秋
芥川龍之介が盟友、小穴隆一のために書いた小品「O君の新秋」を、正字正仮名で「やぶちゃんの電子テクスト:小説・随筆篇」に公開。
僕はともかく、小穴隆一の句を載せたかったのだ。
芥川龍之介は『改造』の大正十四年九月号の発句集「鄰の笛」に、自身の句と共に、小穴隆一(一游亭)の句の掲載にこだわった(詳細は「やぶちゃん版芥川龍之介句集 続 書簡俳句」の大正十四年七月付一三四八書簡以下の「*俳句関連」の注を参照されたい)。
その後記で、芥川は
「小穴君のは五十句とも始めて活字になつたものばかりである。六年間の僕等の片手間仕事は畢竟これだけに盡きてゐると言つても好い。即ち「改造」の誌面を借り、一まづ決算をして見た所以である。」
と述べている。小穴隆一のこの五十句は出来れば、「やぶちゃん版芥川龍之介句集」の「鄰の笛」の後に、並べてあげたかった。芥川のために。しかし、小穴の著作権は存続している。涙を呑んだ。
せめて、芥川の友情の小品にかこつけて、小穴の句を掲げたかったのである。
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