芥川龍之介 闇中問答/十本の針
芥川龍之介の最晩年の著作である「闇中問答」及び「十本の針」を正字正仮名で「やぶちゃんの電子テクスト:小説・随筆篇」に公開。どちらも、昭和二(1927)年九月発行の雑誌『文藝春秋』九月号(芥川龍之介追悼号)に掲載された。底本全集後記では、同号の編集後記には「今月號に載せた「十本の針」は死直前のもの。「闇中問答」は昨年末若しくは今年初のものだらう。いづれも、彼の死を頭に入れて讀むと、擴されたる遺書と云ふべき、大切な文献であらう。」とある、と記載する。なお、小穴隆一の「二つの繪」には、「或阿呆の一生」が当初は小穴への遺書的作品として渡されるものであったように、この「闇中問答」も葛巻義敏氏に与えられていたという記述が現れる。