電子手帳との訣別
20年近く、電子手帳を愛用してきた。もう4機種めだった。バッテリーのウラ蓋を紛失して、作動しなくなった。新しいのを買い求めようとして、店に行った。携帯電話とモバイルの天下だ。5年も経ったら、すっかり進歩した。安くなった。しかし、パソコンも4台あり、加えて老眼と精神のアナログの僕には、最早、手帳としては使わない機能が余りに多すぎると感じた。潔く、訣別することにした。手書きの手帳を買った。土台、入れていた情報の10%も使っていなかった。所詮、僕にとってはファッションに過ぎなかったのだなと腑に落ちた。リハビリのためにも、自身にふさわしいアナログに戻ることにした。有象無象のアドレスもきれいさっぱり。ゼロから始めよう。さしあたり、暗い僕は、好きな作家とミュージシャンの命日を書き入れることから始めたのだった。