ART SHOT 扉に羽音――瀧口修造
「ART SHOT 扉に羽音――瀧口修造」をトップに追加。父を認めてくれ、父が私淑する唯一の日本のシュールレアリスト、恐らく近代日本美術史の中で驚天動地の、「美術評論家による美術作品」のその第一回の個展で、父が買ったものだ。父は、当時の安給料のあらかたを払ってしまった。僕は、まだ5歳で、結核性カリエスの真っ最中だった。母は、途方に暮れた。しかし、僕は、この作品が大好きだ。僕にとって、瀧口修造が「瀧口さん」という親しい存在であるのは、父のお蔭であると思っている。前衛芸術の教祖として崇めない分、僕は生身の人として彼を、愛しうる。