芥川龍之介 沼地 + Marcel Duchamp “Pharmacie”
芥川龍之介の電子テクスト「沼地」(ブログ 2005/11/05)に、念願であったデュシャンの「薬局」を挿入した。「薬局」は修正レディ・メイドで、絵葉書にデュシャンが画材屋で買った冬の風景画に赤と緑の点を加筆、サインしたものである。
私は汽車の中でそれを描きました。薄暗い、たそがれ時で。私はルーアンに向かっていたのです。1914年の1月でした。風景の奥の方に、二つの小さな光を見ることができます。赤と緑を置くことによって、薬局に似てきたのです。そういうのが私の考える気晴らしです。――デュシャン 1966年
[1999年筑摩書房刊 マルセル・デュシャン+ピエール・カバンヌ 岩佐鉄男・小林康夫訳「デュシャンは語る」より]