日本沈没後の日本及び日本人について
リメイクの「日本沈没」の宣伝番組を気を入れることもなくぼーっと見ていた。しかし、そこで、日本沈没後の日本人は、どう日本人として生きてゆくのだろうという思いが、僕の中に、沸々と湧き上がってきた。
かつてのユダヤ人の如く、彷徨える民として国外に分散するが、それぞれのコミュニティに順応すること、いや速やかであるであろう。
しかし、その時、「日本人」、いや「日本」というアイデンティティを「我々」どう片付けてゆくのであろう。国土なき「愛国心」、民族ならざる「日本人」(人類学的に日本民族と言う厳密な純系的統合的概念は、僕は存在しないと考えている)……「愛国心」や「日本人」という概念が、今現在、どうなっているかを見渡す時、僕は「沈没」よりも、「沈没後」こそ、「我々」の深刻な現在の問題を考えるよすがになるのではなかろうかとも思うのであった。