夏の一冊「シャーロック・ホームズの宇宙戦争」
今夏、名古屋行きの夕刻の電車で読み始め、途中、義理の父と小泉の靖国参拝で大激論のハプニングを経て(義父は一昨年叙勲を受けている)、泥酔し、翌朝から一日ごろごろしつつ夕刻に読み終わるという、僕としては久し振りの実読8時間弱の速攻で、かつ、骨折以来、まさに骨折を忘れて能天気に夢中になって読んだ稀有の一冊が、これ。1980年初版発行。
マンリー・W・ウェルマン&ウェイド・ウェルマン作「「シャーロック・ホームズの宇宙戦争」(東京創元社 創元SF文庫 深町眞理子訳)
あの「宇宙戦争」の真の立役者は、知る人ぞ知るあの人たち……だったのです……シャーロキアンでウェルズ・フリークだったら、僕の倍は楽しめる(残念なことに僕は後者であるが、前者ではない)。主人公は、ホームズと「失われた世界」のチャレンジャー教授、ワトスンは第三部の記載者としてやっと登場。モース・ハドスンからフェルプス卿、モラン大佐の息子まで出てくる。第一部の題名は「水晶の卵」!……そうだったんだ、あの買って行った怪しい人物って! ホームズ・シリーズの「外典」として読むに、決して引けはとらないと思う。ハドスン夫人の真実は……エンディングは……人類の未来をも推理し得る、ホームズの勝利だ!? お蔭で、少しだけ人類は生き伸びれた……でも、少しだけね……。