南方熊楠電子テクスト・プロジェクト
旅に触発させられて、南方熊楠の電子テクスト・プロジェクトを始動させる。底本としては、僕は平凡社版の全集版を所持せず、選集版や河出文庫版南方熊楠コレクションに甘んずるしかない。これは新字新仮名であるが、小説や詩と違って、熊楠の「知」を自在縦横に渉ってゆく博物学的な評論については、僕自身は、何故か正字正仮名への拘りを余り感じていない。というより、彼の文章が正字正仮名だとかなり読みにくくなるであろうと思われる。今回のコンセプトとしては、新字新仮名でゆくこととする。
今朝から手始めに、八咫烏牛王宝印に因んで「牛王の名義と烏の俗信」にとりかかったのだが、これが中々に、手強いということに気づいた。多用される稀用漢字は、OCRが全くついてゆけない。加えて熊楠は、欧文文献の引用をこまめに文中に挿入するのだが、OCRの縦書き読み取りでは横書のこの部分はほとんど怪人熊楠並に文字化けを起してしまい、すべて手打ちで打ち直すはめになる。老眼の僕にはなかなかきつい仕儀だ。今日は、結局のところ、半分の校正しか出来なかった。明日にはアップしたい。
しかし、これでまた、少し生きられる。