梶井基次郎遺稿小説集(続々)
『梶井基次郎遺稿小説集』として「雲」「籔熊亭」の二篇を正字正仮名で「やぶちゃんの電子テクスト:小説・評論・随筆篇」に公開した。ココログのメンテナンス中に三編を追加している。以下にそれも含めて表題を掲げる。
「海」
「藥」
「交尾」
「雲」
「籔熊亭」
残すところ、「温泉」一篇のみである。
オリジナリティを殊更に標榜する気持ちは更々ないが、資料を虚心に見ても、これがまともな仕事かと、素敵に腹が立ってきて、僕なら、こうはしない、という思いがいや増して、勢い、注釈と恣意的なテクスト操作をせずにはいられない。誰とは言わぬ。今や、小説家として誰も君の作品など読まぬにしても、せめて後人に自身の友の光輝の血肉を伝へんと志すならば、もっと出版社をビビらせるに足る迂遠な校訂をせよ。その覚悟がないのなら、全集の編者など、引き受けるな、と僕は言いたい。