やりたいことがいっぱいあるのに
芥川龍之介をモデルにした田中純の「二本のステッキ」を入手し、そこから例の芥川龍之介の幻の作品「佐野さん」へのある核心を捉えた推察が出来たし(「二本のステッキ」、思った通りこいつは大変に産まれてこないはずの架空の奇形児を孕んだ作品である)、「和漢三才圖會」も入れ込んで、今の倍のテクストは出来たし(注のテンションは揚がりっ放しで、久々に「新編国歌大観」まで繰ったぜ)、西尾正の新しい全集的な著作集を手に入れ、あの「骸骨」の驚くべき補正(題名さえ不完全だったなんて!)ができることを歓喜しながら……でも、僕は、もうすっかり、疲れてしまっている。今度の連休に、僕は、せめて、それらを何とかしたいのだ。僕に残された生の時間を、僕は、僕の好きなように使って、何が悪いのだろう!? 僕の時間を、誰が規定し、さらに既定するのだろう!? 僕は僕の、まさに我儘に使って何で、悪いのだろう!? 僕の生きる時間は、誰に左右されるのだろう!? ……勿論、僕だけが「それ」を知っている……僕の時間は、僕だけのものだ。僕はただ、それに「覚悟」を持つだけなのだ。即ち、僕は僕にだけ、責任を持てば、それで、いいのだ。
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