西尾正 骸骨 AN EXTRAVAGANZA 新底本による再校了版!
公開していた西尾正「骸骨」の底本は、双葉社昭和51(1976)年刊の鮎川哲也編「怪奇探偵小説集」正編を用いたものであったが、その後、より厳密な校訂と思われる論創社2007年刊の横井司解題「西尾正探偵小説選」を入手したので、そちらを新底本として再校訂を行った。実際に原底本と新底本では、ルビのあるなし・ルビの表記の違い・送り仮名等、極端に異なっている。最大の驚きは副題の存在である。正しくは「骸骨 AN EXTRAVAGANZA」でなくてはならなかったのだ。30年前の恋人に逢ったような新鮮さだった。注やスタイルにも一応、凝ってみた。僕のテクストの中では、かなりしっかりしたものとなったと秘かに自負している。未読の方にも、既読の方にもお薦めできる。但し、救いのない作品だけれど。本作中の未だ見ぬ謎の『シレエヌのヴェニコス像』の情報も、よろしく!