島 伊良子清白
島 伊良子清白
黒潮の流れて奔る
沖中に漂ふ島は
眠りたる巨人ならずや
頭のみ波に出して
峨々として岩重れば
目や鼻や顔何ぞ奇なる
裸々として樹を被らず
聳えたる頂高し
鳥啼くも魚群れ飛ぶも
雨降るも日の出入るも
青空も大海原も
春と夏秋と冬も
眠りたる巨人は知らず
幾千年頑たり崿たり
*[やぶちゃん注:以下、底本準拠総ルビ。]
島(しま) 伊良子清白
黒潮(くろじほ)の流(なが)れて奔(はし)る
沖中(おきなか)に漂(たゞよ)ふ島(しま)は
眠(ねむ)りたる巨人(きよじん)ならずや
頭(かしら)のみ波(なみ)に出(いだ)して
峨々(がゞ)として岩(いは)重(かさな)れば
目(め)や鼻(はな)や顔(かほ)何(な)ぞ奇(き)なる
裸々(らゝ)として樹(き)を被(かうぶ)らず
聳(そび)えたる頂(いたゞき)高(たか)し
鳥(とり)啼(な)くも魚(うを)群(む)れ飛(と)ぶも
雨(あめ)降(ふ)るも日(ひ)の出入(いでい)るも
青空(あをぞら)も大海原(おほうなばら)も
春(はる)と夏(なつ)秋(あき)と冬(ふゆ)も
眠(ねむ)りたる巨人(きよじん)は知(し)らず
幾千年(いくちとせ)頑(ぐわん)たり崿(がく)たり
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奇岩奇石吾が心象を投射せり 唯至
この句は2001年の夏、下北半島仏ケ浦での僕の愚作。

