エデンの東 Julie Harris
アリスを可愛がりに行って母が見ていた「エデンの東」を、結局、最後まで見てしまった。僕は何度、あの作品を見ただろう。20回は下らないんだ。レッドパージの密告者として、理屈では好きになれない監督でも、いいものは、いい。
見始めたのが、またあの観覧車の印象的なシーンから。とんでもない演技をするキャル役のディーンは勿論のこと、実は、僕はアブラ役のジュリー・ハリスが、痺れるくらい大好き! でも、何故だろう? 今日それが判ったよ。小学校5年生の時に好きだった同級生の「洋子」に似ているからだ。50歳の僕が、今更ながら、そんなことに気づいて感銘しているのだった。その「洋子」さんが今、どうしているかも、気にはなるのだけれど、もっと気になるジュリーは? ネットで判る! 87歳になるが、まだ存命であるようだ。
だから、Julie Harris! 「君の瞳に乾杯!」 僕の永遠の恋人へ!
そうして、更に思い出す。僕は大学3年の時に付き合っていた女性から、彼女の妹が「エデンの東」見たいと言うので連れってくれと頼まれた不思議な経験がある(この付き合っていた女性は僕が生まれて初めて結婚しようと思った女性であるのだが)。今以て不思議では、ある。何故、彼女は妹と僕を送り出したのか? ともかく渋谷の小さな映画館に僕はその「彼女の妹」を連れて行った。満員に近かった。彼女をかろうじて空いていた通路脇の椅子に座らせ、僕は、その横の階段に座って見た……
何を言いたいか判るかい? 僕はその瞬間に、少しだけキャルになった気がしたんだよ……
……そうしてその「彼女の妹」と終映後に喫茶店で映画の話や彼女の話やら、一杯話したな(確か彼女と僕の門限の10時位まで)。それは不思議に覚えている。そうしてその中の彼女の言葉も忘れない、『あなたは私のライバルですから』……この言葉はフラッシュバックする。僕の親友(僕の親友少ない。50年間でたった5人を数えるだけである)の妻が、同じ頃ちょっと前に、僕に全く同じ『あなたはライバルです』と手紙を送ってきていたから……
……僕は、どうすれば、よかったのかな? そうして、彼らの謎めいた『ライバル』の意味……誰か、判ったら教えて下さい……
冒頭の写真はこの写真のトリミングだね。これはイメージ・スチールだ。一番、ジュリーが綺麗♡ 「刑事コロンボ」の「別れのワイン」で主人公(ドナルド・プリーゼンス)が殺人の証拠をネタに脅迫され結婚を強要されるオールド・ミスの秘書をやってたのを見た時は、泣いたぜ! 何で、こんな役? 何で、よりによって海坊主プリーゼンス?
*やぶちゃん後注:Donald Pleasenceは個人的には大好き怪優! 「アウターリミッツ」の「人間電池」(これには心理学者役であの「ある愛の詩」の父親役John Marleyまで出てる!)や「ミクロの決死圏」――白血球に溶かされる閉所恐怖症のトラウマ科学者というのははまり過ぎ!――「恐怖の植物人間」……異常者役をやらせれば右に出る者はないね(クリストファー・リー、ピーター・カッシング何するものぞ!)でも、この「別れのワイン」、ドナルドのフィルモグラフィの銘記すべき名作でもあると思う。いいね! あのまさに「味わいのある」エンディング!