柴田昌平「ひめゆり」についての追記3
集団自決命令がなかったなどということをまことしやかに語る輩は、この作品を見るべきである。
お前たちはひめゆりを「臨時動員=徴用」だから、軍令に基づく準戦闘員などとはさすがに認定して、区別するなんてことはしないよな? 彼女たちが解散命令を受けて、壕を追い出され後、地獄の南部の海岸しか逃げる場所がなかったことは、命令した軍属のよく分かっていたことだ。彼らが地に落ちた糞のような武士道で勝手に死ぬのは、哀れむ必要もない(彼らはそれを名誉と呼んだではないか!)。しかし、軍国教育によってがんじがらめにされ、放り出され、股裂きにされて殺されると教育された彼女たちにとって、糞武士の解散命令は、自決以外の何ものでもない。そうして自決していった少女たちに、平然と「沖縄戦で自決命令はなかった」等と言い放てる、教科書を書き直させて慢心する元「軍人」
(元がつくほどにおまえは今も軍人でありたいのだろう。だからあの時に戻るがいい。そうして確かにもう一度、民を虫けらのようにその冷徹な笑顔で殺すがいい。それが戦争だろ。俺は命じたがあれは戦争だったからだと叫んだ方が、まだ俺は共感できる。それこそ命じない奴がいたらどうしようと思いは、しなかったか? いや、バレそうになったら、そんな「誠実な軍人」として俺は戦後は証言しようとそもそもと思ったんじゃないのか? だって「軍人」なら自決命令を出すのが当然じゃあ、なかったのか? 地獄であの頃に戻って聞いてみるがいい)
そうしてそれこそ、興行率を上げるための有象無象の「ひめゆりの塔」の女優のようなどこかの美形(さすがにもうあんたは僕と変わらぬ醜い老人だよ)の、自分のブログに桜の花びらを散らせている「元」ジャーナリストに、この作品を見てもらいたい。鬼の首ととったように、ある「集団自決」がなかったことを歴史的な隠された「集団自決の幻」のシンボルであるかのように語る、お前に。