息 増田晃
息 増田晃
香袋の緒をゆるめて
おまへがつく重い太息は
カテドラルの燒硝子をぬけて
日が聖體を盗むやうに
私の心を掠ふ。
ま た
ゆるいおまへの息は
カトリツク寺院の中庭の池へ
斷崖のやうに切落ちる鐘樓の尖を
ものうく食べてゐる鯉の鰭の
波紋をいくつもかける。
[やぶちゃん注:「掠ふ」は「掠(さら)ふ」と読ませているか。]
« 笛歌 増田晃 | トップページ | 法隆寺金堂天蓋天女に寄す 増田晃 »
息 増田晃
香袋の緒をゆるめて
おまへがつく重い太息は
カテドラルの燒硝子をぬけて
日が聖體を盗むやうに
私の心を掠ふ。
ま た
ゆるいおまへの息は
カトリツク寺院の中庭の池へ
斷崖のやうに切落ちる鐘樓の尖を
ものうく食べてゐる鯉の鰭の
波紋をいくつもかける。
[やぶちゃん注:「掠ふ」は「掠(さら)ふ」と読ませているか。]