芥川龍之介 未定詩稿 十五篇 再追加
岩波書店刊葛巻義敏編「芥川龍之介未定稿集」の「詩」のパートに所収するもので、既にテクスト化した新旧岩波版全集の「詩歌」のパートのどちらにも所収しない詩を十五篇を採録した。これらは恐らく新旧全集の書簡及びノート類のパートに存在するものと思われるが、現在、それを精査する時間がない。
しかし、これを以ってとりあえずの「やぶちゃん版芥川龍之介詩集」の体裁は整ったと考えている。即ち、纏まった形でのネット上での「芥川龍之介詩集」としては「やぶちゃん版」と冠してもとりあえず恥ずかしくないオリジナリティと量、そして、とりあえず詩としては芥川龍之介研究で認識されているものを確保できたという点で、「整った」と言わせてもらおうということである。
「全詩集」を名打つには、これから全作品中の詩(例えば「詩集」の中の「夢見つつ」の詩)及び「書簡」と「ノート」の総覧が必要だし、佐藤春夫の「澄江堂遺珠」という素晴らしい仕事をこれにどう取り込むかも考えなくてはならない。暫くは現在の状態で、安定させておこうと思う。