タスマニア紀行1《タスマニアで聴く1》「森の声」
タスマニア紀行1《タスマニアで聴く1》「森の声」
連泊したクレイドルマウンテン国立公園に程近いLemonthyme Lodge。そこでは確かに「森の声」が聴こえたのだ――それはテラスの下にやってくるワラビーの声でも、木立の奥に眼を光らせたコノハズクの声でも、ましてやただ木々を渡ってゆく夜風の音でもない――耳は――繰り返し飛行機の上下降で痛めつけられた僕の耳の耳鳴りは、不思議な自然の逆位相をかけられてまるで気にならなくなっていた――僕は素直にうなづいたのだ――それはまさしく「生きている森」の「生きている息吹」そのものなのだと――
(上写真は早朝のテラスにやってきた我等がタスマニア行を先導する八咫烏。尾羽の先が白い。下写真は子供を袋に入れたワラビー。但し、この写真自体は後日のワイングラスベイ・ルックアウトの登山口で出逢ったもの。)