“越し人”松村みね子(片山廣子) 五月と六月
アイルランド文学の翻訳家にして作家、松村みね子の「五月と六月」を正字正仮名で「やぶちゃんの電子テクスト:小説・評論・随筆篇」に公開した。僕のブログお読みになる人には既にお分かり頂けているであろう、芥川龍之介の、あの“越し人”、その人である。本作は彼女の、芥川龍之介を思い出を綴ったものの一つ。一読、忘れ難い、ユーカリの森の風の匀がする佳品。
本年最初の文学テキストとして、これ以上に相応しいものはない。
つい一時前、右手の目の高さの書棚にあった「燈火節」に眼が留まった。年譜を褄開く。彼女は1957年3月19日79歳で亡くなっていた。没後50年であった。
芥川龍之介と彼女を僕のテクストの欄に並べた時――僕の脳にユーカリの匀が流れ込んだ気がした――
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