片山廣子 アラン島
片山廣子「アラン島」を「やぶちゃんの電子テクスト:小説・評論・随筆篇」に正字正仮名で公開した。
僕はアラン島が好きである。シングの「アラン島」も映画の「アラン島」も勿論だが、実際の島、アランが好きである。2003年の殺人的猛暑の中、僕はアラン島を訪ねている。島蔭をゆっくりとロバが弾く荷車が行く――古代ケルト人の城跡ドゥーン・エンガスの断崖の縁には流石の僕も遂に立てずに匍匐した――古代の日時計、忘れられた墓、風、十字架、海鳴り――
……今日も僕はあそこで買った数少ない買い物(僕は旅行をしても何も買わないし衣料品に至っては自分で日常的に買ったことがない)のケルトの文様の入った如何にも漁師がやっていそうな黒と赤のお気に入りの「アランのマフラー」をしている……
――更に言えば、実はこれも僕には芥川龍之介との絡みのものとして読まれるのであるが、それを「する」ためにはある資料が必要だ。普通の図書館に行けば、すぐに手に入るのだが、その「時間」がない。暫く、暖めておくことにする……
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