予告『傀儡師』復元
新しい目論見は芥川龍之介の「作品集」のネット上での復元。
彼が「あの時」読ませようと思った作品群を再度、単行本化した時、そこには別なシチュエーションがあったはずだ。アップ・トゥ・デイトに組み替えられた作品群。だから、それを僕らが追体験しよう。
僕は先日、値崩れを起こして安くなったほるぷ社の復刻本の芥川龍之介作品集『傀儡師』をたったの千円で手に入れた。文庫で、これらの作品を新本で買ったら、とっても千円じゃあ、買えない。そこで、閃いたのだ。
もう一度、その時代に戻った庶民、読者になってみよう。そこから自由な芥川龍之介の生きた「あの時」の世界が見えてくるのではないかと――
今は「るしへる」に取り掛かっている。切支丹物はつらい。近世史は、僕の最も苦手とするところだからね。でも、ぼちぼちだらだら、下劣な世俗に愛想つかして隠棲した隠者のように、楽しめる、僕がいる、誰か一人ぐらいそれを面白がってくれる人がいれば、これは「何がさて幸福だ」――
« 始まりというものの不可解さ。そこからくる円いものへの愛着。始まりのないものに人は完全性を見ようとする。 ジャック・リゴー | トップページ | 芥川龍之介 るしへる 附やぶちゃん注 »