ツルゲーネフ「猟人日記」より中山省三郎訳「狼(ビリューク)」
Иван Сергеевич Тургенев“Бирюк”ツルゲーネフ作・中山省三郎訳「狼(ビリューク)」(「猟人日記」より)を正字正仮名で「心朽窩 新館」に公開した。
明日よりアイスランド共和国――ヴェルヌの「地底旅行」の旅に出かける、その留別に。
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この作品は1977年に旧ソヴィエト、ウクライナ映画の新鋭監督ロマン・バラヤンにより映画化されている(75分。残念ながら僕は未見)。1987年の「ソビエト映画の全貌’87」(パンフレット)によれば、映画では原作にない結末が用意されている。『そんなある日、森番は猟をしていた貴族の流れ弾にあたってあえなく死んだ……。倒れた森番に貴族は目もくれなかった。』――これをご覧になったこの方のブログによると、これが公開された1981年のパンフレットでは『映画評論家の佐藤忠男氏が「権力の番犬は死ななければならない!」と喜んでい』るとある――年代を考慮しても、佐藤よ! 違うだろ!……
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さてもまた、僕はこの、
“Бирюк”――“Biryk”――「ビリューク」
という語の響きが好きで好きでたまらないんだ――昨日も、早大スポーツ科学の小論文を添削しながら、消化器検査台でぐるぐる回されながら、バリウムが腹の中でこてこてに固まるのを意識しつつテクストを作りながら、夕方の電車の中で、トイレの中で、酔ってブラウザに向かいながら――「ビリューク! ビリューク! ビリューク!」と唇を尖らせて独りごちていたのだ――赤塚不二夫の霊でもついたかな?……
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