氷國絶佳氷河篇 Vatnajökull ヴァトナヨークトル氷河/Jökulsárlónヨークルスアゥルロゥン氷河湖
Vatnajökullヴァトナヨークトル氷河
アイスランド南東に位置するヨーロッパ最大の氷河で、全面積約8300平方キロメートル、国土の8%に及ぶ(日本の四国の半分程)。 これは何と欧州全土の氷河を合計した面積より広い。その下には活発な火山帯が七つも隠れており、Grímsvötnグリームスヴォトン火山は定期的に噴火を繰り返すことで有名。添乗員の小黒さんは、何とこの旅行の最大の心配は、そろそろ時期が来ているこの火山噴火の噴火だったと旅の終わりに告白、なんと、壮大な素敵な心配だろう!
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噴火と言えば、このグリームスヴォトン火山の脇にあるLakiラキ火山の話は凄い。1783年にグリームスヴォトンと一緒になって噴火したが、これによってアイスランドの全人口の1/3(約12000人)が命を落とし、羊約80%、牛50%、馬50%が、放出された八百万トンのフッ素化合物によって歯のフッ素症及び骨のフッ素症によって死亡した。更に放出された一億二千万トンの二酸化硫黄は、西ヨーロッパ全域を覆い、異常気象を齎して、それは数年に及んだ。その結果生じた貧困と飢饉が1789年のフランス革命の大きな原因の一つとされる。更に、成層圏まで舞い上がったラキ山の粉塵は止めどを知らない。気づいて頂きたい。1783年は天明3年、1782年~1788年は天明2年~8年、そう、あの近世史上最悪最大の大飢饉もラキ山の影響が大きく疑われているのである。アイスランド―フランス革命―天明の大飢饉――「風が吹けば桶屋が……」どころじゃ、ない!
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Jökulsárlónヨークルスアゥルロゥン氷河湖
ヴァトナヨークトル氷河の南、Breiðamerkurjökullブレイザメルクヴァトナヨークトル氷河の先端が崩れ落ちて氷山や流氷となって浮かぶノダ。でも、理科の先生やフロイト先生が意識と無意識の比喩で言っていたように水面には1/10しか出ていないノダ。
水陸両用車によるこのクルーズはちょっとやそっとじゃ、味わえないノダ(水陸両用車というから僕は実は旧ソ連軍の確かべジュズフォートと言ったか、ごっついSFに出てきそうな装甲車を想像していたノダが、これが漁船の下に車のタイヤがついてる如何にも素朴なものだったノダ)。
「どですかでん」の頭師佳孝風に「やれやれ、しゃーねーな! 日本くんだりからやってきたんじゃ、よ」って感じで、アザラシ君が、最後にちょこっと頭を見せてくれたノダ(残念ながら妻のこれらのファインダーの中には入らざるなりなノダ)。
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