Je te veux
Je te veux
エリック・サティ作曲 アンリ・パコリ作詞
(……なれどやぶちゃん改竄版に附き要注意!)
こがね色の天使――その禁断の木の実……
あなたの瞳――
いやよ!――と言われても
あなたが欲しい……
僕のこの苦しみを救っておくれ!
来て! 僕のミューズ!
僕は欲しいんだ! 二人だけの幸福――
それがあっという間に消えてしまう一瞬のものであったとしても――
あなたが欲しい……
あなたの素敵な髪――
あなたの光輝く背中――
豊かで悩ましいそのブロンド――
禁断の偶像――そのブロンド……
僕は切に願う――
僕の心があなたの心と――
あなたの唇が僕の唇と――
そうして、あなたのからだが僕のからだと――
僕の肉の総てが
あなたの肉の総てとなる――
あなたが欲しい……
こがね色の天使――その禁断の木の実……
そうなんだよ……僕には分かるんだ――
あなたの瞳の中のスティグマ――
もう、少しも怖がらなくったっていいんだ――
あなたを抱く、僕の手を――
いつまでも抱き合い
共に燃え上がる
愛の夢に感じて……そうして……
逢おう!――
二人の魂だけが交わる――
こがね色の天使――その禁断の木の実……
あなたが、欲しい……
*
酔ってるから、めんどくさい――“Je te veux”で検索して、そのシャンソン歌詞の男性版というのを見つけて、その方の翻訳を眺めながら垂翅の酔死人たる僕が勝手気ままに改竄したんだが……でも、これは不遜にも僕の個人的な詩となった――だって、酔っ払いは、いつだって“Je te veux”なんだから……
――僕の最初のサティ、ジャン・ジョエル・バルビエの“Je te veux”と、あのアランのはにかみと、このブログとを、捧げよう……あなたへ――しかし……サティがこんな安物の詩(失礼、アンリ・パコリ先生! しかし“Je te veux”は糊口に窮したサティがいやいや作曲したというのは確かな都市伝説である)に曲をつけたなんて……で、こんなにロマンティクないい曲だなんて……
……安物の詩――安物の生活――安物の実人生……
……もう、たくさんだ! と、何故、僕もあなたも 「言わない」のだろう?
……いや……言ってみたところで……デュブールの言うように偽者ものの金ピカの(それは鍍金だ!)人生しか僕らにはないからだってことは、分かりきってる、さ……
*
女性版・男性版共に原詩附きで、絢爛なMP3も聴けるブログを発見。このフランス語の原詩から、ちゃんといつか訳してみたいな……
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