狂師像後日談 赤飯
今日の昼過ぎ、筋肉の痛みをとろうと風呂に入っていると、隣に住んでいる父がやってきた気配がした。
「お前の優勝を祝って赤飯買ってきたよ」
という声がした。風呂から上がると、食卓にコンビニの赤飯が置いてあった――
……そうだね、親父……病気がちで非力な息子を持った僕の父は、きっと小さな時の僕が運動会でいつだってびりケツだったのを(それは当たり前だと思っていたから僕自身はたいした落ち込みはなかったのだけれど)――どしたらいいだろう、でも、どうもできんな――とどこかで親父として淋しく思っていたんだろうな……
僕はこのありがたい赤飯を、「見に来るな!」と冷たく厳命した妻と共に今夜、分かち合おう――

