ヒラニア・ガルパ?
君も僕も生ぬるい人生に生きたいとは思わない。しかし生ぬるい人生に生きるのが最も生き易い。その生き方は不断に自己否定されるにしても、自己否定すべきお洒落な自己さえ持たぬ我々は格好をつけるのも馬鹿げている。なればこそ、不断に他者も自己も裏切ればよい――僕らは――神を持たぬ我らは、永遠に罰せられることはないが故に――君も僕も自身を裏切れば、それでよい――ヒラニア・ガルパ? いや開きの「ガルパ」という淡水魚の一種(きっとそれは体内に侵入するアマゾンの殺人魚カンジールの仲間に違いない)であるというのが、テッテ的に正しい表現だ……