愛 イワン・ツルゲーネフ
愛
すべての人はいふ――愛は最も神聖な、最も高邁な感情であると。爾(おんみ)の「自我」のうちに他の「自我」が入りこむ。爾(おんみ)は擴がり、毀(やぶ)れる。爾(おんみ)の肉は今は遠くへ去つてゐる。爾(おんみ)の「自我」は殺されてゐる。しかも、血と肉をもてる人間が、このやうな死にさへも心をかき亂される。復活するのは不滅の神々ばかりである。
一八八一年六月
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愛
すべての人はいふ――愛は最も神聖な、最も高邁な感情であると。爾(おんみ)の「自我」のうちに他の「自我」が入りこむ。爾(おんみ)は擴がり、毀(やぶ)れる。爾(おんみ)の肉は今は遠くへ去つてゐる。爾(おんみ)の「自我」は殺されてゐる。しかも、血と肉をもてる人間が、このやうな死にさへも心をかき亂される。復活するのは不滅の神々ばかりである。
一八八一年六月