春のある日 尾形亀之助
久久で
妻を病院に見舞つた
妻は笑つてゐた
先よりも少しふとつてきれいになつてゐた
私はうれしく思つた
自分の来たことを妻はよろこんでゐるのだが
×
病室は
薬くさくも
病人臭くもなく
あけた窓からさし込んでいる陽が
室も人も
みな消毒してしまつたように
さつぱりとおちつてゐた
*
(玄土第三巻第四号 大正11(1922)年4月発行)
[やぶちゃん注:「みな消毒してしまつたように」の「ように」はママ。]
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久久で
妻を病院に見舞つた
妻は笑つてゐた
先よりも少しふとつてきれいになつてゐた
私はうれしく思つた
自分の来たことを妻はよろこんでゐるのだが
×
病室は
薬くさくも
病人臭くもなく
あけた窓からさし込んでいる陽が
室も人も
みな消毒してしまつたように
さつぱりとおちつてゐた
*
(玄土第三巻第四号 大正11(1922)年4月発行)
[やぶちゃん注:「みな消毒してしまつたように」の「ように」はママ。]